【UPDATE_190320】ご指摘のあった点など追記・修正しました。
夏用ワイヤレスイヤホンを新調しました。
【関連記事】
 ・SONY VAIO Tap 11という駄作について
 ・SONY MDR-1000X
 ・完全ワイヤレスイヤホン サウンドピーツ(SoundPEATS)Q16

サウンドピーツで満足していたものの.....

使用期間がそれほど長くない夏用のワイヤレスイヤホンは、ただ聞くだけなら機能・性能的に不満がほとんど無く非常にコストパフォーマンスに優れた製品である、関連記事で紹介したサウンドピーツ Q16を今年も愛用するつもりでした。

関連記事で「SONY WF-1000X」について以下の様に記載している通り、現在でも音楽を聴くという全く同じ機能に対してWF-1000Xの価格は非常に高いと思っています。

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しかし、結果的に先日「SONY WF-1000X」を購入しました

なぜ高いと感じるWF-1000Xを購入したのか

これほど高い高いと騒ぎながら結局買った理由としては、サウンドピーツ Q16の機能には不満が無いものの、デザインに関しては価格相応(=安っぽい)なので所有する歓びが無い事。
関連記事でも記載していますが、Q16はイヤーフック型であるが故にボディサイズがかなり大きめで、慣れたとはいえ装着時の違和感が完全に払拭されなかった事が挙げられます。

後者についておそらく眼鏡を着用している人限定だと思いますが、眼鏡をかけつつイヤーフック型を使用するのはやはりどこか無理があります。
落としそうだからという理由でイヤーフック型を選んだわけですが、結果的にはきちんと耳に掛けることができないので、なんとくなく落としそうな感覚があります。

とまぁアレコレ書きましたが、要はWF-1000Xが欲しかっただけで全て後付けの理由です。

早速、高級イヤホン(?)を試してみます

SONY WF-1000X

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最近、ソニーストア札幌にフラッと立ち寄って様々な製品に触れる事が楽しみの1つになっていますが、先日訪れた時に見事に誘惑に負けてしまいました。
SONY製品に関してはかなりの確率で思考停止パターンになりがちで、ほぼ指名買いというかあまり他社製品と性能や価格を比較する事はありません。
(購入時点では上の方に書いた後付の理由すら無かった....)

今回購入したWF-1000Xは、完全独立型・ケーブルレス・ノイズキャンセリングと所謂全部入りモデルで私がイヤホンに求める条件を全て網羅している貴重なモデルです。

但し、タイトルにあるように残念ながらWF-1000Xは駄作でした。Tap11が逝き、家にあるSONY製品が秀作ばかりとなったところに再び駄作を手にするとは我ながら素晴らしい引きだと思いましたが、それについては最後の方に記載します。

見た目「は」抜群! MDR-1000Xと並べると至福

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箱を開け、非常に洗練されたデザインのWF-1000Xとご対面です。

WF-1000Xは、1.5時間のフル充電で約3時間使用が可能(カタログスペック)です。3時間と言うとQ16の半分で、例えば北海道から東京へ行く場合でも心許ない時間ですが、付属のケースにはWF-1000Xを約2回充電する事が可能な程度の電池が搭載されており、合計すると9時間使用が出来るようになっています。

今回は所有しているMDR-1000Xと同じベージュ色を購入しましたが、同じ会社の製品を使うと統一感が出てなんとなく気分がアガります。
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装着感「は」快適そのもの

WF-1000Xは、AirPodsと同じ様なカナル型の独立型ワイヤレスイヤホンです。イヤーフック型と違い、ただ耳に入れるだけなので不快感は一切ありません。
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装着した見た目(自分では見えませんが)もスマートでとても気に入りました。

バッテリ-やBluetoothなど様々な機械を筐体に詰め込むとどうしても筐体が大きくなりがちですが、WF-1000Xは耳へのフィット感が完璧で歩いていてもズレてくる事は皆無でした。
イヤーピースやフィッティングサポーターを自分様に組み合わせてカスタマイズする必要はあるものの、より自分に合わせる事によって遮音性やフィット感が向上します。

音質「は」SONYらしく満足な出来

四苦八苦した末にようやく音質に言及する事ができますが、これは一言SONYらしく良い音だと思います。低音もしっかり出ており、ガチャガチャうるさい音質ではありません。

WF-1000Xは、家でまったりと音楽を聴くよりもやはり移動中の使用を想定しているのでしょうから、こういった普段遣いにちょうど良い音質を狙ったものと思います。

気になるのはBluetoothオーディオのコーデックがSBCとAACとなっている事です。XperiaにはaptXとLDACが搭載されているのでやや残念だと感じました。




それでは、ここからは駄作と表現せざるを得ない理由を記載していきましょう。

最悪な気分に陥った使用1日目

毎回SONY製品を買ってはディスっている気がしますが、使用初日のWF-1000XはTap11以来の駄作かと思ったくらい酷かったと言わざるを得ません。

購入して帰宅後に充電を行い、翌朝サクッとNFCでスマートフォンと連携をし、意気揚々と出勤するために家を出ましたが、WF-1000Xからは聞こえるはずの音楽が5秒聞こえて10秒聞こえないといった状況でした。

周囲に人や電波を発する機器が無い状態(自分のスマートフォンは除く)でも音楽が全く聞こえず、スマートフォンを再起動し、アプリ(Headphones)で接続優先設定にしても同様でした。

PCと違い自分で何かを弄ることはあまりできないので、このタイミングで自分で出来る事は無くなり八方塞がりとなりました。
あまりにも使えずイライラしたのでソニーストアに駆け込もうかと思ったのですが、仕事の予定があったので翌日に返品しようと決断しました。

ところが、翌日の朝に試してみると何故か普通に使える様になっていました。まるで狐に化かされた様な感覚に陥りましたが、通勤電車や人混みの中でも瞬間的に途切れる事はあっても初日の様な事は起こりません。
2日目から急に接続の具合が良くなったは、もしかするとファームウェアの更新が入った事が原因かもしれません。ただ、その点をチェックしていなかったので原因不明としました。

早急な改善が必要な「駄作 WF-1000X」

何とかイライラしない程度には使える様になったWF-1000Xですが、良い製品だと他人に勧められるほどのクオリティには達していません。
  • あまりにも酷い遅延
    ▶WF-1000Xを動画の視聴時に使用してはいけません
    ▶曲選択や音量設定など全ての動作への反応がかなり悪い

  • カタログスペックの2/3しか持たないバッテリ-
    ▶ノイズキャンセリング機能をONにすると2時間程度で充電が無くなる
    ▶充電ケースがあっても充電中は音楽を楽しめない

  • 安定しないスマートフォンとの接続
    ▶接続優先モードにしても特に変化は感じられない

  • 効果をあまり感じないノイズキャンセリング機能
    ▶MDR-1000Xを基準とすると効果がとても小さい
    ▶イヤーピースをきちんとカスタマイズした方がよほど効果がある

Tap11でも最大の問題だった無線関連ですが、時が経って現行製品のWF-1000Xでもやはり無線関連は弱いようです。MDR-1000Xでは特に問題を感じなかっただけに、本当に残念に思います。

バッテリ-の件も含めて最も説得力のある回答は、設計の失敗ではないかと思います。デザイン先行で製品化する場合に起こり得る不具合だと感じるのですが、もしそうだとするとファームウェアの更新で全てを解決するのは不可能です。
【重要追記_190320】
当記事にコメントをいただき、一部事実誤認と思われる点がありました。当記事作成時、WF-1000Xの仕様については公式サイトの製品情報の主な仕様を参考にしておりましたが、ヘルプガイドの方により詳細な仕様が記載されておりました。
「ノイズキャンセリング機能をONにすると2時間程度で充電が無くなる」と記載しておりましたが、コメントでご指摘いただいた通り、SBCの場合NC ONだと最大2時間の使用可能時間と記載されており、カタログスペック通りとなります。

もしかしてSONYは無線接続に自信が無い!?

WF-1000Xに限らず幾つかのSONY製Bluetooth接続スピーカーは、aptXとLDACに対応をしていません。MDR-1000Xが対応をしているので技術的な問題は無い様に思えますが、どんな理由があって機能が削除されたかはわかりません。

ただ、推測ではあるもののWF-1000Xについてはなんとなく理由が見えています。

私がWF-1000Xを使用している中での話になりますが、スマートフォンと直接接続している左側は使用2日目以降酷く途切れる事象は確認されていません。しかし、右側については周囲の環境に左右される傾向にあります。

WF-1000Xは「スマートフォン▶左側▶右側」の順でデータが転送(全てBluetooth)されるので、要は「左側▶右側」への転送時に問題が発生している事になります。
一般的にSBCやAACと比べaptXやLDACはデータ量が大きくなりますので、仮にそれらに対応した場合は接続に関する問題がより悪化するのがわかっており、技術的な問題で断念したのではないかと感じます。(型番が1000Xなだけによりそう感じてしまいます)

以前どこかの記事で「aptXやLDACへの対応は電池寿命とのトレードオフ」との記事を仕様読んだ記憶がありますが、どうなのでしょうか??

根本的な問題解決は次期型以降か

WF-1000Xを使ってみて思うのは、完全独立型イヤホンはまだまだ発展途上にあるということです。他社も含め(ほぼ)全ての製品でデータの流れは「スマートフォン▶片側▶片側」となっています。

しかし、本来は「スマートフォン▶両側」へデータを転送しなければBluetooth接続による遅延などの影響を小さくする事は非常に難しいはずです。

現時点で最も有効な解決策は、「QCC5100」と「Snapdragon 845」を組み合わせた場合に使用できる「Qualcomm TrueWireless Stereo Plus」を使用する事になります。これは、CES2018で発表されたものなので今年後半以降に発売される製品に順次搭載されていくでしょう。

こんな背景もあるので、個人的にはWF-1000Xに対する根本的なアップデートは成されないと考えています。おそらく次期型ではより電波の安定性が確保された製品がリリースされると思いますので、いま完全独立型イヤホンを購入しようと思っている方は、サウンドピーツでお茶を濁して来年以降に高額な製品を購入すると良いと思います。