4年前の反省を活かせず、今回も居住地の議員の事は全くノーマークでした。
【関連記事】
 ・統一地方選結果に見る苫小牧の政治状況 ※2015年
 ・野党統一候補について

個人的な統一地方選挙の投票先

今回の統一地方選挙についても、個人的には自民党政権の政権運営に「それなりに」満足していることや、特に北海道知事選挙では一択だったので一秒も悩む必要はありませんでした。
居住地の市長選に関しては、どちらの方がまだマシかという選択だったので非常に難しい判断を迫られました。

前回も顔と名前が一致せずどうすれば良いかわからなかった道議・市議については、前回の反省が活かせれる事無く今回も「これ誰?」状態でした。
有権者の方から積極的に情報を収集しなければ、誰が出ているのかすらわからない選挙というのもどうなのかなと思います。

北海道知事選挙に見る苫小牧の政治状況

前夕張市長 鈴木氏の勝利で終わった今回の北海道知事選挙でしたが、野党共闘で挑んだ相手候補の石川氏が思ったより得票を伸ばせず意外に感じました。

今回の北海道知事選挙は、投票率58.34%の選挙(有権者数4,479,701)となりました。
  1. 鈴木 直道(与党系)前夕張市長 1,621,171(62.7%)
  2. 石川 知裕(野党系)元衆議院議員 963,942(37.3%)
ほぼ全ての選挙区で鈴木氏が勝利しましたが、石川氏は小沢氏の傀儡かつ前科者というイメージが北海道内に広まっている事に加え、野党共闘によって石川氏の政策が完全にボケた事が大きな敗因であると感じています。

北海道内でも比較的左派が多いとされる地元苫小牧市ですが、知事選挙(投票率 52.68%)の結果はどうだったでしょうか。
  1. 鈴木 直道(与党系)前夕張市長 47,823(64.4%)
  2. 石川 知裕(野党系)元衆議院議員 26,481(35.6%)
このように意外にも全道平均より与党系の得票率が高く、前回の統一地方選挙の結果から見ると浮動票はかなり鈴木氏に流れた様に感じます。

それでは、馴染み深い地元の選挙結果を考察します

苫小牧の統一地方選挙結果 ー道議編ー

北海道議会議員選挙の全体的な結果としては、改選時対比で自民党が1議席伸ばして51議席となった事で単独で過半数を獲得するに至り、8議席を死守した公明党と合わせると引き続き与党系が大きな力を有する事になりました。
対して改選時対比で立憲民進党が2議席伸ばしたものの、国民民主党と共産党がそれぞれ議席を1つずつ失ったので、野党系としては前回と変わりませんでした。
知事選挙と合わせ、結果から見ると野党共闘は2016年の衆議院議員補欠選挙ほど機能しなかったのは明白な様に思います。

北海道議会議員選挙 苫小牧市選挙区は、定数3、投票率52.39%の選挙(前回対比-1.72%)でした。今回も現職が全員無事当選し、共産党に議席を渡す事はありませんでした。
  1. 遠藤 連(自民)現職 24,938票(34.0%)
  2. 沖田 清志(立民)現職 18,791票(25.6%)
  3. 安藤 邦夫(公明)現職 16,547票(22.6%)
  4. 松橋 千春(共産)新人 13,054票(17.8%)
2015年の北海道議会議員選挙と比較すると、
  1. 自民党 24,262票 → 24,938票 = 自民支持者を固める
  2. 立民党 21,009票 → 18,791票 = 党勢を表す結果
  3. 公明党 16,492票 → 16,537票 = きちんとコントロールされている
  4. 共産党 12,796票 → 13,054票 = 民主系からの流入有り
今回の北海道知事選挙の結果と比較すると、
  1. 与党系 47,823票 → 41,475票 = 知事選では野党系からの流入があった
  2. 野党系 26,481票 → 31,845票
2017年の第48回衆議院議員選挙(投票率56.15%)と比較すると
  1. 与党系 35,115票 → 41,475票 = 衆議院議員選挙での弱さを再確認
  2. 野党系 30,159票 → 18,791票 = 候補者の違い
  3. 共産党 14,106票 → 13,054票 = ほぼピッタリ
これにより直近の苫小牧市における各勢力の基本的な政治的勢力図が見えてきましたが、前回の統一地方選挙が行われた2015年からほぼ変化は無いと思います。

自民党 24,000票、旧民主党系 20,000票、公明党 12,000票、共産党 12,000票
※投票率が50~55%程度の時。当然投票率によって上下する。
※国政選挙、首長選挙、道議会議員選挙の場合の基礎票


全国的な政党支持率から見れば、野党系は根強い人気を保っていると言えます。また、今回の知事選・道議選については、野党共闘がほぼ機能せずむしろ与党系に追い風となったようにも見えます。

苫小牧の統一地方選挙結果 ー市議編ー

後半戦に行われた苫小牧市議会議員選挙についてです。苫小牧市は市議選のみとなっており前回同様前半と比較して投票率がかなり低く、46%程度でした。定数28、候補者は31人という選挙となりました。

苫小牧市議会議員選挙の場合、当落のボーダーは得票率が大体2%ちょっととなります。得票率が2.5%を超えていたら確実に当選と見ていいと思います。
今回は、前回の市議選に立候補していた方々については票数及び得票数の増減を記載しています。投票率の低下がどう影響するかなど、何かわかれば面白いと思います。
  1. 金沢 俊(自民党)現職 3,883票+243票)5.897%(+0.603%)
  2. 牧田 俊之(民主系・改フ)現職 2,863票-196票)4.348%(-0.101%)
  3. 板谷 良久(自民党)現職 2,797票-524票)4.248%(-0.582%)
  4. 矢嶋 翼(自民系・緑風)現職 2,737票-27票)4.157%(+0.137%)
  5. 小山 征三(立民党)現職 2,495票-144票)3.789%(-0.049%)
  6. 佐々木 修司(立民党)現職 2,455票 3.729% ※補選にて当選
  7. 首藤 孝治(民主系・改フ)現職 2,380票-615票)3.615%(-0.741%)
  8. 越川 慶一(民主系・改フ)現職 2,357票+82票)3.580%(+0.271%)
  9. 松井 雅宏(国民民主党)現職 2,320票-4票)3.523%(+0.143%)
  10. 宇多 春美(自民系・緑風)現職 2,282票-279票)3.466%(-0.259%)
  11. 谷川 芳一(自民党)現職 2,186票+602票)3.320%(+1.016%)
  12. 小野寺 幸恵(共産党)現職 2,185票-270票)3.318%(-0.252%)
  13. 神山 哲太郎(公明党)現職 2,134票-18票)3.241%(+0.111%)
  14. 原 啓司(共産党)現職 2,077票 3.154% ※補選にて当選
  15. 大西 厚子(公明党)現職 2,059票-531票)3.127%(-0.640%)
  16. 山谷 芳則(自民系新人 2,043票 3.103%
  17. 大野 正和(公明党新人 2,028票 3.080%
  18. 木村 司(自民系・緑風)現職 1,997票-282票)3.033%(-0.282%)
  19. 喜多 新ニ(自民党新人 1,995票 3.030%
  20. 池田 謙次(公明党)現職 1,966票-299票)2.986%(-0.308%)
  21. 桜井 忠(自民党)現職 1,837票+105票)2.790%(+0.271%)
  22. 松尾 省勝(立民党)現職 1,831票-295票)2.781%(-0.311%)
  23. 藤田 広美(公明党)現職 1,831票-174票)2.781%(-0.135%)
  24. 橋本 智子(立民党新人 1,811票 2.750%
  25. 冨岡 隆(共産党)現職 1,789票-29票)2.717%(+0.073%)
  26. 竹田 秀泰(自民系・緑風)現職 1,718票+225票)2.609%(+0.437%)  
  27. 岩田 薫(立民党)現職 1,683票-1,229票)2.556%(-1.680%)
  28. 触沢 高秀(N国新人 1,478票 2.245%
  29. 森本 健太(共産党)新人 1,430票 2.172%
  30. 小野 寿子(無所属)新人 1,307票 1.985%
  31. 工藤 良一(共産党)現職 1,123票-1,279票)1.706%(-1.788%)
※得票率は、投票者数65,844名を基に計算
※○○系については過去の所属会派や支援団体などにより独断と偏見によって記載

選挙管理委員会が出している立候補届出状況、所属会派や支援団体などによって自民系・民主系といったような分け方をしています。
また、民主党から民進党へ変わりさらに立憲民主党と国民民主党に分裂しましたが、細分化してもあまり意味が無いので民主系と一括りにしています。

それぞれの獲得議席と、落選議員も含めた得票を見てみると
  • 自民系 10議席 23,475票
  • 民主系 09議席 20,195票
  • 公明党 05議席 10,018票
  • 共産党 03議席 08,604票(当選議員のみだと6,051票)
  • 諸 派 11議席 01,478票
  • 無所属 10議席 01,307票
2011年(投票率52.608%)、2015年(投票率48.989%)の苫小牧市議会議員選挙と比較すると
  • 自民系 23,814票▶23,546票▶23,475票 = 投票率を考えると支持を伸ばす
  • 民主系 26,845票▶23,988票▶20,195票 = 組合系の堅い支持にも関わらず落とす
  • 公明党 12,144票▶11,145票▶10,018票 = 1,000票ずつ落としている
  • 共産党 07,931票▶08,912票▶08,604票 = 安定的
前回とそう大きく変化はありませんが、市議会議員選挙の場合には下記の票数が基礎票となるでしょう。前半戦・後半戦通じて、旧民主党系の凋落が浮き彫りになりました。

自民党 24,000票、旧民主党系 20,000票、公明党 10,000票、共産党 9,000票
※投票率が50程度の時。当然投票率によって上下する。

今回個人的に意外だったのは、共産党が欲をかいて5人出馬させ2人落選した事です。元々4議席保有していましたが、1議席減らしたことは今後の苫小牧市にとって1つのターニングポイントとなるかもしれません。

IR誘致など大型の投資案件で盛り上がりを見せている苫小牧市は、お膝元の市議会が自公で過半数の15議席を獲得し、市民から現在の市政に対する一定の評価が出たものと思います。