期待を込めて、SONY製完全ワイヤレスイヤホンを新調しました。

駄作だった前作WF-1000X

SONY製完全ワイヤレスイヤホン WF-1000Xを購入し、早々に駄作だと当ブログに記載して早1年半くらいが経過しました。



なぜ駄作かなどは上の記事に記載の通りですが、以後今年に入っても幾つかのアップデートが入って動作は改善しつつあると感じてはいたものの、完全に解決されてるわけでもなく、使用する機会は徐々に減少していました。

Sony Store Mailにて新型の発売を知り、見てきた

暑くなり、ヘッドホンからイヤホンへの切り替え時期もとうに過ぎていた今月始め、ソニーストアから度々届く新製品情報に「完全ワイヤレス新商品1000XM3発表」との文字を発見しました。
それによると今月6日からソニーストアで展示するとのことで、実は先日「ちゅん」をソニーストアに連れて行った際に実機を試してきました。



限定的な環境下ではありますが、スペック的には大きな進化があり、実際に装着して音を聴く限り頻繁に途切れる事が無くなっていたので、その場で購入を決断するに至りました。

WF-1000XM3が届きました

SONY WF-1000XM3 

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ソニーストアでWF-1000XM3の実機を試し、帰宅後にオンラインのソニーストアで注文したものの、すでにかなりの人気を集めていたようで発売日に手にすることができませんでしたが、まぁ良いでしょう。

箱を開けてみると、(詳しくは後述しますが)WF-1000Xとはデザインテイストが大きく異る製品となった事がわかります。
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ちなみに、使えるクーポンをフルに使い、24,155円(税込)でした。その価値があるか、この夏は検証の夏となりそうです。

1000X最大の問題は解消されているのか

あえて、いきなり核心の話題からいきましょう。WF-1000Xの記事で、私は根本的な問題解決のためには以下の事が大前提となると考えていました。
WF-1000Xを使ってみて思うのは、完全独立型イヤホンはまだまだ発展途上にあるということです。他社も含め(ほぼ)全ての製品でデータの流れは「スマートフォン▶片側▶片側」となっています。
しかし、本来は「スマートフォン▶両側」へデータを転送しなければBluetooth接続による遅延などの影響を小さくする事は非常に難しいはずです。
WF-1000XM3の開発者インタビューを見ると、この点は見事に解決しているようです。特に開発者自身が劇的に改善していると語っている部分は注目に値する(1000Xはやはりダメだった)でしょう。
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(出典 : SONY

XM3は、1000Xの記事で記載したQualcomm TWS Plusの技術を使用している旨は記載されていないので、独自ないし何らかの別の技術で左右独立伝送が成されているようです。

結果、私が普段イヤホンを使用する環境(主に通勤時)においては、その劇的な変化をきちんと感じ取ることができました
周囲に人があまりいない環境での音切れは無く、満員に近い地下鉄内並びに多くの人が行き交う札幌市内中心部においても、1~2回短時間音が切れる程度とかなり優秀です。

また、左右どちらもスマートフォンと接続されるため、左または右のみでの使用が可能となった事は意外に大きな変化だと感じました。これは昨年購入したヘッドホンWH-1000XM3に続いて、傑作の予感がしてきます。

1000Xから大きく変わったデザインの方向性

WH(ヘッドホン)シリーズでは1000XからXM3になってもそれほど大胆なデザインの変更はありませんでしたが、WF(イヤホン)シリーズでは大きく変わりました。

まずは充電ケースですが、XM3の方がよく考えられていると感じます。形状的にもXM3の方が持ち運びに適していますし、何より時代に合わせて端子がType-Cとなった事は大きく評価できるところです。
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ただ、イヤホン本体を収納する際には問題は無いものの、私の指が太いせいもありますが、XM3はケースから取り出すときにやや苦戦しました。
もう少し本体間の隙間が広いと指が入るのですが、まぁ大多数の方には問題にならない部分なので良いでしょう。
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肝心の本体についても同様にデザインが大きく変更されました。筐体サイズ自体は機能向上により大きくなっていますが、外見の変更によってあまり目立たなくなっている印象です。

個人的には1000Xのキラキラ感も好きですが、私世代以上の人が普段装着するならば、断然XM3の方が落ち着いていて好ましいデザインだと思います。
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形状の変更は、特に横から見た時に大きな違いを感じました。色々考えられて作られた結果このような形になったと思いますが、正直なところ装着感は1000Xの方が良いと感じます。
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ただ、装着感という点では、まだイヤーピースを全て試していない状態なので最終的な評価はできていません。1000Xでも標準とは違うイヤーピースにしていたので、XM3も付属のイヤーピースを全て試してみる必要があります。
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1000Xから使い勝手が大幅に向上

使い勝手という点で最も進化した点は、XM3は6時間も持つようになった事でしょう。1000Xでは、たまにバッテリ-が切れて歯がゆい思いをしましたが、公称6時間となれば日常的なシーンでバッテリ-が切れる事はまず無いと思います。
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(出典 : SONY

さらに同じくらい大きな進化としては、WH系と同様に本体に搭載されたタッチセンサーで、幾つかの動作をコントロールできるようになった事が挙げられます。

タッチセンサー部の面積が小さく、操作にはやや慣れは必要なものの、いちいちスマートフォンを取り出す必要が少なくなったのは良いポイントでしょう。
個人的には音量+/-がコントロールできると100点満点でしたが、XM3の筐体に全てを入れ込むのは難しいので、現時点では最高の出来だと思います。

とは言え、私は普段よりスマートウォッチを装着しているため、基本的な操作は全てスマートウォッチを使用するため、実際にはあまり恩恵を受ける機会は無さそうです。
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(出典 : SONY

1000Xでも搭載されていたアダプティブサウンドコントロールは、例えば「歩行▶地下鉄▶歩行」や「歩行▶停止▶歩行」のように動き方が頻繁に変わるとモードが勝手に切り替わるのですが、個人的には切り替えが認知できる状態だと余計なおせっかいだと感じますし、そもそもあまり必要の無い機能だと感じたのでOFFにしています。

音は「大満足」以外に思いつかない

技術的な視点では、例えば対応コーデックがSBCとAACのみと物足りなさはあるものの、ソニー独自のDSEE HXが搭載された事でハイレゾ相当までアップスケールされています。

音質はいわゆるSONYらしいと表現できますが、1000Xと比べると静かな音楽に強い傾向を感じました。さらに、アプリ側でイコライザーの設定が可能になったこともあって、自身の好みに音質を合わせる事ができるため、満足度はより高くなります。

大きなウリであるノイズキャンセリング機能は大きく進化し、WH-1000XM3の技術を踏襲した「高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN1e」を搭載しています。
また、ヘッドホンの外側と内側に2つのマイクを搭載し、フィードフォワード・フィードバックの2つの方式を統合することでよりノイズキャンセリングの効き具合を高精度にしてするそうです。
実際使用してみても、1000XよりXM3の方が圧倒的にノイズキャンセリング機能が強化されている事がわかります。
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(出典 : SONY

ところで、些細な事だけど、M2はどうしたの?

私の記憶が確かであれば、WF-1000Xの次が今回購入したXM3ですが、おそらくヘッドホンのWH系と数字を合わせるためだけで特段意味は無いのかと思います。

が、邪推すると、1000Xの接続の悪さを解決するためには、このくらいの時間が掛かってしまったという事かなとも思いました。
真偽はわかりませんし、何回も書いていることですが、SONYは無線技術を未熟な状態で製品に載せる傾向にあるため、無線技術がコアなウリな製品の初期型(初代機)は購入しない方が良いのではないでしょうか。
時間をかければXM3の様な素晴らしい製品を作り出せるのですから、他社の動向や営業からの突き上げなど色々あるかもしれませんが、技術部隊は本当に納得の行く製品を最初から出して欲しいと切に願います。