HDDなどのディスク管理ツールの紹介です。

【関連記事】

ディスク管理を簡潔にするために

普段パソコンを普通に操作していて、「あ、パーティションをいじらなきゃ」とか「データを復元しないと!」とか「ディスクのクローンが欲しい」とか「ディスクの使用状況を詳細に確認したい」といった事は、皆無だと思います。

上記の様な事は、インターネットを使ってウェブサイトを見たり、Eメールを送受信したり、YouTubeを見たり、Officeソフトを使用したりといった非常にライトなパソコンの使い方をしている限りは、ほとんど必要な場面に遭遇する事はありません。
そもそも、パソコンに入っているHDDやSSDの管理をしようと思っても、そういった難しい事をするとパソコンが壊れると思っている方が大半だと思います。

ディスク管理という点で、強いて言えば、デジタルカメラなどで使用していたSDカード(記録媒体)の中に入っているを間違って削除した時に、怪しげなデータ復元無料ソフトを使って祈りながら復元を試みるという経験をした方がそれなりにいそう(私は3回やりました)なくらいです。

常時使わないけど、あると心強いソフトウェア

私はそれなりにパソコンをパソコンとして使用している方だと自覚をしていますが、例えば関連記事としてピックアップしたReadyNAS102に搭載していたHDDの再利用では、EaseUS Partition Master Freeという無料ソフトを利用し、取り外したHDDをWindows上で読み書きできるようにファイルシステムを変更した経験があります。

また、会社のPCに「Quadro P600」を無理矢理入れた関係上、Open Hardware Monitorで常にPCの状態を確認しています。さらに、SSDの耐久性に疑問を持っている事からCrystalDiskInfoでディスクを監視しますし、CPUID(CPU-Z)を使ってPCの詳細な情報を得ることもあります。

これら全ての機能が一体となっているソフトウェアがあればベストですが、現状そういったモノがあると見聞きした事がありませんので、煩雑な事は確かです。

パーティション管理はディスク管理の柱となる機能

パーティション管理自体は、実は特別なソフトウェアを導入しなくてもWindows標準機能で対応は可能ですが、その作業自体が面倒でハードルが高いので一般的には敬遠されています。
そこで、関連記事以降、私はEaseUS Partition Master Freeを使用して適時パーティションの変更を行ってきました。

パーティションとはディスクの中にある間仕切りの様なもので、ある一定の容量をある目的に使用するため1つ部屋を作ったり、不要になった部屋を別の部屋と繋げて広くしたり、ディスクの容量内であれば各部屋の大きさを自由に設定する事が可能です。
例えば、1LDKの部屋に住んでて生活必需品と倉庫が一体となっていると必要なモノを探すのに手間と時間がかかりますが、2LDKや3LDKにしてそれぞれ目的を持って整理整頓をすると、生活がかなり快適になるようなものです。(伝わりづらいか....)

とりあえず、パーティションについての詳細はインターネット上に素晴らしい記事が数多くあるので省きますが、ご自身のPCに「Cドライブしかない」という方は、一度パーティションについて調べてみると良いと思います。

で、今回新たにこのパーティション管理を軸として、CrystalDiskInfoの様な機能など色々な機能が付加されたMiniTool Partition Wizardプロ・アルティメット版を導入しました。
実はキッカケとしては、MiniTool社からソフトウェアの紹介記事を作成して欲しいとの依頼を受けた事なのですが、使ってみるとこれが非常に高機能で使いやすいソフトウェアだったので、私も納得の上でブログで紹介する事にしました。(変なソフトウェアだったら紹介しないつもりでした。)

MiniTool Partition Wizard、どうよ?

MiniTool Partition Wizard

今回紹介、というかMiniTool Partition Wizardというソフトウェアで何が出来るかという私的備忘録が大部分となりますが、とにかく色々な仕事ができるソフトウェアなので主なポイントに絞って紹介したいと思います。

私の場合は、MiniTool Partition Wizard プロ・アルティメット版を使用しているため、以下の画像並びに紹介については、プロ・アルティメット版をベースとしています。なお、エディションの違いについては、簡単ですが当記事最下部にまとめています。

MiniTool Partition Wizardとは!?

MiniTool Partition Wizardを開発しているのは、MiniTool®Software Ltd.という見慣れない会社です。公式ホームページによると、カナダと香港に拠点を持っているようですが、ホームページもソフトウェア自体も日本語に(ほぼ)対応しています。

公式ホームページには、「世界中のユーザーに愛用され、ダウンロード件数は3000万を突破しました。」と記載されていますが、過去には7,000万と記載されていたり、別のブログでき9,000万と記載されていたりするので、真偽は不明です。

主だった機能は、Windows標準機能だと結構面倒なパーティション管理を速く簡単に処理できる事、またOSの標準機能では対応できない部分を補完する事にあります。その他、ディスクのベンチマークや使用状況確認なども可能です。

MiniTool Partition Wizardを使ってみた

今回は平日毎日使用する会社用PCに、MiniTool Partition Wizardをインストールしました。会社用PCだけあって、特別高性能なマシンではありませんが、一般的な視点で評価が可能だという点においてソフトウェアをまず触ってみるには適したマシンでもあります。

製品をダウンロードし、インストールを行います。インストール自体は、定型的なモノを数回クリックだけで終わり、完了すると各種機能がどことなくWindows8.1っぽくタイル表示された画面が出てきます。

パーティション管理という一般的にはハードルが高い類の事を処理するソフトウェアにしては、かなり取っつきやすい画面表示だと思います。
さらに、詳細は下記をご参照いただくとして、総じて言えばどの機能もとても使いやすい・理解しやすいのが特徴です。こういったソフトウェアにありがちな、わかっている人に向けたUIではありません。
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機能紹介 : ディスクベンチマーク

一般的に、ディスクの処理速度についてあまり気にしない方が多いと思いますが、例えば最近どうもパソコンの処理速度が遅いと感じた時、大抵の場合はメモリを増やすよりHDDをSSDに換装した方が効果を実感する事ができます。

現状自分のパソコンに入っているHDDがどのくらいの処理速度なのかを確認する事は、なんとなく遅いパソコンを使い続けて時間を無駄にしている現状を打開する第一歩です。

私の会社用パソコンに入っているSSDの処理速度計測データ(テストモード : 順番(シーケンシャル))です。ちなみに、実際に利用している体感状態に近い結果を得る場合は、ランダムモードで計測すると良いでしょう。

機能紹介 : ディスク使用状況分析

会社でも見ますが、デスクトップがファイルで埋まりきっている方、データが思っていた場所に無いと慌てる方、何でも保存しておいて容量不足に陥る方は一定数存在します。

そんな時はディスク使用状況を分析する事で、ディスクの使用率やフォルダ・ファイル毎のサイズを確認したり、一覧表示で直感的にファイルを探したりすると良いでしょう。
こういった事ができるソフトはたくさんありますが、私が幾つか使った中では、解析にかかる時間がMiniTool Partition Wizardは圧倒的に短かったです。

機能紹介 : OSの移行・ディスクのクローン

OSの移行やディスクのクローンを実際に行う場面は、そうありません。ご時世的に、可能性があるとすればHDDをSSDに換装し、一気に処理速度を上げたい時くらいだと思います。

要は既存のディスクの中身を、OSも含めてごっそりと新しいディスクに移行させる事ができる機能で、長年使ったパソコンの調子が悪くなってきたけど買い換える必要は感じない時には、この機能を使ってSSDにデータを流し込み、換装するとパソコンのご機嫌がかなり良くなります。

実際にこの機能を使われた方のブログがあったので、ご参照ください。私もそう遠くない将来、自宅PCで試してみたいと思います。


機能紹介 : ディスク&パーティションの管理

元々MiniTool Partition Wizardは、パーティション管理のためのソフトウェアですから、この機能が最も重要で主な機能となります。なお、パーティションを操作する場合、条件によって数時間単位で時間がかかる事があるので、時間と気持ちに余裕がある時に行ってください。

パーティションを操作したいディスク(写真では1~4まである)のうち、分割したいパーティションを選択(写真で黄色くなっている部分)し、左側のメニューの「パーティションの分割」をクリックします。
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例えば、何かを保存する専用スペースが100GB欲しいと思った場合、新たに作るパーティションのサイズまでスライダーを動かして設定します。
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OKをクリックすると、画面上ではパーティションが分割された状態(下写真下部の赤枠)になっています。これで問題なければ、適用(下写真上部の赤枠)をクリックし、表示される確認で「はい」をクリックすれば完了です。
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また、分割と逆の統合も可能で、標準的なNTFSでフォ-マットされているならば、お互いのパーティション内にあるデータ残したまま統合できます。

機能紹介 : データ復元(プロ・アルティメット版)

この機能は、プロ・アルティメット版に付加されている機能です。同様の機能を持った無料ソフトウェアもあるにはありますが、復元率が低いソフトウェアも多く、それを見分けるのは中々難しいと言わざるを得ません。
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MiniTool Partition Wizardプロ・アルティメット版のデータ復元機能は、どこまで出来るのか実際に試してみます。使用するのは、私がもう3年は繰り返しフォーマットをかけて使用しているUSBメモリ(16GB)で、今回の実験に当たって再度フォーマットをかけました。
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フォーマットをかけた後、MiniTool Partition Wizardを立ち上げ、データ復元をクリックします。すると復元するデバイスを選択する画面が出て来るので、USBメモリを選択し、スキャンを実行します。
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さすがに3年くらい使用しているUSBメモリだけあって、スキャンに時間がかかるかなと思いましたが、合計約5GBのファイルのスキャンにわずか2分程度しかかかりませんでした。
また、Office系、PDF、画像、イラストレータなど様々なファイルのスキャンに成功しており、今回の場合はおおよそここ1年に削除したファイルのほぼ全てが復元できそうです。
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実際、画像データの一部を復元してみましたが、✕マークが付いていないファイルについては全て問題なく復元する事ができました。
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これでもう間違って削除したとしても、すぐに復元を試みれば大体問題ないだろうという確信を得ました。今後はデータ損失の恐怖に怯える必要はありません。

エディションによる違い

MiniTool Partition Wizardには、現在時点で「無料版」「プロ版」「プロ・アルティメイト版」「サーバー版」「エンタープライズ版」「テクニシャン版」の6つのエディションが存在します。
この中で、一般向けとして適当なのは「無料版」「プロ版」「プロ・アルティメイト版」となるので、この3つのエディションの相違点について簡単に記載しておきますが、概略については下画像の通りです。

ちなみに、全てのエディションでExt2/3/4形式のファイルシステムに対応しているため、私が以前直面したWindwosでNASのHDDを読み込めなかった問題についても対応が可能です。
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基本的には「無料版」で充分な機能を持つ

無料版であっても、上記で紹介したディスクベンチマークやディスク使用状況分析といった機能はあり、パーティションの拡張・統合・分割は問題なく行えます。

無料版の機能がかなり充実しており、大抵の事態には対処が可能となるという意味で、パソコンユーザーは一度試用してみると良いと思います。

つまり、パーティションの分割管理をしたいだけであれば、無料版で全く問題はありません。但し、無料版については個人利用に限定されるため、注意が必要となります。

「プロ版」と「プロ・アルティメイト版」の違い

おそらくほとんどの方は無料版で事が足りると思いますが、商用利用の他、例えばパーティションの復元やクラスタサイズの変更フォ-マットをNTFSからFATに変換する、そしてダイナミックディスクを管理したいと思えば、上位機能版の「プロ版」ないし「プロ・アルティメイト版」が必要です。

「プロ版」と「プロ・アルティメイト版」の機能的な違いは、データ復元機能にあり、万が一に備えてその機能が必要だと思えば「プロ・アルティメイト版」以外に選択肢はありません。

個人的には、データ復元機能が必要だという事の他、「プロ版」が1PCにつき1ライセンスで5,980円なのに対し、「プロ・アルティメイト版」が3PCsにつき1ライセンスで11,200円で私がよく使用する3つのPCにそれぞれインストールできる事から「プロ・アルティメイト版」を導入しました。