【UPDATE18.11】後日談へのリンクをページ最下部に追記しました。
最近徐々に広まりつつあるNASを導入し、結果的に一時的に運用を停止しました。

日々増えるデータの保管場所

現代人の多くがスマートフォンやデジタルカメラを所有し、日々使用しています。パソコンやモバイル端末の処理能力の向上は、近年ではやや緩やかになったものの未だ進歩し続けています。
そんなハードウェアの進化に伴い、1つの1つのデータ量が増大している中、写真・動画・音楽・仕事用のファイルなど日々増加するデータの保存場所の確保が難しくなっていると感じます。
【追記 180608】
特に息子が誕生して以降のデータ量(写真)の増加は著しく、少なくても2台のスマートフォンと2台のカメラからデータを集約して管理する作業は本当に大変です。
1つ1つのデータは大切な思い出や要件とリンクしており、何かが起こってデータが消える事態は何としても避けなければならず、大切なデータを保管・保護しなければなりません。
データを保管・保護する方法として現時点で最も一般的なのは、ケーブル1本で容量を増設する事が可能な外付けHDDに頼ることだと思います。

外付けHDDは非常に手軽に容量を増大させる事が可能ですが、データを保管する為にはPCに接続して他の端末から何らかの方法でデータを収集する必要があります。
また、外付けHDDは非常にパーソナルなデータを扱う事を前提としており、家族間での共有などは設定等の煩雑さもあり非常にハードルが高いと言わざるを得ません。

一元管理された大容量かつ大量のデータを様々なデバイス間でいかに高速に転送し活用できるかといったニーズに対して外付けHDDでは対応が難しく、これを実現する為にはNASが最適解だと思います。

NASとは何ぞや?

NASとは「Network Attached Storage」の略で、簡単に言えばLANなどのネットワークに繋いでおく外付けHDDの事を言います。

例えば、
  • 高性能なノートPCを母艦として使用し、仕事用機とファイル交換を頻繁に行う
  • 複数人で写真や音楽ファイルの共有などを簡単に行いたい
  • 外出先からデータを閲覧・活用したい
といった、複数台のPCやスマートフォンがあり、それぞれから同時ないし断続的に接続できるHDDが必要な場合にNASは非常に便利なアイテムです。

また、私の場合3台あるPCのうち1台がMacなので、フォ-マットの関係上1台のHDDを使いまわすとなると非常に面倒になります。OSの違いを気にせず、デバイスがインターネットに接続した状態であればどこにいてもデータにアクセスできるNASは全ての課題をクリアするアイテムと言えます。

で、何を買えば良いの?

「NAS」と言っても色々あるらしい

全ての機種で可能ではありませんが、最近のWiFiルーターは外付けHDDを接続すると簡易的なNASとして利用できるものがあります。NAS専用機と比較して機能が少なく低速ではあるものの、設置が容易なので導入ハードルは低くなります。
但し、大容量で大量のデータを扱うにはハイエンドWiFiルーターが必須となり、またFAT32形式でフォーマットされている必要がある場合がほとんどで、その場合は1ファイルあたりの最大容量が4GBと制限されてしまいます。

私の環境や使用状況を見ると、WiFiルーターの買い替えが必要で、4GB以上のデータも扱う事から、必然的に簡易NASではなくNAS専用機が必要です。

NAS専用機は外付けHDDと比較すると高価ですが、HDD組込み済のNAS製品と比較してトータルでやや安価になるNASキット(HDDが付属しないNAS製品)だとHDDの換装が容易で自分の用途に合わせて後々大容量化する事も可能です。
NASキットで注意が必要な点は、HDDの搭載可能数です。ファイルをより安全に保管・保護したい場合、最低でも2台のHDDを搭載でき、ミラーリングに対応している必要があります。

諸々の事を調べ、実際に何を買えば良いのかをGoogle先生に聞いたところ「NETGEAR」「QNAP」「Synology」というメーカーの製品が選択肢として提示されました。
メーカー選定を自分自身で判断し決定するのは危険かと思いツクモに行ってみたところ、店頭にReadyNAS 102しか無く、比較する術がないのでそのまま購入してきました。
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NASのセットアップは意外なほど簡単

徐々に設定を進め運用段階に入った我が家の「ReadyNAS 102」です。
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この製品のトピックは、コンパクトな筐体に2台のHDDを搭載でき、X-RAID2という機能によりミラーリングが可能で、動作中に電源を落とさずHDDの換装が可能なホットスワップにも対応している事です。
NASは基本的に常時稼働させる予定なので、いずれHDDの寿命が切れた時にホットスワップで換装できるのは非常に魅力的です。

注意するべき点は、電源プラグが3ピンなので2ピンへの変換プラグが必要な事くらいでしょうか。これは私自身がハマってしまったので、どの製品を使うにしても事前に確認が必要です。
突き詰めて設定すれば様々な事が可能になるようですが、まずはHDDをマウントし、説明書やセットアップ時に出てくる画面に従って順に設定を行っていきます。

▶蓋を開けて、中のケースを取り出す
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▶ケースにHDDをセットし、本体に戻す×2でハード的な準備は完了
 ※同機種同容量のHDDが2台必要(WD REDはNAS用なので安心)
 ※ちなみにドライバーなどの工具は一切必要ありません
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▶NASをルーターに繋いで電源を入れると、自動的にRAIDを構築
 ※就寝前に始めて、翌日仕事から帰宅したら終わっていた感じです。

ReadyCLOUDにアクセスし、アカウントを作成

▶ログインすると管理画面が出る(見た目はファームウェアのバージョンによる)

あとは説明書を読んで必要に応じた設定を完了するだけですが、基本的に素の状態でも何ら問題ありません。但し、基本セットアップは全く知識が無くても可能ですが、イメージしていることを全て実現しようとすると途端にハードルが上がってしまいます。
実際やってみると決して難しくはないのですが、少なくてもパソコンなどに関してある程度の知識が無ければ手を出しづらいでしょう。例えば、テレビとの連携だとDLNA、iSCSIを理解していると楽だったりと、追々でも構わないと思いますがそういった勉強は必要になります。

最後は、PCに接続していた外付けHDDをReadyNAS102に直接接続し、バックアップ機能を使ってデータを移行します。数百GB程度だったので結構時間はかかりましたが、仕方ありません。

【追記1】使用開始から6ヶ月後

今回、そもそもNASを導入した理由は
  • 高性能なノートPCを母艦として使用し、仕事用機とファイル交換を頻繁に行う
  • 複数人で写真や音楽ファイルの共有などを簡単に行いたい
  • 外出先からデータを閲覧・活用したい
といった事に対応できると考えていたからですが、約半年間使用した結果がこちらです。
  • 高性能なノートPCを母艦として使用し、仕事用機とファイル交換を頻繁に行う
    ▶クラウドストレージの活用で解決

  • 複数人で写真や音楽ファイルの共有などを簡単に行いたい
    ▶嫁がNASに接続しないので、ファイルが共有(保存)されない

  • 外出先からデータを閲覧・活用したい
    ▶なぜかAndroidからReadyNAS102にアクセスできない
要は当初の想定通りに活用できた項目は無く、以下の様な使用上の問題も起こっています。
  • 数GB程度のデータを移動していると途中でフリーズする
  • ブラウザで操作していると、頻繁にNASとの接続が切れる
  • PC▶NASの転送速度が想定よりかなり遅い
  • 引っ越しをする
このような事もあり、約半年間の使用でReadyNAS 102の運用を停止しました。 

最も深刻なのは、頻繁にPCとNASの接続が切れることです。WiFi環境を疑ってルーターを変えてみましたが解決せず、結局1GBを超えるファイルや複数のデータを読み書きしていると大体ダメでした。

ReadyNAS102の運用を停止する場合、NASの中にあるデータを再び一般的な外付けHDDなどに移行する必要があります。
当初はReadyNASで使用したHDDをそのまま使用しようとしましたが、Windows並びにMacOSでは読み込む事ができないフォ-マット形式であるため、一晩かけてデータを移動しました。

クラウドサービスの充実によるNASの存在意義の低下

NASを使って見て痛感したのは、各種クラウドサービスが充実している現在では、個人でNASを運用する意味が薄い事です。

また、「外付けHDDの気軽さ + クラウドサービス = NASの運用」では決してないので、個人でNASを運用していくにはトラブルに対応するための最低限の知識が必要となります。

設定に関しても、例えばスマートフォンで撮影した画像をWiFiエリアに入った瞬間に自動的にバックアップするといった痒いところに手が届くクラウドサービスほどの利便性を構築するには至りません。
但し、クラウドサービスでは容量の問題や画像の大きさが決められてしまうなど、それぞれのサービスで一長一短があるため留意が必要です。

ReadyNAS 102のその後
 ・ReadyNAS 102を会社で運用してみる
 ・ReadyNAS102に搭載していたHDDの再利用


(Last Editing Date : 2018 / 11 / 28)