【UPDATE】210316_開幕前テスト等大幅更新

私個人の考えとして「見た目が美しいマシンは速い」という考えがあります。


レギュレーションの変更点

本来であれば、2021年はレギュレーションに大幅な変更がある予定でしたが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い2022年に延期されました。
2021年に関しては、F1史上初めて基本的に前年型のシャシーが持ち越される形となり、大幅なレギュレーションの変更はありません。

但し、ボディワーク(つまり外側)とパワーユニットは新規開発が許可されており、開発が凍結されているパーツに関してもトークン(最大2)を使用して開発することが可能です。トークンをすべて使用した場合、おおよそマシンの半分を新車にすることができるようです。

その他、抑えておくべきポイントは下記の様に幾つかあります。
  • コストキャップ(予算制限の導入)
  • 前年コンストラクターズ順位に応じた空力テスト制限
  • 他チームの模倣が制限
  • 昨年メルセデスが搭載していたDASの禁止
  • マシンのダウンフォース低減のため、フロア形状が変更
  • マシンのダウンフォース低減のため、リアブレーキダクトのウイングレット制限拡大
  • マシンのダウンフォース低減のため、ディフューザー形状の制限拡大
  • マシンの最低乾燥重量が、752kg(2020年比+6kg)に増加
  • パワ-ユニットの最低重量が、150kg(2020年比+5kg)に増加
  • タイヤコンパウンドの変更
  • タイヤは各週末ハード2セット、ミディアム3セット、ソフト8セットが支給
2021年のF1は基本的に2020年の延長と言って良く、おそらく勢力図が大きく変わることはありません。また、多くのチームが2022年の大幅なレギュレーション改訂に向けて動き出すため、今年の車へリソースをあまり振り分けることは無いと考えており、そういった意味からも序盤の勢力図が終盤に大きく変わるという事も期待できない状況です。

F1 2021年シーズン 新車発表

※掲載順は、昨年のコンストラクターズ選手権の順位となっています。

Mercedes-AMG Petronas Formula One Team

メルセデス時代は、もう1年続く予感

EvdzzGZWYAUnG8l
(出典 : Twitter @MercedesAMGF1)

間違いなく今年もチャンピオン候補筆頭なのが、メルセデスです。マシンが黒基調で、かなり格好良く見えます。

昨年はメルセデス製PUに信頼性の問題が発生していましたが、今年はエンジンブロックの材質を変更したりと色々対策を施しているようです。また、MGU-Kが完全な新設計ですし、ICEも相当タマを入れているようなので、F1最強PUの座を譲る気配はありません。

メルセデスはトークンを使用した事は言及しているものの、どの部分にトークンを使用したかは明かしていません。また、発表された画像はウイングなどが昨年型に酷似しているため、見るべき部分がありませんでした。

プレシーズンテスト

毎年プレシーズンテストで三味線を弾きまくり、ネガティブなコメントが多く聞かれつつ、しっかりとチャンピョンを獲るのがメルセデスです。

発表時に隠されていた部分が見えましたが、それはフロアに関するものでした。特にサイドポンツーン横からリアタイア前までの処理はかなり凝っており、リア周りの空気の流れを積極的に制御していく姿勢を感じました。

しかし、初日にギアボックストラブルがあった事などが影響したメルセデスは3日間のテストで最も周回数が少なく(304周)、少なくても現時点ではリアの挙動が不安定に見え、さらにロングランに課題がありそうなので開幕戦までにこなす仕事量は多そうです。
【ドライバー】
 44 : Lewis Hamilton(2020年ドライバーズランキング1位)
 77 : Valtteri Bottas(2020年ドライバーズランキング2位)

Red Bull Racing

ペレスの加入でメルセデスと戦えるチャンスが増えるか

Eu6DTfsXIAACxX_
(出典 : Twitter @redbullracing

何よりもアルファタウリ同様に、リアウイングにあるHONDAの文字が泣かせます。レッドブル・ホンダラストイヤーにかける意気込みを感じますし、日本人として本当に嬉しく思います。

今年はフェルスタッペンに加えて、ペレスという現役F1ドライバーの中でも成熟したドライバーがドライブする事になり、メルセデスに対して2台で挑める可能性が高くなりました。

見た目でわかる範囲では、リア部分で開発が進められた印象です。具体的にはリアサスペンションのレイアウトが大きく変更されており、フロア形状の変更に伴って最適化されたと思います。また、エンジンカウル部にあるHONDAのロゴが、昨年と比較して特にHとOの部分の見え方がかなり異なります。

プレシーズンテスト

フェルスタッペンが、プレシーズンテスト最速を記録しました。コメントからもかなりの手応えを感じますが、トップチームは全て三味線を弾いていると考えて良いため、開幕戦の予選が終わるまでは楽観視できません。

ただ、例年スタートダッシュに失敗しているレッドブルにしては、テストで比較的好調だった事、何よりマシンの挙動(特にリア)が安定していると感じる事は非常にポジティブだと思います。

ホンダ製PUに関しては、アルファタウリと合わせて3日間で791周(約4280km)走行し、ある程度満足できるデータを取得できたと思います。

なお、大きなトラブルと言えば、ペレスが走行中にエンジンカバーが突然外れて吹っ飛んだ事でしょうか。
【ドライバー】
 33 : Max Verstappen(2020年ドライバーズランキング3位)
 11 : Sergio Perez(2020年ドライバーズランキング4位)

McLaren F1 Team

トップ3に食い込んだ2020年の勢いを持続できるか

EuWmn_8WgAM19-J
(出典 : Twitter @McLarenF1

2020年から2021年に向けて、パワ-ユニットをルノーからメルセデスにスイッチする大変更を行いました。2021年は車両開発に大きな制限がありますが、マクラーレンはトークンを使用してマシンのリア周りを最適化させてきている事から、マクラーレンに限ってはほぼ新車と言って良いと思います。

ただ、言い換えれば、マクラーレンMCL35Mは今年大きな伸びしろの無いマシンですが、メルセデスPUへの適合が上手く行っていれば、序盤に多くのポイントを稼ぐことは可能だと思います。

上の写真ではわかりませんが、フロア関係のレギュレーションの変更によりリアタイヤの前部分の形状はかなりスッキリした印象です。また、メルセデス製PUに変更したことで熱問題がだいぶ楽になったのか、エンジンカウルやサイドポンツーンは昨年より絞られています。

ドライバーはレース巧者のリカルドが加入し、若いノリスと共にかなり強力なラインナップを形成しています。

プレシーズンテスト

マクラーレンのマシンで注目すべき点は、ディフューザーです。他チームとは異なるアプローチで開発されており、レギュレーションの隙間を見つけて、規定されているより低いより効率的に位置にフィンを取り付けることに成功したと見えます。

幾つかのトラブルはあったものの、革新的なディフューザーやメルセデスPUへのスイッチを含め、今年はかなり期待できると思います。
【ドライバー】
 3 : Daniel Ricciardo(2020年ドライバーズランキング5位)
 4 : Lando Norris(2020年ドライバーズランキング9位)

Aston Martin Cognizant Formula One Team

レーシングポイントからチーム名称が変更。さらなる飛躍を目指す。

EvkZp3jXAAERpNu
(出典 : Twitter @AstonMartinF1)

F1の歴史の中でASTON MARTINの名前がこのような形で出るのは、1959年~1960年第7戦まではごく短い期間です。個人的にはF1でグリーンと言えばジャガーを思い浮かべますが、あまり見慣れていないだけにとても綺麗だと感じます。

マシン自体は、昨年ピンクメルセデスと揶揄されたマシンからの正常進化したグリーンメルセデスと言えます。特に後部に関してはメルセデスから2020年仕様のパーツの供給を受けており、今年はコンスタントに上位争いに顔を出してもおかしくありません。

アストンマーチンがどの部分に開発トークンを使用したかは不明ですが、フロントは特に変わらないように見えますし、リアはトークン使用を使わずにアップデートが可能なため、もっと根幹的な部分に手を入れた可能性も排除できません。

プレシーズンテスト

プレシーズンテストでは、幾つかのトラブルが発生し走行がかなり制限されました。特に今年移籍してきたベッテルは3日間で117周しか走行できず、マシンへの適応に若干の不安が残りました。
【ドライバー】
 5 : Sebastian Vettel(2020年ドライバーズランキング13位)
 18 : Lance Stroll(2020年ドライバーズランキング11位)

Alpine F1 Team

ルノーからアルピーヌへ名称を変え、心機一転高みを目指せるか

EvfLG2RXcAI9aGx
(出典 : Twitter @AlpineF1Team)

アルピーヌとして初のマシン「A521」が公開されました。ルノーからのリブランドであるため、2021年も中団のトップ争いをする可能性が高いマシンです。

昨年型から大きく変更されている部分は無いように見えますが、フロントノーズ下の板(ケープ)が伸ばされ、またリアサスペンションもプルロッドの位置が変更されているようです。
ただ、どうやらトークンはリア側に使用されたとの噂があり、よく見るとサイドポンツーンの形状が大きく異なっている事がわかります。また、エンジンカウルの形状も変更され、特に後端はコンパクトになりました。

プレシーズンテスト

テストに登場したA521には、巨大なエアボックスとエンジンカバーが付いていました。おそらく削減されたダウンフォースを取り戻すためにサイドポンツーン後部を思いっきり絞った結果、冷却に関する物を上に持っていくスペースを確保するために必要になったと考えられます。

比較的淡々と走行していたようですし、ロングランは安定していたように感じるので、上記の重心や車重より空率効率を優先したデザインがどこまで通用するかが楽しみです。
【ドライバー】
 14 : Fernando Alonso(3年ぶりにF1へ復帰)
 31 : Esteban Ocon(2020年ドライバーズランキング12位)

Scuderia Ferrari Mission Winnow

失意の2020年からの逆転劇を狙う

EwOFNZCWEAAHzgF
(出典 : Twitter @ScuderiaFerrari)

昨年はPU性能の低さとドラッグの大きさでかなり低迷したフェラーリは、トークンを使用してリア周りを大幅に開発し、PUも相当テコ入れをしてきたようです。
リアエンドの絞り込みは大きくなり、おそらく冷却システムが全面的に変更された影響でインダクションポットの形状も異なります。

また、フロントについても大きな変更はレギュレーション上できないものの、ノーズやウィングの形状はかなり異なっています。リア周りの改修をしたことで、バランスを取るために必要だったのでしょうか。

プレシーズンテスト

ストレートスピードを見る限り、PU性能はある程度戦えるところまで戻ってきたように思います。ただ、ドラッグを抑えた空力特性が、特に中速コーナーでどう影響するかは不透明です。
【ドライバー】
 16 : Charles Leclerc(2020年ドライバーズランキング8位)
 55 : Carlos Sainz(2020年ドライバーズランキング6位)

Scuderia AlphaTauri Honda

角田加入で日本でも大注目。ホンダワークスラストイヤーに華を添えるか。

Euk24BgXUAAofAg
(出典 : Twitter @AlphaTauriF1)

新規開発の2トークンをフロントノーズに当てたアルファタウリですが、それだけではなく、フロントサスペンションなどマシンのフロント側はほぼ新車になったと考えて良いでしょう。

2020年はガスリーが優勝を遂げるなど非常に印象的な活躍が散見されましたが、今年もその再現が見られる可能性はあると思います。

何より、久々の日本人ドライバーである角田の活躍を期待せずにはいられません。また、ホンダワークスとしては最後の年となりますが、ホンダ製PU「RA621H」には2022年に投入予定だった仕様を入れ込んでいるようで、メルセデスとの差をどこまで詰められるか楽しみです。

また、今年のマシンには昨年以上に随所に「HONDA」ロゴが掲載されており、本当に粋なことをしてくれるチームだなと思いました。

なお、今年限りでホンダは撤退することになりますが、来年以降はホンダの知的財産を用いてレッドブルが開発を続けていくことが発表されています。

プレシーズンテスト

プレシーズンテストで最も好調だったように見えるのが、アルファタウリです。注目の日本人ドライバーである角田が、DRSを他のドライバーより長い距離開いていた(練習のため?)事もありますが、3日間のテスト全体の中で2番手と非常に印象的なタイムを出しました。

幾つかトラブルはあったものの、角田とガスリーは共に今年大注目と言って良いテスト内容だったと思います。
【ドライバー】
 10 : Pierre Gasly(2020年ドライバーズランキング10位)
 22 : Yuki Tsunoda(2020年 FIA-F2 ドライバーズランキング3位)

Alfa Romeo Racing ORLEN

フェラーリ同様失意の2020年。今年は中団で戦いたい。

Eu0xNXnXcAM6Cjh
(出典 : Twitter @alfaromeoracing)

昨年は、フェラ-リ製PUの不出来に加えてマシンのパフォーマンスも今ひとつだったアルファロメオは、アルファタウリ同様トークンを2つ使用してフロントウイングを開発してきました。

レギュレーションの変更によってフロアが変わっている分、フロントを変えてバランスを取り直す必要があるのでしょう。パッと見た限りでは、昨年よりフロア下に送り込む空気量を増やしたい思惑を感じました。

しかし、アルファロメオに関しては、近年競争力が拮抗している中団での戦いとなるため、エアロはもちろんですがフェラーリ製PUの出来によってかなり結果が左右される事になると思います。

ちなみに、個人的には今年のアルファロメオのカラーリングは、とても素晴らしいと思います。

プレシーズンテスト

最終日に4番手タイムを記録しましたが、現実的には中団下位争いになると思います。ただ、ライコネンのコメントを見る限り、昨年よりは戦えるように感じるので、幾つかのレースでは面白い存在になるかもしれません。
【ドライバー】
 7 : Kimi Raikkonen(2020年ドライバーズランキング16位)
 99 : Antonio Giovinazzi(2020年 ドライバーズランキング17位)

Haas F1 Team

PU性能も車体性能も足りな過ぎた2020年。もう一度輝きを見たい。

EvnuT1OXcAEMf0_
(出典 : Twitter @HaasF1Team)

新しいカラーリングを発表したハースですが、世界反ドーピング機構がカラーリングに関して「国際的なスポーツ行事でロシア国旗の使用を禁じている裁定に抵触しているか」調査に入ったと報じられています。

プレシーズンテスト

タイムシートにMSCという文字が出ているのを見ると、ミハエル全盛期を見てきた者として非常に感傷的になりました。

テストで登場した新車を見ると、今年もテールエンダー争いからの脱却は中々難しそうです。元々それほど開発されていなさそうな上に、完全に2022年に資源を集中するとの事なので、今年は本当に割り切った戦いに終始するでしょう。
【ドライバー】
 47 : Mick Schumacher(2020年 FIA-F2 ドライバーズランキング1位)
 9 : Nikita Mazepin(2020年 FIA-F2 ドライバーズランキング5位)

Williams Racing

新生Williams。過去の栄光を取り戻す一歩となるか。

EvuEwtyWEAAeNNh
(出典 : Twitter  @WilliamsRacing)

大きな体制変更を象徴するように、ガラッとイメージを変えてきました。昨年型から見ると、サイドポンツーン以降のリアエンドを開発してきた印象です。ただ、トークンは使用しておらず、空力と軽量化に焦点を当てたとのことです。

しかし、ここ数年の悲惨な状況を脱するには開発規制は大変重くのしかかっているはずで、今年も最下位争いをする事は間違いないと思います。個人的に2021年は捨て、チームとして2022年に完全にフォーカスした方が長い目で見て復活する可能性が高くなると思います。

プレシーズンテスト

速さという点では今年も厳しい戦いになりそうですが、サイドポッドにあるウイングの処理が独特で面白いと感じました。

すでに開幕戦に向けたタマはこのテストでほぼ出し尽くし、その後の開発も2022年に向けた物が大勢を占めるそうなので、年間を通じて大きく競争力が上がる事は無さそうです。
故に現状の競争力が大切ですが、正直フロア形状などを見ても付加物が極端に少なく、ほとんど開発されていなさそうだとわかるだけでも望みは持てな差そうです。
【ドライバー】
 63 : George Russel(2020年 ドライバーズランキング18位)
 6 : Nicholas Latifi(2020年 ドライバーズランキング21位)

(Last Editing Date : 2021 / 03 / 16)