野党統一候補の問題点については、基本政策を横に置き選挙協力を優先させた「詐欺同然の野合」に何ができるのかという点に集約されます。
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野党側が政策協定を結んだ市民連合(正式名称「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」)は、参院選で安保法廃止を掲げる候補を支援するのを目的として昨年11月に結成された団体です。
この団体と民進党、共産党、社民党、生活の党の野党4党は政策協定を締結しました。野党とは言え公党と政策協定を締結する団体とは何者か気になる方も多いと思いますが、野党統一候補の政策の土台を作った市民連合の核となる団体は左翼系の錚々たる面子が揃っています。
ただ、とりあえず「そもそも考え方がバラバラ過ぎる党が集まって何ができる?」という至極真っ当な意見が多く寄せられた結果かどうかわかりませんが、共通政策の土台となるモノが出てきました。
市民連合と野党4党の間で締結された政策協定の骨子は、
下部にある野党統一候補の一覧でも分かるように野党統一候補とは言ってもほぼ民進党公認であり、中には旧民主党で右派であったろう候補も含まれています。そんな中、この政策協定を受け入れられるのか、玉木雄一郎議員の様な考え方の議員は実は多いのではないかと心配しています。
特に安全保障や改憲に関してこの政策協定を受け入れて選挙戦を戦うのであれば、本人の思想・信条は投げ捨てて全ては対自民党の為にという事になるでしょう。
対自民党という事で結束を固めるならば政策協定を脇に置いて戦うという事になり、それはそれで選挙民を欺く行為となると思います。
表面上でもこのように明らかな溝が見えますが、本当に選挙戦でタッグを組めるのでしょうか。
そのような声が各地で表面化した場合、選挙戦を闘いぬくことが出来るのか非常に疑問に思います。選挙はチーム戦なので、烏合の衆では100%の力を出すことは不可能です。
しかし、私は野党統一候補が過半数以上勝てる可能性は充分にあると思います。
今回に関して言えば、野党統一候補というより民共共闘候補という感じです。選挙戦の行方は、自民党支持層が危機感を持って選挙戦に挑めるかどうか、民進党支持層のうちどれだけが共産党にアレルギーを持っているかが勝負の鍵となりそうです。
今回ばかりは結果が全然読めない選挙となるから個人的には楽しいのですが、日本の行く末には少なくない危機感を抱いています。
(Last Editing Date : 2018 / 08 / 27)
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市民連合との政策協定
当然私だけでは無く多くの有権者が同様の問題を指摘したためか、野党側は選挙対策として政策協定というものを出してきました。これは各党の基本政策や理念の摺り合わせは不可能である事から出てきたモノだと言え、今回はそこに焦点を当ててみたいと思います。野党側が政策協定を結んだ市民連合(正式名称「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」)は、参院選で安保法廃止を掲げる候補を支援するのを目的として昨年11月に結成された団体です。
この団体と民進党、共産党、社民党、生活の党の野党4党は政策協定を締結しました。野党とは言え公党と政策協定を締結する団体とは何者か気になる方も多いと思いますが、野党統一候補の政策の土台を作った市民連合の核となる団体は左翼系の錚々たる面子が揃っています。
- 戦争させない・9条壊すな! 総がかり行動実行委員会
- 安全保障関連法に反対する学者の会
- 安保関連法に反対するママの会
- 立憲デモクラシーの会
- SEALDs
市民連合と野党4党の間で締結された政策協定の骨子は、
- 安全保障関連法の廃止と立憲主義の回復
- 与党と改憲勢力による3分の2の議席確保を阻止
- 保育士の待遇の大幅改善
- 最低賃金を(時給)1000円以上に引き上げ
- 環太平洋連携協定(TPP)合意に反対
- 沖縄の民意を無視した名護市辺野古への新基地建設の中止
- 原発に依存しない社会の実現に向けた地域分散型エネルギーの推進
この政策協定で思想の統一と選挙の勝利は可能なのか
先程記載した様に、民進党は一部を除いて本来の考え方とはかけ離れた内容の政策協定を締結したことになります。
下部にある野党統一候補の一覧でも分かるように野党統一候補とは言ってもほぼ民進党公認であり、中には旧民主党で右派であったろう候補も含まれています。そんな中、この政策協定を受け入れられるのか、玉木雄一郎議員の様な考え方の議員は実は多いのではないかと心配しています。
特に安全保障や改憲に関してこの政策協定を受け入れて選挙戦を戦うのであれば、本人の思想・信条は投げ捨てて全ては対自民党の為にという事になるでしょう。
対自民党という事で結束を固めるならば政策協定を脇に置いて戦うという事になり、それはそれで選挙民を欺く行為となると思います。
表面上でもこのように明らかな溝が見えますが、本当に選挙戦でタッグを組めるのでしょうか。
- 本質的な部分で民進党と共産党は全く違う方向性である
- 候補者調整によって共産党には少なからず不満が残る結果となった
- 実体は民進党と共産党のみで他の野党は蚊帳の外(に見える)
- 力を集結できる補選と違い、全国同時での戦いが可能なのか
そのような声が各地で表面化した場合、選挙戦を闘いぬくことが出来るのか非常に疑問に思います。選挙はチーム戦なので、烏合の衆では100%の力を出すことは不可能です。
しかし、私は野党統一候補が過半数以上勝てる可能性は充分にあると思います。
- 強力な支持基盤を持たない自民党は得票の上積みがとても難しい
- 前回の結果を分析すると少なくない選挙区で野党統一候補が勝利する
野党統一候補一覧
- 青森、田名部 匡代、民進党公認、元衆議院議員
- 秋田、松浦 大吾、民進党公認、元参議院議員
- 岩手、木戸口 英司、無所属(生活の党、小沢門下生)、元岩手県知事政務秘書
- 宮城、桜井 充、民進党公認、現職
- 山形、舟山 康江、無所属(元民主)、元参議院議員
- 福島、増子 輝彦、民進党公認、現職
- 栃木、田野辺 隆男、無所属(元民主系?)、元NHK
- 群馬、堀越 啓仁、民進党公認、僧侶
- 山梨、宮沢 ゆか、民進党公認、社会福祉法人理事長
- 長野、杉尾 秀哉、民進党公認、元TBS
- 新潟、森 裕子、無所属(元生活の党)、元参議院議員
- 石川、柴田 未来、無所属、弁護士、問題のある新興宗教の幹部との報道
- 富山、道用 悦子、無所属、?
- 福井、横山 龍寛、無所属、連合
- 岐阜、小見山 幸治、民進党公認、現職
- 三重、芝 博一、民進党公認、現職
- 滋賀、林 久美子、民進党公認、現職
- 奈良、前川 清成、民進党公認、現職
- 和歌山、由良 登信、共産・社民党推薦、弁護士、日本弁護士連合会から懲戒処分
- 岡山、黒石 健太郎、民進党公認、経営者
- 山口、纐纈 厚、無所属、学者
- 鳥取、福島 浩彦、無所属(元日本社会党)、元消費者庁長官
- 香川、田辺 健一、共産党公認、党職
- 愛媛、永江 孝子、無所属(元民主党)、元衆議院議員
- 徳島・高知、大西 聡、無所属、弁護士
- 佐賀、中村 哲治、民進党公認、元参議院議員
- 長崎、西岡 秀子、民進党公認、党職、西岡武夫氏(元参議院議長)の長女
- 熊本、阿部 広美、無所属、弁護士
- 大分、足立 信也、民進党公認、現職
- 宮崎、読谷山 洋司、無所属、会社役員、自民党の公募に応募した?
- 鹿児島、下町 和三、無所属、連合
- 沖縄、伊波 洋一、オール沖縄、元宜野湾市長
個人的雑感
政党として共産党の方がスキルが高いので、民進党は共産党を取り入れることは不可能でしょう。おそらく民進党はこれを大きなキッカケとして瓦解していくのではないでしょうか。
個人的には、保守・リベラルという単純な分け方はあまり好きではないのですが、二大政党制に移行するならば保守系二大政党制となるべきだと考えています。
個人的には、保守・リベラルという単純な分け方はあまり好きではないのですが、二大政党制に移行するならば保守系二大政党制となるべきだと考えています。
今回に関して言えば、野党統一候補というより民共共闘候補という感じです。選挙戦の行方は、自民党支持層が危機感を持って選挙戦に挑めるかどうか、民進党支持層のうちどれだけが共産党にアレルギーを持っているかが勝負の鍵となりそうです。
今回ばかりは結果が全然読めない選挙となるから個人的には楽しいのですが、日本の行く末には少なくない危機感を抱いています。
(Last Editing Date : 2018 / 08 / 27)