【随時更新】201214_第17戦及び総括更新
新型コロナウイルス感染症の蔓延により、F1 2020年シーズンは当初の予定から大幅に変更されて開催される事となりました。【関連記事】F1 2020 コースガイド(当初)、F1 2019、F1 2020 新車発表
F1 2020年シーズン
新型コロナウイルス感染症拡大により、日程変更、ドライバーやチームスタッフの感染等々、様々な事がありながら開催されてきた2020年のF1が終わりました。
個人的に今年最も印象深かったのは、アルファ・タウリのガスリーが優勝した第8戦イタリアGP、そしてレーシング・ポイントのヘレスが優勝した第16戦サキールGPです。この2つのグランプリは、比較的波乱のレースが多かった2020年を象徴するものだと思います。
2020年シーズンのF1は、フェラーリとレッドブルの1台(アルボン)の低調により、比較的多くのチーム・ドライバーに表彰台のチャンスがあった年でした。
17戦11勝のハミルトン(メルセデスは17戦13勝)は別格なのでメルセデスの速さが目立ちましたが、中団勢が実力伯仲だったため、かなり楽しめた1年でした。
思い返せば、昨年から続いたフェラ-リ製PUの疑惑、新車発表から物議を醸したピンクメルセデス事件などシーズン当初からネタは尽きませんでした。
そして、残念ながらフェラーリ製PUを搭載したフェラーリ、アルファロメオ、ハースは良いところがほとんど無く終わってしまいました。
対して、第2戦でコンストラクターズポイントを剥奪されながら、最終的に僅差でコンストラクターズ4位となったレーシング・ポイントは、素晴らしい活躍でした。
コンストラクターズ3位は、完全復活を遂げたと言って良いマクラーレン。5位はルノーですが、目立たない割にポイント的には僅差でしたし、純粋なペースという点では中団勢トップと言えるほどの物を持っていたと思います。
ウィリアムズは、ウィリアムズ家の手を離れて再建を本格化される第一歩となりましたが、次代のスタ-の素質が充分にあるラッセルを乗せているだけに、来年こそまともに競争できるマシンを作り上げて欲しいと思います。
F1 2020年シーズン 詳細
※個人まとめ
今年もハースを除いてリタイヤの回数はそれほど多くなく、またハミルトンのリタイヤが0回というのも同じでした。
新型コロナウイルス感染症の影響により、第4戦・第5戦・第11戦でヒュルケンベルグがレーシング・ポイントから参戦、第16戦ではラッセルがメルセデスに乗り、その空いたシートにアイトケンが座るなどの動きがありました。
今年最も安定して速かったのは、ハミルトン「予選1.7位、決勝1.9位」です。リタイヤの回数が5回と多く、ドライバーズランキングでは3位に甘んじましたが、フェルスタッペンも「予選3.1位、決勝2.4位」と素晴らしい結果を残しています。
中団では、やはりマクラーレン「予選8.3位、決勝7.3位」、レーシング・ポイント「予選9.2位、結果7.0位」、ルノー「予選8.8位、決勝7.5位」の3チームの実力が拮抗していたことがわかります。
また、今季1勝を記録したアルファ・タウリのガスリーは「予選10.1位、決勝8.3位」と素晴らしい数字を残しました。
それにしても、レッドブルのチーム内でフェルスタッペンが平均2.4位でゴールしているのに、アルボンが平均7.8位なのは、実質的に4位以上が確定していた状況を考えるとアルボンのハマってなさ加減が酷かった証左です。
F1 2020年シーズン 全GP一覧
【一覧】
- Rd.01 Formula 1 Rolex Grosser Preis von Osterreich
- Rd.02 Formula 1 Pirelli Grosser Preis der Steiermark
- Rd.03 Formula 1 Aramco Magyar Nagydij
- Rd.04 Formula 1 Pirelli British Grand Prix
- Rd.05 Emirates Formula 1 70th Anniversary Grand Prix
- Rd.06 Formula 1 Aramco Gran Premio de Espana
- Rd.07 Formula 1 Rolex Belgian Grand Prix
- Rd.08 Formula 1 Gran Premio Heineken d'Italia
- Rd.09 FORMULA 1 GRAN PREMIO DELLA TOSCANA FERRARI 1000 2020 Mugello
- Rd.10 FORMULA 1 VTB RUSSIAN GRAND PRIX 2020
- Rd.11 FORMULA 1 ARAMCO GROSSER PREIS DER EIFEL
- Rd.12 FORMULA 1 HEINEKEN PORTUGUESE GRAND PRIX
- Rd.13 FORMULA 1 EMIRATES GRAN PREMIO DELL'EMILIA ROMAGNA
- Rd.14 FORMULA 1 DHL TURKISH GRAND PRIX 2020
- Rd.15 FORMULA 1 GULF AIR BAHRAIN GRAND PRIX 2020
- Rd.16 FORMULA 1 ROLEX SAKHIR GRAND PRIX 2020
- Rd.17 FORMULA 1 ETIHAD AIRWAYS ABU DHABI GRAND PRIX 2020
※以下、文中で触れている各データの数値は、F1公式ホームページを参考にしています。※公式アナウンスに沿って情報を追加していきます。
※Rd.1~Rd.8(2020年6月2日発表)については、無観客での開催となります。
※Rd.1~Rd.8に関する詳細は、公式サイト(英語)をご参照ください。
Formula 1 Rolex Grosser Preis von Osterreich
開催日程 : 2020年07月03日~05日
開催場所 : オーストリア シュピールベルグ
コース名 : Red Bull Ring
走行距離 : 4.318 km ✕ 71 周 = 306.452 km
日本を含めまだまだ新型コロナウイルス感染症との戦いが続く中、F1 2020年シーズンが開幕しました。当面は無観客での開催となり、テレビ画面越しでも違和感があります。
例外的なシーズンとなった今年、開幕戦となったのはオーストリアです。開幕前にメルセデスがマシンカラーリングをシルバーからブラックに変更、ウィリアムズもスポンサー絡みでカラーリングが変更となっています。
また、メルセデスに関してはプレシーズンテストで発生したPU関係のトラブルについて、対策されたPUを搭載しています。
下馬評ではメルセデスとレッドブルの一騎打ちとされていましたが、結果は....
下馬評ではメルセデスとレッドブルの一騎打ちとされていましたが、結果は....
- FP1 : ルイス・ハミルトン(1:04.816、メルセデス)
- FP2 : ルイス・ハミルトン(1:04.304、メルセデス)
- FP3 : ルイス・ハミルトン(1:04.130、メルセデス)
- Q : バルテリ・ボッタス(1:02.939、メルセデス)
- R : バルテリ・ボッタス(1:30:55.739、メルセデス)
結果だけを記載すると、今年もメルセデスか、となります。事実、予選を見る限り、純粋な競争力はメルセデスが圧倒的です。
さて、開幕戦。ハミルトンが予選時のペナルティで5番グリッドからのスタートとなり、フロントロウからトップ10では唯一のミディアムタイヤスタートとなるフェルスタッペンが、後半どの位置にいるかが非常に興味深いところです。
スタートで後方からの攻撃に耐えたフェルスタッペンに勝てる条件が揃いつつあった11周目、電気系が原因で突然のスローダウンによりリタイヤ。
しかし、これは始まりにしか過ぎませんでした。この後、リカルド、ストロールにトラブルが相次ぎ、メルセデス勢の2人のドライバーにもセンターに問題がある旨の無線が飛びます。終盤に差し掛かる頃には、グロージャンやラッセルにもトラブルが発生しました。大半は電気系のようで、縁石を乗り越えた際のショックが一因と言えそうです。
ラッセルがコース脇でストップした事で、この日2度目のセーフティカーが導入されます。ボッタス、ハミルトン、ペレスがステイアウトする中、アルボン、ノリス、ルクレールがタイヤ交換を実施し、残り周回で一時的に順位を落としても前を捉える作戦に切り替えます。
55周目にライコネンの車のタイヤが外れ、3度目のセーフティカーが導入。残り11周になったところで、レースが再開されます。
3番手に上がっていたアルボンは、ターン4で前を行くハミルトンを狙います。完全に抜いたと思いましたが、2019年の最終戦の再現の如く、ハミルトンがアルボンに当ててしまいます。アルボンは初優勝の確率がかなり高かっただけに、本当に残念な動きでしたが、こういう時はもう少し新調に仕掛ける事も大切かもしれません。
66周目、不調フェラーリのルクレールが3番手に浮上。残り2周の時点でクビアトの左リアタイヤがバーストし、これでコース上に残るマシンは11台と記憶にないほどのサバイバルゲームです。
そして、興奮は最後に訪れます。アルボンとの接触でハミルトンには5秒ペナルティが出される中、2位ハミルトンの後方5秒以内で、ルクレールと最終ラップにファステストラップを記録したノリス(!!)がチェッカーを受けました。
優勝は、ボッタス。2年連続で開幕戦を勝ちましたが、センタートラブルにより見た目より薄氷を踏む思いだったようです。
また、DRSを用いて各所でオーバーテイクが発生するなど、トラブルを考慮に入れずとも昨年に引き続きエキサイティングなレース展開となりました。さらに、新世代レーサー達が各所で奮闘し、時代の移り変わりを感じるレースにもなりました。
タイヤに関する情報
コンパウンド毎の最長スティントとラップタイム上位
- ハードタイヤ 30Laps(ルイス・ハミルトン他計5名)
1. バルテリ・ボッタス 1:07.657
2. ルイス・ハミルトン 1:07.712
3. アレックス・アルボン 1:08.432
- ミディアムタイヤ 30Laps(セルジオ・ペレス)
1. ランド・ノリス 1:07.475
2. シャルル・ルクレール 1:07.901
3. カルロス・サインツ 1:07.974
- ソフトタイヤ 26Laps(ルイス・ハミルトン他計7名)
1. セバスチャン・ベッテル 1:08.623
2. アントニオ・ジョビナッツィ 1:08.796
3. ルイス・ハミルトン 1:09.000
Formula 1 Pirelli Grosser Preis der Steiermark
開催日程 : 2020年07月10日~12日(日本時間23日00:10レーススタート)
開催場所 : オーストリア シュピールベルグ
コース名 : Red Bull Ring
走行距離 : 4.318 km ✕ 71 周 = 306.452 km
第2戦開幕直前、フェルナンド・アロンソが2021年にルノーからF1に復帰するとの発表がありました。個人的にはルノーは撤退するかもしれないと思っていたので、これは朗報です。さて波乱の開幕戦の翌週、同じ場所で第2戦が開催されました。こんな事は今後もそう起こることでは無く、ある意味我々は歴史的な瞬間に立ち会っていると言えるでしょう。
開幕戦から時間がなかったこともあり、開幕戦であれだけ出たトラブルがどれだけ解消されているかが大きな焦点の1つです。
メルセデスは開幕戦で優勝したものの、振動によるギアボックストラブルに悩まされましたが、ある程度の対策は施しているようです。ホンダについては開幕戦のトラブルの原因がそれぞれ異なり、まだ解析が進んでいないものの、こちらも対策を入れているとのことです。
フェラーリは新型フロントウイングを導入したものの、昨年途中で発生したPUの件が尾を引いており、ウイングをちょっと変えただけで事態が好転するほど甘くは無さそうです。
メルセデス一強時代が続くことになるのか.....
- FP1 : セルジオ・ペレス(1:04.867、レーシングポイント)
- FP2 : マックス・フェルスタッペン(1:03.660、レッドブル)
- FP3 : 降雨のためキャンセル
- Q : ルイス・ハミルトン(1:19.273、メルセデス)
- R : ルイス・ハミルトン(1:22:50.683、メルセデス)
予選6番手のノリスが黄旗無視、予選11番手のルクレールが妨害行為により3グリッド降格、さらにグロージャンがパルクフェルメ規定違反によりピットレーンスタートとなりました。
予選が雨だった事で全車スタートタイヤを自由に選択する事が可能となり、上位勢はほぼソフトタイヤを選択しました。ミディアム選択組最上位は、8番手のリカルドとなります。
スタート直後、先頭ハミルトンの後ろでは開幕戦同様フェルスタッペンがマクラーレンからの攻撃を受けますが、なんとか凌ぎます。
ターン3では、なんとフェラーリが同士討ち。集団の中で後方からベッテルのインを突いたルクレールは、ベッテルのリアウイングと自身のフロアを破壊します。
これによりセーフティカーが導入され、4周目にレースが再開されます。開幕戦同様荒れた展開となるのでしょうか。
ハミルトン、フェルスタッペン、ボッタスの上位3台が順調に後続との距離を広げ、しばらく遅れてアルボンが追いかけますが前3台について行けず、トップ争いはメルセデス2台とレッドブル1台の勝負となりました。アルボンは1周あたり1秒近く遅く、むしろ中団に飲み込まれています。
中団は相変わらず素晴らしいバトルが続くものの、20~30周目は序列が明らかになった第2戦だったと思います。
おそらく今後数戦続くであろう序列は、「メルセデス ▶ レッドブル ▶ マクラーレン = ルノー = レーシングポイント = フェラーリ ▶ アルファタウリ ▶ アルファロメオ = ハース ▶ ウィリアムズ」です。
フェラーリが走っていない中での事だったので完全ではありませんが、24周目にほぼ上記の通りに並んだ順位表を見て思わず写真を撮ってしまいました。
開幕戦と異なり波乱が発生しない中で、トップに関してはほぼ固定されました。ハミルトンは中盤以降流しっぱなし、フェルスタッペンはボッタスに対して防戦一方ですが、終盤に順位が入れ替わりました。
アルボンは相変わらずペースが上がらず、ペレスに追い上げられるも何とか対抗します。マシン側に問題が無かったとすれば、アルボンは早期に交代もあり得るレースでした。
優勝は、楽々ドライブしていたように見えたハミルトン。2位は、おそらくプランを完遂したボッタス。波乱が無い実力勝負の中で3位だったフェルスタッペンは、相当悔しいと思います。
第2戦では、メルセデスPUのさらなる向上を見せつけられました。ようやく昨年メルセデスの背中が見えたと思ったホンダとすれば、またしても見えない位置まで遠のいたと思っているでしょう。
また、レッドブルとマクラーレンに関しては、レースペースに課題がありそうです。レーシングポイントは予選さえ良ければ、中団勢トップを確保できるでしょう。
予選が雨だった事で全車スタートタイヤを自由に選択する事が可能となり、上位勢はほぼソフトタイヤを選択しました。ミディアム選択組最上位は、8番手のリカルドとなります。
スタート直後、先頭ハミルトンの後ろでは開幕戦同様フェルスタッペンがマクラーレンからの攻撃を受けますが、なんとか凌ぎます。
ターン3では、なんとフェラーリが同士討ち。集団の中で後方からベッテルのインを突いたルクレールは、ベッテルのリアウイングと自身のフロアを破壊します。
これによりセーフティカーが導入され、4周目にレースが再開されます。開幕戦同様荒れた展開となるのでしょうか。
ハミルトン、フェルスタッペン、ボッタスの上位3台が順調に後続との距離を広げ、しばらく遅れてアルボンが追いかけますが前3台について行けず、トップ争いはメルセデス2台とレッドブル1台の勝負となりました。アルボンは1周あたり1秒近く遅く、むしろ中団に飲み込まれています。
中団は相変わらず素晴らしいバトルが続くものの、20~30周目は序列が明らかになった第2戦だったと思います。
おそらく今後数戦続くであろう序列は、「メルセデス ▶ レッドブル ▶ マクラーレン = ルノー = レーシングポイント = フェラーリ ▶ アルファタウリ ▶ アルファロメオ = ハース ▶ ウィリアムズ」です。
フェラーリが走っていない中での事だったので完全ではありませんが、24周目にほぼ上記の通りに並んだ順位表を見て思わず写真を撮ってしまいました。
開幕戦と異なり波乱が発生しない中で、トップに関してはほぼ固定されました。ハミルトンは中盤以降流しっぱなし、フェルスタッペンはボッタスに対して防戦一方ですが、終盤に順位が入れ替わりました。
アルボンは相変わらずペースが上がらず、ペレスに追い上げられるも何とか対抗します。マシン側に問題が無かったとすれば、アルボンは早期に交代もあり得るレースでした。
優勝は、楽々ドライブしていたように見えたハミルトン。2位は、おそらくプランを完遂したボッタス。波乱が無い実力勝負の中で3位だったフェルスタッペンは、相当悔しいと思います。
第2戦では、メルセデスPUのさらなる向上を見せつけられました。ようやく昨年メルセデスの背中が見えたと思ったホンダとすれば、またしても見えない位置まで遠のいたと思っているでしょう。
また、レッドブルとマクラーレンに関しては、レースペースに課題がありそうです。レーシングポイントは予選さえ良ければ、中団勢トップを確保できるでしょう。
タイヤに関する情報
コンパウンド毎の最長スティントとラップタイム上位
- ハードタイヤ 34Laps(ダニール・クビアト)
1. ダニール・クビアト 1:08.378
2. ピエール・ガスリー 1:09.025
3. シャルル・ルクレール 1:35.379
- ミディアムタイヤ 44Laps(ルイス・ハミルトン他計3名)
1. ルイス・ハミルトン 1:06.719
2. アレックス・アルボン 1:07.109
3. セルジオ・ペレス 1:07.188
- ソフトタイヤ 39Laps(ランド・ノリス)
1. カルロス・サインツ 1:05.619
2. マックス・フェルスタッペン 1:06.145
3. ピエール・ガスリー 1:07.827
Formula 1 Aramco Magyar Nagydij
開催日程 : 2020年07月17日~19日
開催場所 : ハンガリ- ブタペスト
コース名 : Hungaroring
走行距離 : 4.381 km ✕ 70 周 = 306.630 km
今年もメルセデスの独壇場となる事が濃厚となりつつある中で行われた、第3戦です。予選では、2019年型メルセデスを完全コピーし、ピンクメルセデスと呼ばれるレーシングポイントが3位・4位を獲得しました。また、その後ろにはレッドブルでは無くフェラーリが来たことで、今年は3位(2番手チーム)以降の戦いが面白くなっていくのかなと感じました。- FP1 : ルイス・ハミルトン(1:16.003、メルセデス)
- FP2 : セバスチャン・ベッテル(1:40.464、フェラーリ)
- FP3 : バルテリ・ボッタス(1:15.437、メルセデス)
- Q : ルイス・ハミルトン(1:13.447、メルセデス)
- R : ルイス・ハミルトン(1:36:12.473、メルセデス)
決勝前に降った雨により、路面はウェット状態。その中で、インターミディエイトタイヤでグリッドに向かうフェルスタッペンが、ターン12でクラッシュ。万事休すに思えましたが、グリッド上で完璧な仕事をしたメカニック達が残りあと僅か数分というところでフェルスタッペンを送り出します。
天候が微妙な中、フォーメーションラップでハースの2台がピットインし、ミディアムタイヤに変更します。どうも荒れそうな気配の中、レースがスタート。
2番グリッドのボッタスと、4番グリッドのペレスが大きく遅れます。代わりに7番手スタートのフェルスタッペンが大きく順位を上げ、後方でも大きく順位が変動しています。
ボッタスは車内のランプに反応してしまったようで、一瞬ジャンプスタートに見えましたが、FIAのシステムには検知されなかったようです。
オープニングラップでクビアト、次の周にはルクレールやボッタスがピットインし、ドライタイヤへ変更します。4周目には全車ドライタイヤへの交換が終わったものの、ソフトとミディアムというタイヤ選択で違いが生まれました。天候が微妙な中、フォーメーションラップでハースの2台がピットインし、ミディアムタイヤに変更します。どうも荒れそうな気配の中、レースがスタート。
2番グリッドのボッタスと、4番グリッドのペレスが大きく遅れます。代わりに7番手スタートのフェルスタッペンが大きく順位を上げ、後方でも大きく順位が変動しています。
ボッタスは車内のランプに反応してしまったようで、一瞬ジャンプスタートに見えましたが、FIAのシステムには検知されなかったようです。
また、ピットレーンでの接触でラティフィに5秒加算、ライコネンにはグリッド外からスタートした事で同様に5秒加算ペナルティが出されました。やはり序盤から慌ただしいレースです。
序盤は雨雲がずっとフォーカスされ、おそらく視聴者の9割が荒れろと思っていたと思いますが、膠着状態が続きます。
そんな中、17周目にガスリーのマシンから白煙。PUトラブルかと思いましたが、ギアボックストラブルだったとの事です。
降雨を考慮してか、全車タイヤを使い切るまで走る我慢のレースとなりました。前方ではフェルスタッペンとボッタスが戦っていますが、先にボッタスのタイヤが終わってしまったようです。
タイヤを交換したボッタスは、ファステストラップを連発してフェルスタッペンを追いかけますが、最後ギリギリでフェルスタッペンが逃げ切りました。
ちなみに、トップのハミルトンはかなり余裕があり、残り3周でファステストラップ狙いのピットインを行い、しっかり優勝とファステストラップを記録しました。
レース後、ハースの2台に対してフォーションラップ時にピットからピットインの指示をしたとして、双方に10秒加算ペナルティが課されました。これにより、マグヌッセンは9位から10位に降格したものの、念願のポイントは獲得しています。
今回のGPで最も懸念するべきは、レッドブルの予選での不振です。また、レーシングポイントやマクラーレンについては、やはりレースペースに課題があるように見えました。
タイヤに関する情報
コンパウンド毎の最長スティントとラップタイム上位
- ハードタイヤ 51Laps(ダニール・クビアト)
1. バルテリ・ボッタス 1:17.665
2. ランス・ストロール 1:18.973
3. マックス・フェルスタッペン 1:19.184
- ミディアムタイヤ 39Laps(ダニエル・リカルド)
1. ルイス・ハミルトン 1:18.611
2. バルテリ・ボッタス 1:18.945
3. ダニエル・リカルド 1:19.532
- ソフトタイヤ 18Laps(シャルル・ルクレール)
1. ルイス・ハミルトン 1:16.627
2. ニコラス・ラティフィ 1:22.058
3. ダニール・クビアト 1:23.781 - インターミディエイトタイヤ 4Laps(マックス・フェルスタッペン他5名)
1. ルイス・ハミルトン 1:31.458
2. マックス・フェルスタッペン 1:33.264
3. ランス・ストロール 1:33.732
Formula 1 Pirelli British Grand Prix
(出典 : Formula 1、Great Britain)
開催日程 : 2020年07月31日~08月02日
開催場所 : イギリス ノーサンプトンシャー、バッキンガムシャー
コース名 : Silverstone Circuit
走行距離 : 5.891 km ✕ 52 周 = 306.198 km
メルセデスとそれ以外のF1およびF1.5チームという、3つのクラスの混走となっている2020年のF1です。GPとGPの間隔が少ない今年のF1では、初期設定を覆すのは例年以上に難しいため、ここイギリスでもレッドブル以下を注目したいと思います。
- FP1 : マックス・フェルスタッペン(1:27.422、レッドブル)
- FP2 : ランス・ストロール(1:27.274、レーシングポイント)
- FP3 : バルテリ・ボッタス(1:25.873、メルセデス)
- Q : ルイス・ハミルトン(1:24.303、メルセデス)
- R : ルイス・ハミルトン(1:28:01.283、メルセデス)
レース前に、レーシングポイントのペレスが新型コロナウイルスに感染している事が発表され、10日間の自己隔離に入っている事から今回のイギリスGPと同じシルバーストンで開催される次戦に出場する事ができなくなりました。
FP1開始前には、ヒュルケンベルグが代役として乗る事が発表されました。競争力のあるピンクメルセデスに乗るヒュルケンベルグが楽しみでしたが、決勝レース前にグリッドに向かう途中にマシントラブルが発生し出走できませんでした。
予選では、トップのハミルトンと3位のフェルスタッペンに約1秒の差がありました。まさしく今年のF1勢力図を象徴しているタイム差だと言えます。
ただ、それよりもFP2のクラッシュが遠因と推察されるとは言え、アルボンが下位に沈んでいる事が問題です。メルセデスに対抗するためには、是が非でも2台を少なくてもメルセデスの直後に置いておく必要があります。
決勝。スタート直後に3位フェルスタッペンと4位ルクレールの争い、その後ろのポジショニング争いはあったものの、隊列が整います。
ターン17で直前にミスをしたマグヌッセンのインにアルボンが飛び込みますが、やや強引だったようで接触し、マグヌッセンが弾き飛ばられてクラッシュしました。このアクシデントにより、セーフティカーが発動されました。
6周目にレースが再開されると、メルセデス2台が飛ばしフェルスタッペンがジワジワ離れていき、ルクレール以下が置いていかれました。
その後、タイヤに高負荷なシルバーストンという事もあって、各車早々にタイヤマネジメントに専念する展開となり、5番手以下10台程度が連なって走っています。
12周目にクビアトがマゴッツで挙動を乱し、クラッシュ。これによりセーフティカーが入ったため、すぐに対応できたリカルド以下、その他上位勢は次週に一斉にピットインを行いました。グロージャンだけはステイアウトを選択しましたが、シルバーストンでその選択肢はどうかなと思いました。
19周目にレースが再開すると、先程と同様にメルセデス2台が飛ばし、フェルスタッペンが単独走行となり、ルクレール以下が離されていきます。
先程のタイミングでハードタイヤに交換したマシンは、基本的には走り切る作戦であるため、レースはこのままの展開で終わるはずでした。
40周目以降は、ボッタスをはじめ様々なドライバーがタイヤに苦しみはじめます。おそらくほぼすべてのマシンに、バイブレーションが出ていると思います。全開で駆け抜ける高速コーナーが多いシルバーストンは、今年のF1マシンの左フロントタイヤにかける負荷が、事前の想定より大きいみたいですね。
50周目のターン3でボッタスの左フロントタイヤがバーストし、それを見たフェルスタッペンはピットインしてソフトタイヤに履き替えます。ボッタスは、これでポイント圏外に落ちました。
51周目にはサインツの左フロントタイヤ、そして最終ラップのターン9ではなんとトップのハミルトンの左フロントタイヤもバースト。
フェルスタッペンがハミルトンを捉えるかとも思いましたが、ハミルトンとフェルスタッペンには約30秒の差があり、ハミルトンはタイヤをバーストさせたままトップでゴールする事ができました。
今年のメルセデスは、DASの効果でフロントの熱入れを適正化していると想像していますが、高負荷のサーキットでは裏目に出るパターンもあるのかもしれません。
FP1開始前には、ヒュルケンベルグが代役として乗る事が発表されました。競争力のあるピンクメルセデスに乗るヒュルケンベルグが楽しみでしたが、決勝レース前にグリッドに向かう途中にマシントラブルが発生し出走できませんでした。
予選では、トップのハミルトンと3位のフェルスタッペンに約1秒の差がありました。まさしく今年のF1勢力図を象徴しているタイム差だと言えます。
ただ、それよりもFP2のクラッシュが遠因と推察されるとは言え、アルボンが下位に沈んでいる事が問題です。メルセデスに対抗するためには、是が非でも2台を少なくてもメルセデスの直後に置いておく必要があります。
決勝。スタート直後に3位フェルスタッペンと4位ルクレールの争い、その後ろのポジショニング争いはあったものの、隊列が整います。
ターン17で直前にミスをしたマグヌッセンのインにアルボンが飛び込みますが、やや強引だったようで接触し、マグヌッセンが弾き飛ばられてクラッシュしました。このアクシデントにより、セーフティカーが発動されました。
6周目にレースが再開されると、メルセデス2台が飛ばしフェルスタッペンがジワジワ離れていき、ルクレール以下が置いていかれました。
その後、タイヤに高負荷なシルバーストンという事もあって、各車早々にタイヤマネジメントに専念する展開となり、5番手以下10台程度が連なって走っています。
12周目にクビアトがマゴッツで挙動を乱し、クラッシュ。これによりセーフティカーが入ったため、すぐに対応できたリカルド以下、その他上位勢は次週に一斉にピットインを行いました。グロージャンだけはステイアウトを選択しましたが、シルバーストンでその選択肢はどうかなと思いました。
19周目にレースが再開すると、先程と同様にメルセデス2台が飛ばし、フェルスタッペンが単独走行となり、ルクレール以下が離されていきます。
先程のタイミングでハードタイヤに交換したマシンは、基本的には走り切る作戦であるため、レースはこのままの展開で終わるはずでした。
40周目以降は、ボッタスをはじめ様々なドライバーがタイヤに苦しみはじめます。おそらくほぼすべてのマシンに、バイブレーションが出ていると思います。全開で駆け抜ける高速コーナーが多いシルバーストンは、今年のF1マシンの左フロントタイヤにかける負荷が、事前の想定より大きいみたいですね。
50周目のターン3でボッタスの左フロントタイヤがバーストし、それを見たフェルスタッペンはピットインしてソフトタイヤに履き替えます。ボッタスは、これでポイント圏外に落ちました。
51周目にはサインツの左フロントタイヤ、そして最終ラップのターン9ではなんとトップのハミルトンの左フロントタイヤもバースト。
フェルスタッペンがハミルトンを捉えるかとも思いましたが、ハミルトンとフェルスタッペンには約30秒の差があり、ハミルトンはタイヤをバーストさせたままトップでゴールする事ができました。
今年のメルセデスは、DASの効果でフロントの熱入れを適正化していると想像していますが、高負荷のサーキットでは裏目に出るパターンもあるのかもしれません。
タイヤに関する情報
コンパウンド毎の最長スティントとラップタイム上位
- ハードタイヤ 40Laps(セバスチャン・ベッテル他7名)
1. マックス・フェルスタッペン 1:29.070
2. ルイス・ハミルトン 1:29.238
3. バルテリ・ボッタス 1:29.265
- ミディアムタイヤ 36Laps(ロマン・グロージャン)
1. アレックス・アルボン 1:28.689
2. バルテリ・ボッタス 1:30.518
3. ルイス・ハミルトン 1:30.533
- ソフトタイヤ 13Laps(カルロス・サインツ)
1. マックス・フェルスタッペン 1:27.097
2. キミ・ライコネン 1:29.973
3. バルテリ・ボッタス 1:30.086
Emirates Formula 1 70th Anniversary Grand Prix
(出典 : Formula 1、Great Britain)
開催日程 : 2020年08月07日~09日
開催場所 : イギリス ノーサンプトンシャー、バッキンガムシャー
コース名 : Silverstone Circuit
走行距離 : 5.891 km ✕ 52 周 = 306.198 km
FIA-F2第5戦スプリントレース(レース2)で、カーリンに乗る角田がF2初優勝を果たしました。レッドブルジュニアチームに属し、目下日本人F1ドライバーに最も近い男です。ラスト数周で数々の衝撃が襲った前週の第4戦から、場所を変えずに行われる第5戦です。但し、使用されるタイヤのコンパウンドが一段階柔らかくなっています。
- FP1 : バルテリ・ボッタス(1:26.166、メルセデス)
- FP2 : ルイス・ハミルトン(1:25.606、メルセデス)
- FP3 : ルイス・ハミルトン(1:26.621、メルセデス)
- Q : バルテリ・ボッタス(1:25.154、メルセデス)
- R : マックス・フェルスタッペン(1:19:41.993、レッドブル)
前週に引き続き新型コロナウイルスの感染により、レーシングポイントはペレスの代役としてヒュルケンベルグに白羽の矢を立てています。
また、レーシングポイントに関しては、使用しているブレーキダクトのデザインがF1の設計規則(リステッドパーツ)に違反し、2019年型メルセデスからの直接コピーであるとして、FIAから罰金40万ユーロとコンストラクターズポイント15点減点の処分が下されました。
個人的には、この裁定は非常にグレーだと感じています。この方法で開発されたパーツの使用がバレても15点減点で済むのであれば、もっと根源的な部分でこのプロセスを使用するチームが出てくるでしょう。
さて、フリープラクティスの結果から、今週持ち込まれたソフトタイヤがミディアムタイヤに対してタイム的なアドバンテージがほとんど無く、現実的にはミディアムタイヤとハードタイヤを温存しておく必要がありそうだとわかりました。
そんな中、予選トップ10の中で唯一ハードタイヤで決勝に挑むフェルスタッペンの決断が、最終的にどう出るか注目されます。また、予選3番手には代役で出場しているレーシングポイントのヒュルケンベルグが入り、こちらも初めての表彰台をかけた戦いになりそうです。
決勝。ポールポジションのボッタスがしっかりと首位を守る中、ハードタイヤを履くフェルスタッペンが好スタートを決めてヒュルケンベルグをパスして3番手に上がり、ハードタイヤを戦略的に活かせる位置にマシンを置くことに成功しました。
後方では、絶不調のベッテルがハーフスピンを喫しています。フェラーリ自体が中団に完全に埋もれる中、ベッテルはチームを牽引して引き上げることができるのでしょうか。
5周目あたりから、ミディアムタイヤのデグラデーションが想像以上に大きいことが見て取れる様になりました。6周目にアルボン、7周目にガスリーがハードタイヤに交換するなど序盤から動きが激しくなっています。
13周目には首位ボッタスがピットイン、続く14周目にハミルトンがピットインし、ハードタイヤを履くフェルスタッペンが首位に立ちます。
しかし、メルセデスの強大過ぎるダウンフォースにタイヤが負けているのか、メルセデス勢は早々にフロントタイヤにブリスターが出来てしまい、フェルスタッペンがかなり優勢となります。
フェルスタッペンは26周目にピットインし、ミディアムタイヤに交換。ボッタスの背後でコースに戻ったものの、すぐに抜き返して首位を取り返します。
全体的にどのチームもタイヤのデグラデーションに苦しみ、中団勢は28周目前後に続々と2回目のタイヤ交換に入ります。
32周目、フェルスタッペンとボッタスがピットインし、ハードタイヤに履き替えます。どうやら今回は、ハードタイヤ以外満足に機能しないタイヤになってしまったようですが、メルセデスは特にその被害が大きいように感じます。
41周目、ハミルトンがピットインし、首位フェルスタッペンを猛追します。44周目にルクレールをパス、50周目にボッタスをパスしたもののここまで。フェルスタッペンが2020年初勝利を手にしました。また、ルクレールがタイヤに厳しい中1ストップ作戦を完遂し、見事4番手を手にしています。
本田宗一郎の命日(8/5)後のGPで、ホンダPUを搭載したレッドブルが勝利したのは、なにか因縁めいたものを感じざるを得ません。
また、今回はレッドブルの戦略が光りました。予選トップ10で唯一ハードタイヤスタートを選択したことは、今回の勝利を大きく引き寄せた要因であることは疑いようもありません。
また、レーシングポイントに関しては、使用しているブレーキダクトのデザインがF1の設計規則(リステッドパーツ)に違反し、2019年型メルセデスからの直接コピーであるとして、FIAから罰金40万ユーロとコンストラクターズポイント15点減点の処分が下されました。
個人的には、この裁定は非常にグレーだと感じています。この方法で開発されたパーツの使用がバレても15点減点で済むのであれば、もっと根源的な部分でこのプロセスを使用するチームが出てくるでしょう。
さて、フリープラクティスの結果から、今週持ち込まれたソフトタイヤがミディアムタイヤに対してタイム的なアドバンテージがほとんど無く、現実的にはミディアムタイヤとハードタイヤを温存しておく必要がありそうだとわかりました。
そんな中、予選トップ10の中で唯一ハードタイヤで決勝に挑むフェルスタッペンの決断が、最終的にどう出るか注目されます。また、予選3番手には代役で出場しているレーシングポイントのヒュルケンベルグが入り、こちらも初めての表彰台をかけた戦いになりそうです。
決勝。ポールポジションのボッタスがしっかりと首位を守る中、ハードタイヤを履くフェルスタッペンが好スタートを決めてヒュルケンベルグをパスして3番手に上がり、ハードタイヤを戦略的に活かせる位置にマシンを置くことに成功しました。
後方では、絶不調のベッテルがハーフスピンを喫しています。フェラーリ自体が中団に完全に埋もれる中、ベッテルはチームを牽引して引き上げることができるのでしょうか。
5周目あたりから、ミディアムタイヤのデグラデーションが想像以上に大きいことが見て取れる様になりました。6周目にアルボン、7周目にガスリーがハードタイヤに交換するなど序盤から動きが激しくなっています。
13周目には首位ボッタスがピットイン、続く14周目にハミルトンがピットインし、ハードタイヤを履くフェルスタッペンが首位に立ちます。
しかし、メルセデスの強大過ぎるダウンフォースにタイヤが負けているのか、メルセデス勢は早々にフロントタイヤにブリスターが出来てしまい、フェルスタッペンがかなり優勢となります。
フェルスタッペンは26周目にピットインし、ミディアムタイヤに交換。ボッタスの背後でコースに戻ったものの、すぐに抜き返して首位を取り返します。
全体的にどのチームもタイヤのデグラデーションに苦しみ、中団勢は28周目前後に続々と2回目のタイヤ交換に入ります。
32周目、フェルスタッペンとボッタスがピットインし、ハードタイヤに履き替えます。どうやら今回は、ハードタイヤ以外満足に機能しないタイヤになってしまったようですが、メルセデスは特にその被害が大きいように感じます。
41周目、ハミルトンがピットインし、首位フェルスタッペンを猛追します。44周目にルクレールをパス、50周目にボッタスをパスしたもののここまで。フェルスタッペンが2020年初勝利を手にしました。また、ルクレールがタイヤに厳しい中1ストップ作戦を完遂し、見事4番手を手にしています。
本田宗一郎の命日(8/5)後のGPで、ホンダPUを搭載したレッドブルが勝利したのは、なにか因縁めいたものを感じざるを得ません。
また、今回はレッドブルの戦略が光りました。予選トップ10で唯一ハードタイヤスタートを選択したことは、今回の勝利を大きく引き寄せた要因であることは疑いようもありません。
タイヤに関する情報
コンパウンド毎の最長スティントとラップタイム上位
- ハードタイヤ 34Laps(シャルル・ルクレール)
1. ルイス・ハミルトン 1:28.451
2. マックス・フェルスタッペン 1:29.465
3. アレックス・アルボン 1:29.477
- ミディアムタイヤ 25Laps(キミ・ライコネンン)
1. ニコラス・ラティフィ 1:29.950
2. マックス・フェルスタッペン 1:30.361
3. ダニール・クビアト 1:30.738
- ソフトタイヤ 8Laps(ニコ・ヒュルケンベルグ)
1. ニコ・ヒュルケンベルグ 1:30.087
Formula 1 Aramco Gran Premio de Espana
開催日程 : 2020年08月14日~16日
開催場所 : スペイン バルセロナ
コース名 : Circuit de Barcelona-Catalunya
走行距離 : 4.655 km ✕ 66 周 = 307.104 km
FIA-F2第6戦フィーチャーレース(レース1)で、MPモータースポーツに乗る松下がF2で優勝を果たしました。第5戦に引き続き日本人が優勝し、ますますF1に日本人ドライバーを!!という想いを強くさせます。
第5戦でレッドブルが勝利しましたが、ここスペインではメルセデスの優勢が予想されます。ただ、いかんせんタイヤに対する不安が大きいので、どうなるでしょうか。
また、第6戦を前に、ここ数年メルセデスがあまり強いせいか、第7戦よりPUの予選モードの使用が制限される事が発表されました。具体的には、GP期間中はPUを1つのモードで動かすことが強制されるようです。
個人的には、この措置でなにか劇的に変化をする事は無いと思います。レースでのオーバーテイクが減少するくらいの影響はあるでしょうが、レッドブルがメルセデスに追いつくことは無いでしょう。
第5戦でレッドブルが勝利しましたが、ここスペインではメルセデスの優勢が予想されます。ただ、いかんせんタイヤに対する不安が大きいので、どうなるでしょうか。
また、第6戦を前に、ここ数年メルセデスがあまり強いせいか、第7戦よりPUの予選モードの使用が制限される事が発表されました。具体的には、GP期間中はPUを1つのモードで動かすことが強制されるようです。
個人的には、この措置でなにか劇的に変化をする事は無いと思います。レースでのオーバーテイクが減少するくらいの影響はあるでしょうが、レッドブルがメルセデスに追いつくことは無いでしょう。
- FP1 : バルテリ・ボッタス(1:16.785、メルセデス)
- FP2 : ルイス・ハミルトン(1:16.883、メルセデス)
- FP3 : ルイス・ハミルトン(1:17.222、メルセデス)
- Q : ルイス・ハミルトン(1:15.584、メルセデス)
- R : ルイス・ハミルトン(1:31:45.279、メルセデス)
フェラーリは絶不調のベッテルのマシンのフロア交換を実施しましたが、コメントを見る限りさほど大きな改善とは言えなさそうです。
予選は、メルセデスの圧勝。最後の本気の予選モードを見せられた気がしますが、それにしてもハミルトンに対して3番手のフェルスタッペンが0.708秒差というのは、レースに向けて絶望しかありません。
決勝。路面温度が48℃と高く、ピレリが1ストップ作戦は推奨しないというほどなので、タイヤ戦略に注目が集まります。いや、正直に言うとメルセデスのタイヤが再び持たなくなることを願っている自分がいます。
トップからスタートしたハミルトン、3番手スタートのフェルスタッペン、5番手スタートのストロールと奇数列スタート組のトラクションのかかりが良く、2番手のボッタスは4番手に後退します。抜けないサーキットで、この出遅れはかなり痛いでしょう。
ハミルトンはペースをセーブしながら走行しますが、フェルスタッペン、また5周目に3番手に上がってボッタスは、先行車が作る乱流を嫌い一定間隔を保って走行している印象です。
10周目を超えたあたりでハミルトンが後続とのギャップを広げる中、フェルスタッペンからタイヤに苦労していると無線が入ります。今回はレッドブルの方がタイヤに厳しいようです。
トップ3台以下は、戦略の違いもあって大混戦状態です。どの車もかなりタイヤマネジメントに注力する必要があり、かつ競争力に大きな差があっても抜けないサーキットであるため、常に渋滞が発生していましたが見どころとまでは言えません。
34周目、ルクレールのマシンの電気系が急に落ちるトラブルが発生します。前戦のFPでもフェラーリはPUトラブルが発生していたと記憶していますが、踏んだり蹴ったりな状態です。
正直、このGPは途中あまりに退屈な展開で中盤はちゃんと見ていませんでした。終盤、何故かソフトタイヤが周回を続けるベッテルが取り上げられていましたが、フェラーリのストラテジストはどういう気持ちだったのでしょうか。
結果は、ハミルトンの圧勝です。メルセデスはかなりの余力を残した状態でした。ハミルトン本人も、レース後に「別次元だった」と自白しています。ただ、2番手にフェルスタッペンが入ったことで、一矢報いる事には成功しました。
それにしても、レッドブルはフェルスタッペンとアルボンの差が大きすぎて、実力を推し量るのが難しいと感じます。マシンがフェルスタッペンスペシャルなのはわかりますが、昨年のガスリーにしても今年のアルボンにしても、ここまで差があるとチームとして戦略の幅が制限されるので損失です。
予選は、メルセデスの圧勝。最後の本気の予選モードを見せられた気がしますが、それにしてもハミルトンに対して3番手のフェルスタッペンが0.708秒差というのは、レースに向けて絶望しかありません。
決勝。路面温度が48℃と高く、ピレリが1ストップ作戦は推奨しないというほどなので、タイヤ戦略に注目が集まります。いや、正直に言うとメルセデスのタイヤが再び持たなくなることを願っている自分がいます。
トップからスタートしたハミルトン、3番手スタートのフェルスタッペン、5番手スタートのストロールと奇数列スタート組のトラクションのかかりが良く、2番手のボッタスは4番手に後退します。抜けないサーキットで、この出遅れはかなり痛いでしょう。
ハミルトンはペースをセーブしながら走行しますが、フェルスタッペン、また5周目に3番手に上がってボッタスは、先行車が作る乱流を嫌い一定間隔を保って走行している印象です。
10周目を超えたあたりでハミルトンが後続とのギャップを広げる中、フェルスタッペンからタイヤに苦労していると無線が入ります。今回はレッドブルの方がタイヤに厳しいようです。
トップ3台以下は、戦略の違いもあって大混戦状態です。どの車もかなりタイヤマネジメントに注力する必要があり、かつ競争力に大きな差があっても抜けないサーキットであるため、常に渋滞が発生していましたが見どころとまでは言えません。
34周目、ルクレールのマシンの電気系が急に落ちるトラブルが発生します。前戦のFPでもフェラーリはPUトラブルが発生していたと記憶していますが、踏んだり蹴ったりな状態です。
正直、このGPは途中あまりに退屈な展開で中盤はちゃんと見ていませんでした。終盤、何故かソフトタイヤが周回を続けるベッテルが取り上げられていましたが、フェラーリのストラテジストはどういう気持ちだったのでしょうか。
結果は、ハミルトンの圧勝です。メルセデスはかなりの余力を残した状態でした。ハミルトン本人も、レース後に「別次元だった」と自白しています。ただ、2番手にフェルスタッペンが入ったことで、一矢報いる事には成功しました。
それにしても、レッドブルはフェルスタッペンとアルボンの差が大きすぎて、実力を推し量るのが難しいと感じます。マシンがフェルスタッペンスペシャルなのはわかりますが、昨年のガスリーにしても今年のアルボンにしても、ここまで差があるとチームとして戦略の幅が制限されるので損失です。
タイヤに関する情報
コンパウンド毎の最長スティントとラップタイム上位
- ハードタイヤ 22Laps(アレックス・アルボン)
1. アレックス・アルボン 1:23.688
- ミディアムタイヤ 37Laps(ケビン・マグヌッセン)
1. バルテリ・ボッタス 1:18.183
2. ルイス・ハミルトン 1:19.822
3. マックス・フェルスタッペン 1:21.477
- ソフトタイヤ 36Laps(セバスチャン・ベッテル)
1. バルテリ・ボッタス 1:19.750
2. ロマン・グロージャン 1:20.409
3. アントニオ・ジョビナッツィ 1:21.801
Formula 1 Rolex Belgian Grand Prix
開催日程 : 2020年08月28日~30日
開催場所 : ベルギ- スパ、フランコルシャン
コース名 : Circuit de Spa-Francorchamps
走行距離 : 7.004 km ✕ 44 周 = 308.052 km
第7戦を前に、アメリカでは佐藤琢磨が2回目のIndy500制覇を達成しました。このような日本人ドライバーは、100年に一人または空前絶後とも言えるかと思います。
さらに、FIA-F2第7戦フィーチャーレース(レース1)で、カーリンの角田が今季2勝目を挙げました。ランキングも3位に上がり、12月にはアルファタウリでのテストも予定されており、来年F1に乗るチャンスは目前とも言えます。
第7戦からエンジンモードの変更が禁止になる予定でしたが、第8戦からとなりました。個人的には、逆にメルセデスに有利に働く可能性もあると考えており、またF1にはある程度自由に(金をかけた)開発をして欲しいという思いもあるので、この措置は歓迎していません。
また、今シーズンのカレンダーに新たに4レースが追加され、全17レースとなりました。新たに追加された4レースのうち、サクヒールGPはいつものバーレーンのレイアウトではなく、アウターサーキットという別のレイアウトで開催されるようです。
さらに、FIA-F2第7戦フィーチャーレース(レース1)で、カーリンの角田が今季2勝目を挙げました。ランキングも3位に上がり、12月にはアルファタウリでのテストも予定されており、来年F1に乗るチャンスは目前とも言えます。
第7戦からエンジンモードの変更が禁止になる予定でしたが、第8戦からとなりました。個人的には、逆にメルセデスに有利に働く可能性もあると考えており、またF1にはある程度自由に(金をかけた)開発をして欲しいという思いもあるので、この措置は歓迎していません。
また、今シーズンのカレンダーに新たに4レースが追加され、全17レースとなりました。新たに追加された4レースのうち、サクヒールGPはいつものバーレーンのレイアウトではなく、アウターサーキットという別のレイアウトで開催されるようです。
- FP1 : バルテリ・ボッタス(1:44.493、メルセデス)
- FP2 : マックス・フェルスタッペン(1:43.744、レッドブル)
- FP3 : ルイス・ハミルトン(1:43.255、メルセデス)
- Q : ルイス・ハミルトン(1:41.252、メルセデス)
- R : ルイス・ハミルトン(1:24:08.761、メルセデス)
今回は、FPからフェラーリの不調ぶりが目立ちました。対して、レッドブルはメルセデスとの差は大きいもののセットアップ自体は決まっているようです。
決勝。レコノサンスラップでエキゾーストトラブルを抱えた7番グリッドのサインツは、残念ながら出走できないようです。
タイヤは、メルセデス勢とフェルスタッペンがミディアム、それ以外のトップ10はソフト。11番手以下は基本的にミディアムですが、12番手のガスリーがハード、13番手のルクレールがソフトを選択し、これがどう影響するかが楽しみです。
スタートから綺麗に1コーナーを回り、オールージュを駆け上がり、ケメルストレートまでの間に幾つかの順位変動がありました。4番手のリカルドがフェルスタッペンに襲いかかり、ターン5~8ではサイドバイサイドになるものの、フェルスタッペンは何とか凌ぎます。中団では、ハードを履くガスリーが上げています。
5周目以降はレースが膠着状態となりますが、フェルスタッペンなどはすでにタイヤの性能低下に苦しみ始めているようです。
10周目のターン13で、ジョビナッツィが単独クラッシュ。また後方から来たラッセルに、不運にもジョビナッツィ車から外れたタイヤが当たってしまい、2台がリタイアとなりました。ヒヤッとする場面でしたが、大きな怪我は無いようで安心しました。
比較的大きなクラッシュでコース上に多くの破片が散乱したため、当初は赤旗かと思いましたがセーフティーカーが導入されました。
そのため、10~11周目で各車ピットストップ。ガスリーとペレスはステイアウトを選択しましたが、ソフトを履くペレスはなぜステイアウトしたのでしょうか。
14周目にレース再開。その後また膠着状態となるものの、上位勢ではリカルドが順調にポジションを上げていくものの、アルボンはそれに付いていく事ができません。以前よりかなりマシになったとは言え、アルボンはまだマシンに慣れきっていない感じです。
ただ、今回レッドブルは比較的強めにダウンフォースをつけていましたが、ルノーは反対に比較的ダウンフォースを削っていたので、一旦後ろに下がるとストレートで抜けないので苦戦するのは仕方ない部分でもあります。
他車と異なるハードでスタートしたガスリーは、26周目にピットに入りミディアムタイヤに交換し、33周目にはトップ10圏内に戻し、43周目には8番手まで上げました。結果的に、この戦略は今回の状況にビタッとハマっていました。
中盤から終盤にかけては、DRSトレインによる膠着状態が続き、特に終盤はタイヤの性能低下に苦しむ車が多くなったことから、あまり興奮するレースではありませんでした。
メルセデス勢は盤石の1ー2、3位はフェルスタッペンです。そう言えば、結局フェラーリPUは1台も入賞する事ができず、深刻さが増しています。
昨年F2のレース中に亡くなったユベールへの黙祷から始まります。どうやら今年は雨の心配は無さそうです。PU差が出るサーキットですが、今年のホンダPUは戦えるパワ-を持っているものの、メルセデスPUはもちろんルノーPUも侮れません。
決勝。レコノサンスラップでエキゾーストトラブルを抱えた7番グリッドのサインツは、残念ながら出走できないようです。
タイヤは、メルセデス勢とフェルスタッペンがミディアム、それ以外のトップ10はソフト。11番手以下は基本的にミディアムですが、12番手のガスリーがハード、13番手のルクレールがソフトを選択し、これがどう影響するかが楽しみです。
スタートから綺麗に1コーナーを回り、オールージュを駆け上がり、ケメルストレートまでの間に幾つかの順位変動がありました。4番手のリカルドがフェルスタッペンに襲いかかり、ターン5~8ではサイドバイサイドになるものの、フェルスタッペンは何とか凌ぎます。中団では、ハードを履くガスリーが上げています。
5周目以降はレースが膠着状態となりますが、フェルスタッペンなどはすでにタイヤの性能低下に苦しみ始めているようです。
10周目のターン13で、ジョビナッツィが単独クラッシュ。また後方から来たラッセルに、不運にもジョビナッツィ車から外れたタイヤが当たってしまい、2台がリタイアとなりました。ヒヤッとする場面でしたが、大きな怪我は無いようで安心しました。
比較的大きなクラッシュでコース上に多くの破片が散乱したため、当初は赤旗かと思いましたがセーフティーカーが導入されました。
そのため、10~11周目で各車ピットストップ。ガスリーとペレスはステイアウトを選択しましたが、ソフトを履くペレスはなぜステイアウトしたのでしょうか。
14周目にレース再開。その後また膠着状態となるものの、上位勢ではリカルドが順調にポジションを上げていくものの、アルボンはそれに付いていく事ができません。以前よりかなりマシになったとは言え、アルボンはまだマシンに慣れきっていない感じです。
ただ、今回レッドブルは比較的強めにダウンフォースをつけていましたが、ルノーは反対に比較的ダウンフォースを削っていたので、一旦後ろに下がるとストレートで抜けないので苦戦するのは仕方ない部分でもあります。
他車と異なるハードでスタートしたガスリーは、26周目にピットに入りミディアムタイヤに交換し、33周目にはトップ10圏内に戻し、43周目には8番手まで上げました。結果的に、この戦略は今回の状況にビタッとハマっていました。
中盤から終盤にかけては、DRSトレインによる膠着状態が続き、特に終盤はタイヤの性能低下に苦しむ車が多くなったことから、あまり興奮するレースではありませんでした。
メルセデス勢は盤石の1ー2、3位はフェルスタッペンです。そう言えば、結局フェラーリPUは1台も入賞する事ができず、深刻さが増しています。
タイヤに関する情報
コンパウンド毎の最長スティントとラップタイム上位
- ハードタイヤ 34Laps(キミ・ライコネン、ロマン・グロージャン)
1. ダニエル・リカルド 1:47.483
2. ルイス・ハミルトン 1:47.758
3. バルテリ・ボッタス 1:47.983
- ミディアムタイヤ 33Laps(アレックス・アルボン)
1. ピエール・ガスリー 1:47.839
2. シャルル・ルクレール 1:47.840
3. ニコラス・ラティフィ 1:48.048
- ソフトタイヤ 18Laps(セルジオ・ペレス)
1. ケビン・マグヌッセン 1:48.083
2. ダニエル・リカルド 1:50.796
3. エステバン・オコン 1:50.827
Formula 1 Gran Premio Heineken d'Italia
開催日程 : 2020年09月04日~06日
開催場所 : イタリア モンツァ
コース名 : Autodromo Nazionale Monza
走行距離 : 5.793 km ✕ 53 周 = 306.720 kmh
イタリアGPの前に、ルノーF1チームが来年からアルピーヌF1チームへと名称が変更されるとの発表がありました。来年は、オコンとアロンソが乗ることはすでに決まっていますが、今年のマシンがそれなりに良いだけに、そういった時期に色々変更するのはどうなのかとも思います。
19周目にマグヌッセンがトラブルによりピット入口付近に車を停めたことから、ドラマはスタートしました。優勝したガスリーは、その19周目にすでにタイヤ交換を終えていましたが、上記によってセーフティーカーが出た上にピットレーンがクローズした事によって他車は22周目にタイヤ交換をする事となり、ガスリーは3番手に浮上します。
セーフティーカー解除後、ルクレールがパラボリカがクラッシュし、タイヤバリアの修復作業のため赤旗が提示。赤旗時にはタイヤ交換が認められているため、ストロールなど大きく得をするドライバ-もいました。
レースは、27周目からスタンディングスタートで実質的にはレース2が再開となりました。スタートでは、3番グリッドのガスリーが2番手を確保。
トップのハミルトンはピットレースクローズ中のピットインをしたとして、10秒のストップ&ゴーペナルティが課せられており、残り26周でトップに立ちます。
ガスリーの後ろには、マシンの競争力では確実に上であるマクラーレンのサインツですが、ここは要所さえ抑えれば抜けないモンツァです。
最後の数ラップはDRS圏内に近づかれたものの、最後は0.4秒差でガスリーが優勝。私自身、この瞬間は叫んでガッツポーズをしていたので、記憶が曖昧です。ホンダがアルファタウリ(旧トロロッソ)に拾ってもらってちょうど50戦目に、このような結果に辿り着けたのは感無量でした。
このガスリーの優勝は、数年に一回あるかないかレベルの幸運(タイヤ交換したタイミングについて)もさることながら、赤旗提示時に新品のミディアムタイヤが残っていた事、リスタート時にストロールを抜いた事、スプリントレースとなったリスタート後の27周でミディアムタイヤをマネジメント仕切った事など幾つかの要因が重なって達成されたものでした。
運もF1の一部であり、また巡ってきたチャンスをしっかりモノにしたガスリーの実力でもあります。レットブル時代は中々上手く行きませんでしたし、きっとアルボンの現状もそうであると思いますが、頑張っていれば報われる世界とストーリーはやはり心に刺さります。
ちなみに、2014年以降に同一メーカーのPUで複数チームが優勝するのは初めての出来事だったそうです。
最後に、今回のモンツァの予選は昨年同様酷いものでした。トゥを狙いすぎるあまり、目を覆いたくなるような展開となりました。
そして、メルセデスにとってエンジンモードの固定はネガティブでは無く、レースではペナルティで最後尾まで下がったハミルトンが、意外と抜きにくいモンツァで7番手まで上がった事は特筆すべきところでしょう。
- FP1 : バルテリ・ボッタス(1:20.703、メルセデス)
- FP2 : ルイス・ハミルトン(1:20.192、メルセデス)
- FP3 : バルテリ・ボッタス(1:20.089、メルセデス)
- Q : ルイス・ハミルトン(1:18.887、メルセデス)
- R : ピエール・ガスリー(1:47:06.056、アルファタウリ)
毎回、レース後にごちゃごちゃ色々書いていますが、今回については「ガスリーが勝った」という以上の情報は無いんじゃないかと思います。
アルファタウリ(旧トロロッソ)推しの私は、最後の5ラップで一週間分の体力を消耗し、ゴール直後につい叫んでしまいました。
19周目にマグヌッセンがトラブルによりピット入口付近に車を停めたことから、ドラマはスタートしました。優勝したガスリーは、その19周目にすでにタイヤ交換を終えていましたが、上記によってセーフティーカーが出た上にピットレーンがクローズした事によって他車は22周目にタイヤ交換をする事となり、ガスリーは3番手に浮上します。
セーフティーカー解除後、ルクレールがパラボリカがクラッシュし、タイヤバリアの修復作業のため赤旗が提示。赤旗時にはタイヤ交換が認められているため、ストロールなど大きく得をするドライバ-もいました。
レースは、27周目からスタンディングスタートで実質的にはレース2が再開となりました。スタートでは、3番グリッドのガスリーが2番手を確保。
トップのハミルトンはピットレースクローズ中のピットインをしたとして、10秒のストップ&ゴーペナルティが課せられており、残り26周でトップに立ちます。
ガスリーの後ろには、マシンの競争力では確実に上であるマクラーレンのサインツですが、ここは要所さえ抑えれば抜けないモンツァです。
最後の数ラップはDRS圏内に近づかれたものの、最後は0.4秒差でガスリーが優勝。私自身、この瞬間は叫んでガッツポーズをしていたので、記憶が曖昧です。ホンダがアルファタウリ(旧トロロッソ)に拾ってもらってちょうど50戦目に、このような結果に辿り着けたのは感無量でした。
このガスリーの優勝は、数年に一回あるかないかレベルの幸運(タイヤ交換したタイミングについて)もさることながら、赤旗提示時に新品のミディアムタイヤが残っていた事、リスタート時にストロールを抜いた事、スプリントレースとなったリスタート後の27周でミディアムタイヤをマネジメント仕切った事など幾つかの要因が重なって達成されたものでした。
運もF1の一部であり、また巡ってきたチャンスをしっかりモノにしたガスリーの実力でもあります。レットブル時代は中々上手く行きませんでしたし、きっとアルボンの現状もそうであると思いますが、頑張っていれば報われる世界とストーリーはやはり心に刺さります。
ちなみに、2014年以降に同一メーカーのPUで複数チームが優勝するのは初めての出来事だったそうです。
最後に、今回のモンツァの予選は昨年同様酷いものでした。トゥを狙いすぎるあまり、目を覆いたくなるような展開となりました。
そして、メルセデスにとってエンジンモードの固定はネガティブでは無く、レースではペナルティで最後尾まで下がったハミルトンが、意外と抜きにくいモンツァで7番手まで上がった事は特筆すべきところでしょう。
タイヤに関する情報
コンパウンド毎の最長スティントとラップタイム上位
- ハードタイヤ 27Laps(ルイス・ハミルトン 他2名)
1. ルイス・ハミルトン 1:22.746
2. ロマン・グロージャン 1:24.785
3. アレックス・アルボン 1:24.888
- ミディアムタイヤ 27Laps(ピエール・ガスリー 他多数)
1. ルイス・ハミルトン 1:23.504
2. カルロス・サインツ 1:23.882
3. ランス・ストロール 1:23.897
- ソフトタイヤ 27Laps(エステバン・オコン 他2名)
1. エステバン・オコン 1:24.490
2. ルイス・ハミルトン 1:24.626
3. キミ・ライコネン 1:24.835
FORMULA 1 GRAN PREMIO DELLA TOSCANA FERRARI 1000 2020 Mugello
開催日程 : 2020年09月11日~13日
開催場所 : イタリア ムジェロ
コース名 : Autodromo Internazionale del Mugello
走行距離 : 5.245 km ✕ 59 周 = 309.455 km
ムジェロでのグランプリを前に、ベッテルが来季からのアストンマーティン(レーシングポイントから改称予定)加入を発表しました。これに伴って、現在レーシングポイントから参戦しているペレスは、来季移籍または別のカテゴリへの参戦となります。
また、フェラーリはF1参戦から1000GPを記念して、1950年5月21日にF1モナコGPに参戦した「125 F1」を再現したブルゴーニュ・カラーでの参戦となります。
また、フェラーリはF1参戦から1000GPを記念して、1950年5月21日にF1モナコGPに参戦した「125 F1」を再現したブルゴーニュ・カラーでの参戦となります。
- FP1 : バルテリ・ボッタス(1:17.879、メルセデス)
- FP2 : バルテリ・ボッタス(1:16.989、メルセデス)
- FP3 : バルテリ・ボッタス(1:16.530、メルセデス)
- Q : ルイス・ハミルトン(1:15.144、メルセデス)
- R : ルイス・ハミルトン(2:19:35.060、メルセデス)
予選までは完全にボッタスの流れだと思いましたが、予選までにはキッチリ仕上げてくるのがハミルトンだと改めて思い知らされました。
予選では、レッドブルのアルボンが好走し4番手を獲得した事で、2列目をレッドブルが独占しました。これまでフェルスタッペンが単独でメルセデスに戦いを挑んでいましたが、ようやく戦える布陣となりました。
また、フェラーリのルクレールが5番手に入り、フェラーリ参戦1000GPの記念グランプリでようやく光が差したように思います。ただ、ベッテルは下位に沈んでいますし、多くのマシンがQ3最後のランをまともに走れなかった事を考えると、あまり喜んでもいられなさそうです。
決勝は、気温30度、路面温度45度の暑いコンディションとなりました。決勝までの間で、左フロントタイヤはもちろんタイヤ全般に厳しそうな事、ちょっとコースからはみ出すとグラベルの餌食になる事、1コーナーが勝負ポイントである事、またコーナーと言いつつ全開で走り抜けるところが多く体に厳しい事などがわかっています。
スタート直後、フェルスタッペンの蹴り出しが良く2番手を確保するかと思った矢先、全く加速せず下位に沈んで行きます。フェルスタッペンを含んだ中団勢が1コーナーを抜けた後、2コーナー手前でガスリー、ライコネン、グロージャンがクラッシュし、さらにフェルスタッペンも追突されてグラベルにハマります。なんと、ここでガスリーとフェルスタッペンがリタイヤとなり、セーフティーカーが導入され、私はテレビ観戦する目的をほぼ失いました。
フェルスタッペンに関しては、前戦もPU関連、そして今回もPU関連でのリタイヤとなりました。今シーズン、ホンダPUのトラブルはそれほど目立ってはいなかったと思うのですが、中盤戦になり少し不安が出てきました。
セーフティーカー先導のまま周回を重ね、ようやく7周目にレース再開!!と思ったのですが、後方でコントロールラインを通過する前にラティフィ、マグヌッセン、ジョビナッツィ、サインツの4台がクラッシュし、再度セーフティーカーが導入されるもの、結局赤旗となりました。
個人的に、このクラッシュはガッツリ減速したマグヌッセン、何故か加速したラティフィとジョビナッツィが戦犯だと思います。ただ、セーフティーカーのランプが消えるのがかなり遅かったのも原因の1つであり、悪いことが重なった結果とも言えます。
すでに14台のマシンしか残っていませんが、赤旗中断中にオコンがブレーキトラブルでリタイヤとなり、13台でレース再開です。
赤旗中断後は、再びスタンディングスタートとなります。グリッドから1コーナーまでの距離が比較的長いムジェロでは、このスタートが最も大きなチャンスと言えますが、ハミルトンはそのチャンスをモノにして再びトップに返り咲きます。
なお、レッドブルの残り1台であるアルボンはスタートに失敗して順位を下げ、懸命の追い上げをせざるを得なくなりました。
また、ルクレールはレース再開からしばらくは3番手を走行していたものの、マシンの競争力が低く、どんどんと後退していき、22周目にハードタイヤに交換しました。
31周目、ハミルトンと違うタイヤを履きたいと言っていたボッタスが先にピットイン。翌周にハミルトンがピットインし、同じハードタイヤに交換をします。ボッタスはそろそろタイヤマネジメントを、少なくてもハミルトンと同等レベルに持っていかないと勝負権が無いように見えます。
しばらくは散発的なバトルはあるものの、基本的には膠着状態が続きます。
44周目、連続する高速コーナーであるアラビアータの2つ目で、ストロールがクラッシュ。どうやらパンクした事によるクラッシュのようで、マシンは派手に壊れました。ストロール自身は問題無さそうに見えたので良かったですが、セーフティーカー導入の後2度目の赤旗です。
F1というカテゴリにおいて、1レースで2度の赤旗が出るのはかなり稀です。前戦でも赤旗が出ており、ここまで続くのは本当に中々ありません。
今グランプリ3度目のスタンディングスタートにより、かなり47周目からレースが再開されます。残り12周、残り12台のスプリントレースとなりました。
スタートではリカルドがものすごい加速で2番手をダッシュするも、翌周にはボッタスが抜き返します。また、ピットイン時に白線をカットしたとしてライコネンに5秒加算ペナルティが出ています。
自力に勝るレッドブルのアルボンは、51周目に3番手に浮上。メルセデスとは大きな差はあったものの、自身初の表彰台(タイ人初の表彰台)を手にしました。
1000GP目となったフェラーリは、8位と10位という妥当な結果に。11番手にはウィリアムズのラッセルが入りましたが、途中見ていた限りではポイントは確実だと思っていただけに、惜しかったなと思います。
予選では、レッドブルのアルボンが好走し4番手を獲得した事で、2列目をレッドブルが独占しました。これまでフェルスタッペンが単独でメルセデスに戦いを挑んでいましたが、ようやく戦える布陣となりました。
また、フェラーリのルクレールが5番手に入り、フェラーリ参戦1000GPの記念グランプリでようやく光が差したように思います。ただ、ベッテルは下位に沈んでいますし、多くのマシンがQ3最後のランをまともに走れなかった事を考えると、あまり喜んでもいられなさそうです。
決勝は、気温30度、路面温度45度の暑いコンディションとなりました。決勝までの間で、左フロントタイヤはもちろんタイヤ全般に厳しそうな事、ちょっとコースからはみ出すとグラベルの餌食になる事、1コーナーが勝負ポイントである事、またコーナーと言いつつ全開で走り抜けるところが多く体に厳しい事などがわかっています。
スタート直後、フェルスタッペンの蹴り出しが良く2番手を確保するかと思った矢先、全く加速せず下位に沈んで行きます。フェルスタッペンを含んだ中団勢が1コーナーを抜けた後、2コーナー手前でガスリー、ライコネン、グロージャンがクラッシュし、さらにフェルスタッペンも追突されてグラベルにハマります。なんと、ここでガスリーとフェルスタッペンがリタイヤとなり、セーフティーカーが導入され、私はテレビ観戦する目的をほぼ失いました。
フェルスタッペンに関しては、前戦もPU関連、そして今回もPU関連でのリタイヤとなりました。今シーズン、ホンダPUのトラブルはそれほど目立ってはいなかったと思うのですが、中盤戦になり少し不安が出てきました。
セーフティーカー先導のまま周回を重ね、ようやく7周目にレース再開!!と思ったのですが、後方でコントロールラインを通過する前にラティフィ、マグヌッセン、ジョビナッツィ、サインツの4台がクラッシュし、再度セーフティーカーが導入されるもの、結局赤旗となりました。
個人的に、このクラッシュはガッツリ減速したマグヌッセン、何故か加速したラティフィとジョビナッツィが戦犯だと思います。ただ、セーフティーカーのランプが消えるのがかなり遅かったのも原因の1つであり、悪いことが重なった結果とも言えます。
すでに14台のマシンしか残っていませんが、赤旗中断中にオコンがブレーキトラブルでリタイヤとなり、13台でレース再開です。
赤旗中断後は、再びスタンディングスタートとなります。グリッドから1コーナーまでの距離が比較的長いムジェロでは、このスタートが最も大きなチャンスと言えますが、ハミルトンはそのチャンスをモノにして再びトップに返り咲きます。
なお、レッドブルの残り1台であるアルボンはスタートに失敗して順位を下げ、懸命の追い上げをせざるを得なくなりました。
また、ルクレールはレース再開からしばらくは3番手を走行していたものの、マシンの競争力が低く、どんどんと後退していき、22周目にハードタイヤに交換しました。
31周目、ハミルトンと違うタイヤを履きたいと言っていたボッタスが先にピットイン。翌周にハミルトンがピットインし、同じハードタイヤに交換をします。ボッタスはそろそろタイヤマネジメントを、少なくてもハミルトンと同等レベルに持っていかないと勝負権が無いように見えます。
しばらくは散発的なバトルはあるものの、基本的には膠着状態が続きます。
44周目、連続する高速コーナーであるアラビアータの2つ目で、ストロールがクラッシュ。どうやらパンクした事によるクラッシュのようで、マシンは派手に壊れました。ストロール自身は問題無さそうに見えたので良かったですが、セーフティーカー導入の後2度目の赤旗です。
F1というカテゴリにおいて、1レースで2度の赤旗が出るのはかなり稀です。前戦でも赤旗が出ており、ここまで続くのは本当に中々ありません。
今グランプリ3度目のスタンディングスタートにより、かなり47周目からレースが再開されます。残り12周、残り12台のスプリントレースとなりました。
スタートではリカルドがものすごい加速で2番手をダッシュするも、翌周にはボッタスが抜き返します。また、ピットイン時に白線をカットしたとしてライコネンに5秒加算ペナルティが出ています。
自力に勝るレッドブルのアルボンは、51周目に3番手に浮上。メルセデスとは大きな差はあったものの、自身初の表彰台(タイ人初の表彰台)を手にしました。
1000GP目となったフェラーリは、8位と10位という妥当な結果に。11番手にはウィリアムズのラッセルが入りましたが、途中見ていた限りではポイントは確実だと思っていただけに、惜しかったなと思います。
タイヤに関する情報
コンパウンド毎の最長スティントとラップタイム上位
- ハードタイヤ 16Laps(シャルル・ルクレール)
1. バルテリ・ボッタス 1:21.799
2. ルイス・ハミルトン 1:21.965
3. ジョージ・ラッセル 1:23.235
- ミディアムタイヤ 24Laps(ルイス・ハミルトン)
1. アレックス・アルボン 1:21.756
2. ランス・ストロール 1:22.068
3. セルジオ・ペレス 1:22.111
- ソフトタイヤ 24Laps(アレックス・アルボン)
1. ルイス・ハミルトン 1:18.833
2. バルテリ・ボッタス 1:19.432
3. アレックス・アルボン 1:20.039
FORMULA 1 VTB RUSSIAN GRAND PRIX 2020
開催日程 : 2020年09月25日~27日
開催場所 : ロシア ソチ
コース名 : SOCHI AUTODROM
走行距離 : 5.848 km ✕ 53 周 = 309.745 km
ロシアGP前に、ステェファノ・ドメニカリがF1のCEOになるのでは?という報道を見ましたが、実現すればFIA会長のジャン・トッドやロス・ブラウンなど元フェラーリ首脳陣がF1関連の首脳陣として集結する事になります。
それだけ能力の高い人達がフェラーリの運営をしていたという事でしょうが、邪推される様な事が怒らないことを祈ります。
F2では、MPモータースポーツに乗っていた松下が急転直下チームを離れることになりました。今年買っているだけに意外でしたが、チームの予算の問題だそうです。
それだけ能力の高い人達がフェラーリの運営をしていたという事でしょうが、邪推される様な事が怒らないことを祈ります。
F2では、MPモータースポーツに乗っていた松下が急転直下チームを離れることになりました。今年買っているだけに意外でしたが、チームの予算の問題だそうです。
- FP1 : バルテリ・ボッタス(1:34.923、メルセデス)
- FP2 : バルテリ・ボッタス(1:33.519、メルセデス)
- FP3 : ルイス・ハミルトン(1:33.279、メルセデス)
- Q : ルイス・ハミルトン(1:31.304、メルセデス)
- R : バルテリ・ボッタス(1:34:00.364、メルセデス)
予選では、Q2でベッテルがクラッシュした影響でバタバタしました。そのおかげで、トップ10のうちボッタスとフェルスタッペンが決勝をミディアムでスタートする事が可能となりました。
Q3では、フェルスタッペンがボッタスのトウを得るなどして渾身のラップを刻み、見事2番手をゲットしました。ただ、スタートは奇数列が有利なだけに、どう影響するでしょうか。
日本時間ではいつもより早い時間の、決勝。気温30度、路面温度41度というコンディションとなりました。なお、ハミルトンは、レコノサンスラップに出ていく際のスタート練習の場所が規定外の位置だったという事で審議対象となっています。
レーススタートでは、やはり奇数列の車の蹴り出しが良く、ボッタスがフェルスタッペンを交わしていきます。フェルスタッペンはリカルドにも抜かれますが、ターン2ですぐに抜き返すことに成功しました。
その後方では、ターン2で飛び出したサインツがターン3の先でコースに復帰する際にバリアにヒットしてリタイア。その煽りを食らって、ノリスも後方に下がります。
また、ターン4出口でルクレールがストロールに当たり、ストロールがクラッシュ。この一連のドタバタにより、セーフティカーが出されました。
ここロシアはタイヤに優しいサーキットの1つのため、セーフティカー中に後方数台のマシンがピットに入りハードタイヤに交換し、最後まで走りきる作戦に切り替えました。
6周目、レースが再開。審議対象となっていたハミルトンに、10秒ペナルティが出されます。
それにしても、今回はメルセデスとフェルスタッペンが後続を引き離し続ける展開では無く、ルノー勢やペレスも頑張ってついていけているので、ちょっと新鮮な感じに映ります。
16周目にハミルトンがピットに入り、10秒ペナルティを消化し、ハードタイヤを履いて11番手でレースに戻ります。普段であれば悠々と前に戻れるハミルトンですが、今回は競争力の差が通常時より小さいため苦労するかもしれません。
トップに出たボッタスは、フェルスタッペンを少しずつ引き離します。25周目にフェルスタッペン、26周目にボッタスがピットに入り、それぞれハードタイヤに履き替えます。
また、25周目にはルノー勢が順位を入れ替えますが、その際にリカルドが縁石をカットしたとして5秒加算ペナルティを受けました。
それ以降は、ロシア特有のタイヤマネジメント一本勝負となり、退屈な展開が続きます。
43周目、グロージャンがターン3出口のボードをふっ飛ばしますが、こうでもしないと1周目のサインツの様にクラッシュしかねないので、これはF1側がきちんと考えなければならない問題です。また、これによりバーチャルセーフティカー(VSC)が出されたものの、すぐに解除されました。
VSCが出たタイミングが、ガスリーがピットに入ります。しかし、VSCが早く解除されたことにより、トラックポジションを落とす結果になりました。ただ、すぐにポイント圏内に戻る事ができましたし、相変わらずアルファタウリの調子は良さそうです。
結果、ハミルトンが後退して以降は危なげ無かったボッタスが優勝。ボッタスは、今年の開幕戦以来の優勝です。フェルスタッペンは、2位。ハミルトンは表彰台まで戻ることが出来ました。
ホンダ製PU4台全てが入賞したものの、やはりアルボンは予選~決勝にかけて改善する部分が多いと感じます。
Q3では、フェルスタッペンがボッタスのトウを得るなどして渾身のラップを刻み、見事2番手をゲットしました。ただ、スタートは奇数列が有利なだけに、どう影響するでしょうか。
日本時間ではいつもより早い時間の、決勝。気温30度、路面温度41度というコンディションとなりました。なお、ハミルトンは、レコノサンスラップに出ていく際のスタート練習の場所が規定外の位置だったという事で審議対象となっています。
レーススタートでは、やはり奇数列の車の蹴り出しが良く、ボッタスがフェルスタッペンを交わしていきます。フェルスタッペンはリカルドにも抜かれますが、ターン2ですぐに抜き返すことに成功しました。
その後方では、ターン2で飛び出したサインツがターン3の先でコースに復帰する際にバリアにヒットしてリタイア。その煽りを食らって、ノリスも後方に下がります。
また、ターン4出口でルクレールがストロールに当たり、ストロールがクラッシュ。この一連のドタバタにより、セーフティカーが出されました。
ここロシアはタイヤに優しいサーキットの1つのため、セーフティカー中に後方数台のマシンがピットに入りハードタイヤに交換し、最後まで走りきる作戦に切り替えました。
6周目、レースが再開。審議対象となっていたハミルトンに、10秒ペナルティが出されます。
それにしても、今回はメルセデスとフェルスタッペンが後続を引き離し続ける展開では無く、ルノー勢やペレスも頑張ってついていけているので、ちょっと新鮮な感じに映ります。
16周目にハミルトンがピットに入り、10秒ペナルティを消化し、ハードタイヤを履いて11番手でレースに戻ります。普段であれば悠々と前に戻れるハミルトンですが、今回は競争力の差が通常時より小さいため苦労するかもしれません。
トップに出たボッタスは、フェルスタッペンを少しずつ引き離します。25周目にフェルスタッペン、26周目にボッタスがピットに入り、それぞれハードタイヤに履き替えます。
また、25周目にはルノー勢が順位を入れ替えますが、その際にリカルドが縁石をカットしたとして5秒加算ペナルティを受けました。
それ以降は、ロシア特有のタイヤマネジメント一本勝負となり、退屈な展開が続きます。
43周目、グロージャンがターン3出口のボードをふっ飛ばしますが、こうでもしないと1周目のサインツの様にクラッシュしかねないので、これはF1側がきちんと考えなければならない問題です。また、これによりバーチャルセーフティカー(VSC)が出されたものの、すぐに解除されました。
VSCが出たタイミングが、ガスリーがピットに入ります。しかし、VSCが早く解除されたことにより、トラックポジションを落とす結果になりました。ただ、すぐにポイント圏内に戻る事ができましたし、相変わらずアルファタウリの調子は良さそうです。
結果、ハミルトンが後退して以降は危なげ無かったボッタスが優勝。ボッタスは、今年の開幕戦以来の優勝です。フェルスタッペンは、2位。ハミルトンは表彰台まで戻ることが出来ました。
ホンダ製PU4台全てが入賞したものの、やはりアルボンは予選~決勝にかけて改善する部分が多いと感じます。
タイヤに関する情報
コンパウンド毎の最長スティントとラップタイム上位
- ハードタイヤ 46Laps(ランド・ノリス)
1. バルテリ・ボッタス 1:37.030
2. マックス・フェルスタッペン 1:37.332
3. ダニエル・リカルド 1:37.886
- ミディアムタイヤ 36Laps(ジョージ・ラッセル)
1. ピエール・ガスリー 1:37.231
2. ランド・ノリス 1:37.377
3. アレックス・アルボン 1:38.377
- ソフトタイヤ 20Laps(セルジオ・ペレス)
1. ジョージ・ラッセル 1:37.352
2. ルイス・ハミルトン 1:39.693
3. セルジオ・ペレス 1:40.371
FORMULA 1 ARAMCO GROSSER PREIS DER EIFEL
開催日程 : 2020年10月09日~11日
開催場所 : ドイツ
コース名 : Nurburgring
走行距離 : 5.148 km ✕ 60 周 = 308.617 km
10月2日、ホンダが2021年シーズンを以ってF1から撤退すると発表しました。以前からなんとなく気配は感じていたものの、実際に発表されると落胆しました。端的にお金が無い、あるいはヨーロッパ市場には期待できないというのであれば理解できるのですが、カーボンなんちゃらと言われても納得感は薄いのが実際のところです。
メルセデスは、新型コロナウイルス感染症の陽性者が出てしまいました。かなりのダメージがあったと思いますが、それを感じさせないのはさすが王者です。
メルセデスは、新型コロナウイルス感染症の陽性者が出てしまいました。かなりのダメージがあったと思いますが、それを感じさせないのはさすが王者です。
- FP1 : 中止(悪天候のため)
- FP2 : 中止(悪天候のため)
- FP3 : バルテリ・ボッタス(1:26.225、メルセデス)
- Q : バルテリ・ボッタス(1:25.269、メルセデス)
- R : ルイス・ハミルトン(1:35:49.641、メルセデス)
FP1、FP2共に悪天候により中止となり、誰も現代F1マシンの走行データを持っておらず、ほぼセッティングの時間が取れない状態での予選・決勝となりました。
また、レーシングポイントのストロールが、その重要なFP3を体調不良で欠場し、再びヒュルケンベルグが代打として予選・決勝を走行する事となりました。
予選では、前戦で勝利したボッタスがPPを決めるとともに、フェルスタッペンが比較的僅差で3番手に入った事で、決勝が俄然楽しみになりました。また、ルクレールが4番手に入ったことでフェラーリ復調の兆しは続いている印象を受けるものの、ベッテルが下位に沈んでおり評価が難しいところです。
ヒュルケンベルグはさすがに予選最下位に終わりましたが、当日の午前11時に連絡を受けて午後3時の予選に出走し、そこそこのタイムを出せるのは凄いことだと思います。
気温9度、路面温度16度で始まった決勝。予報ほど寒くは無いものの、タイヤにとっては寒すぎるコンディションで波乱の予感もしてきます。
そんな中、スタート。全車スタートから最も危険な1コーナー、そして1周を大きな混乱も無く戻ってきたのは、少し意外にも思えました。タイヤが冷えすぎて、誰も無理できなかったのでしょう。
序盤は、メルセデス2台とフェルスタッペンの計3台が後続を引き離していくいつもの展開となりました。4番手以下は、ルクレールが蓋をしています。
9周目にリカルドがルクレールをパスすると、10周目にはルクレールがピットイン。7周目にピットインしたアルボンと共に、データが少ない中で他と違う作戦に賭ける選択をしたように見えました。
また、11周目にベッテルがスピンをし、その影響でタイヤがダメになったのかハードタイヤに交換をしました。
13周目、トップを走るボッタスが1コーナーでミスし、ハミルトンはそれを見逃さずトップに立ちます。ボッタスはその周にピットインし、ミディアムに履き替えます。
14周目、1コーナーでライコネンがラッセルを弾き飛ばし(全員タイヤの温まりが悪かった)、ラッセルがコース脇に車を停めてリタイアした事でVSCが導入されます。
ハミルトンとフェルスタッペンは、この機会を逃さずピットインを行いました。ボッタスにとっては、完全にタイミングが悪かったVSCでした。
ここから、アイフェルGPの混乱は加速します。
VSC明けにアルボンがクビアトのフロントノーズを引っ掛け、17周目にはボッタスがPUトラブルによりリタイヤし、22周目にはオコンがトラブルによりリタイヤ、23周目にはアルボンもリタイヤとなります。また、25周目にはノリスからPUトラブルでパワーを失っていると無線が飛びました。
30周目ペレスがノリスをパスし、リカルドとの3番手争いが激化する可能性が濃厚になりました。
43周目、ノリスがパワーを完全に失いコース脇に車を停めると、45周目にSCが導入されました。個人的には、このSCの運用は恣意的な物を感じざるを得ませんでしたが、安全第一という事でしょう。
SC導入により、ほぼ全車がタイヤ交換をします。最も得をしたのは、タイヤを労り続けながら3番手を走行していたリカルドです。
50周目にレースが再開すると、リカルドがフェルスタッペンに襲いかかりますが、フェルスタッペンはなんとか2番手を死守。すぐに4番手のペレスが3番手のリカルドに襲いかかり、激しい3位争いが始まります。
ちなみに、前日の11時にケルンでコーヒーを飲んでいたヒュルケンベルグは、気づけば8番手を走行しています。
トップのハミルトンは、フェルスタッペンとの感覚をすぐに安全圏まで広げます。ファイナルラップ、フェルスタッペンはファステストタイムを記録して一矢報いますが、総合力でメルセデスにはやはり及びませんでした。
ハミルトンは、ミハエル・シューマッハに並ぶ歴代最多勝記録の91勝目。3番手にはリカルドが入り、ルノーとしては2016年のワ-クス参戦以来初めての表彰台を獲得しました。
また、レーシングポイントのストロールが、その重要なFP3を体調不良で欠場し、再びヒュルケンベルグが代打として予選・決勝を走行する事となりました。
予選では、前戦で勝利したボッタスがPPを決めるとともに、フェルスタッペンが比較的僅差で3番手に入った事で、決勝が俄然楽しみになりました。また、ルクレールが4番手に入ったことでフェラーリ復調の兆しは続いている印象を受けるものの、ベッテルが下位に沈んでおり評価が難しいところです。
ヒュルケンベルグはさすがに予選最下位に終わりましたが、当日の午前11時に連絡を受けて午後3時の予選に出走し、そこそこのタイムを出せるのは凄いことだと思います。
気温9度、路面温度16度で始まった決勝。予報ほど寒くは無いものの、タイヤにとっては寒すぎるコンディションで波乱の予感もしてきます。
そんな中、スタート。全車スタートから最も危険な1コーナー、そして1周を大きな混乱も無く戻ってきたのは、少し意外にも思えました。タイヤが冷えすぎて、誰も無理できなかったのでしょう。
序盤は、メルセデス2台とフェルスタッペンの計3台が後続を引き離していくいつもの展開となりました。4番手以下は、ルクレールが蓋をしています。
9周目にリカルドがルクレールをパスすると、10周目にはルクレールがピットイン。7周目にピットインしたアルボンと共に、データが少ない中で他と違う作戦に賭ける選択をしたように見えました。
また、11周目にベッテルがスピンをし、その影響でタイヤがダメになったのかハードタイヤに交換をしました。
13周目、トップを走るボッタスが1コーナーでミスし、ハミルトンはそれを見逃さずトップに立ちます。ボッタスはその周にピットインし、ミディアムに履き替えます。
14周目、1コーナーでライコネンがラッセルを弾き飛ばし(全員タイヤの温まりが悪かった)、ラッセルがコース脇に車を停めてリタイアした事でVSCが導入されます。
ハミルトンとフェルスタッペンは、この機会を逃さずピットインを行いました。ボッタスにとっては、完全にタイミングが悪かったVSCでした。
ここから、アイフェルGPの混乱は加速します。
VSC明けにアルボンがクビアトのフロントノーズを引っ掛け、17周目にはボッタスがPUトラブルによりリタイヤし、22周目にはオコンがトラブルによりリタイヤ、23周目にはアルボンもリタイヤとなります。また、25周目にはノリスからPUトラブルでパワーを失っていると無線が飛びました。
30周目ペレスがノリスをパスし、リカルドとの3番手争いが激化する可能性が濃厚になりました。
43周目、ノリスがパワーを完全に失いコース脇に車を停めると、45周目にSCが導入されました。個人的には、このSCの運用は恣意的な物を感じざるを得ませんでしたが、安全第一という事でしょう。
SC導入により、ほぼ全車がタイヤ交換をします。最も得をしたのは、タイヤを労り続けながら3番手を走行していたリカルドです。
50周目にレースが再開すると、リカルドがフェルスタッペンに襲いかかりますが、フェルスタッペンはなんとか2番手を死守。すぐに4番手のペレスが3番手のリカルドに襲いかかり、激しい3位争いが始まります。
ちなみに、前日の11時にケルンでコーヒーを飲んでいたヒュルケンベルグは、気づけば8番手を走行しています。
トップのハミルトンは、フェルスタッペンとの感覚をすぐに安全圏まで広げます。ファイナルラップ、フェルスタッペンはファステストタイムを記録して一矢報いますが、総合力でメルセデスにはやはり及びませんでした。
ハミルトンは、ミハエル・シューマッハに並ぶ歴代最多勝記録の91勝目。3番手にはリカルドが入り、ルノーとしては2016年のワ-クス参戦以来初めての表彰台を獲得しました。
タイヤに関する情報
コンパウンド毎の最長スティントとラップタイム上位
- ハードタイヤ 32Laps(ロマン・グロージャン)
1. ピエール・ガスリー 1:31.178
2. ロマン・グロージャン 1:31.562
3. ダニエル・リカルド 1:32.214
- ミディアムタイヤ 34Laps(キミ・ライコネン)
1. ルイス・ハミルトン 1:30.109
2. マックス・フェルスタッペン 1:30.439
3. ケビン・マグヌッセン 1:30.456
- ソフトタイヤ 29Laps(ランド・ノリス、ニコ・ヒュルケンベルグ)
1. マックス・フェルスタッペン 1:28.139
2. ルイス・ハミルトン 1:28.145
3. ダニエル・リカルド 1:29.584
FORMULA 1 HEINEKEN PORTUGUESE GRAND PRIX
開催日程 : 2020年10月23日~25日
開催場所 : ポルトガル
コース名 : Autódromo Internacional do Algarve
走行距離 : 4.653 km ✕ 66 周 = 306.826 km
初開催のサーキットのため、初日から色々試しながらのグランプリとなりました。特に新たに舗装された路面のグリップレベルの低さは、どのチームにとっても厄介な問題の様に見えました。
- FP1 : バルテリ・ボッタス(1:18.410、メルセデス)
- FP2 : バルテリ・ボッタス(1:17.940、メルセデス)
- FP3 : バルテリ・ボッタス(1:16.654、メルセデス)
- Q : ルイス・ハミルトン(1:16.652、メルセデス)
- R : ルイス・ハミルトン(1:29:56.828、メルセデス)
決勝スタート時の気温は20度ですが、路面温度は25度とただでさえグリップレベルが低い路面がさらに滑りそうな上、風も強く小雨が降るトリッキーなコンディションとなりました。
スタートでは2番手のボッタスが出遅れ、ターン1でフェルスタッペンが前に出るもののターン3で再び順位が戻ります。ターン4では、フェルスタッペンのアウトからペレスが仕掛けますが、軽く接触した影響でペレスがスピンを喫し、最下位まで落ちました。
雨がやや強いセクタ-では、ソフトタイヤのマクラーレン勢が水を得た魚のように順位を上げ、サインツが一時トップに踊り出ます。
さらに、ソフトタイヤスタートを選択したライコネンも一度6番手まで順位を上げるなど、トリッキーなコンディション下で面白い展開が続きます。
雨が弱まった5周目以降は、自力に勝るメルセデス勢及びフェルスタッペンが順位を戻していき、10周目頃には大体いつもの感じに落ち着きました。見ている方はとても楽しい展開でした。
10周目を過ぎると、ソフトタイヤを履いたドライバーの勢いに陰りが見られます。左フロントタイヤにグレイニングが出てきているようで、やはりコンディションの悪さが影響しているようです。
ただ、そんな中でもガスリーはソフトタイヤを上手くマネジメントし、同じタイヤのノリスをパスして6番手まで上げてきました。
18周目、ストロールがノリスをオーバーテイクする際に接触し後退。また、トラックリミット違反により、接触と合わせて合計10秒のペナルティを受けました。
20周目、ハミルトンがボッタスを仕留めてトップに戻ります。ボッタスはペースを完全に失っていきましたが、タイヤマネジメント能力を伸ばさないとハミルトンには勝てません。
34周目、3番手を走行していた1ストップ作戦のルクレールがピットインし、フェルスタッペンの9秒後方で復帰します。これで3番手のフェルスタッペンも、自動的に1ストップ作戦となり、ここからのタイヤマネジメント勝負となりそうです。
後半は各ポジションでピットインに伴う順位変動はあるものの、基本的に全員がタイヤマネジメントに専念しているため、大きなバトルは発生しませんでした。
強いて言えば、5番手ペレスから11番手ライコネンまで繋がっていた55周目~60周目くらいは何か起こりそうな展開でしたが、ペレスのタイヤがタレてガスリーが5番手に浮上した63周目ターン1のバトル以外はあまり見どころは無かったかなと思います。
結果的に、ハミルトンが2位ボッタスに約25秒をつける独走で優勝し、F1最多勝利記録の更新となる92勝目をあげました。
スタートでは2番手のボッタスが出遅れ、ターン1でフェルスタッペンが前に出るもののターン3で再び順位が戻ります。ターン4では、フェルスタッペンのアウトからペレスが仕掛けますが、軽く接触した影響でペレスがスピンを喫し、最下位まで落ちました。
雨がやや強いセクタ-では、ソフトタイヤのマクラーレン勢が水を得た魚のように順位を上げ、サインツが一時トップに踊り出ます。
さらに、ソフトタイヤスタートを選択したライコネンも一度6番手まで順位を上げるなど、トリッキーなコンディション下で面白い展開が続きます。
雨が弱まった5周目以降は、自力に勝るメルセデス勢及びフェルスタッペンが順位を戻していき、10周目頃には大体いつもの感じに落ち着きました。見ている方はとても楽しい展開でした。
10周目を過ぎると、ソフトタイヤを履いたドライバーの勢いに陰りが見られます。左フロントタイヤにグレイニングが出てきているようで、やはりコンディションの悪さが影響しているようです。
ただ、そんな中でもガスリーはソフトタイヤを上手くマネジメントし、同じタイヤのノリスをパスして6番手まで上げてきました。
18周目、ストロールがノリスをオーバーテイクする際に接触し後退。また、トラックリミット違反により、接触と合わせて合計10秒のペナルティを受けました。
20周目、ハミルトンがボッタスを仕留めてトップに戻ります。ボッタスはペースを完全に失っていきましたが、タイヤマネジメント能力を伸ばさないとハミルトンには勝てません。
34周目、3番手を走行していた1ストップ作戦のルクレールがピットインし、フェルスタッペンの9秒後方で復帰します。これで3番手のフェルスタッペンも、自動的に1ストップ作戦となり、ここからのタイヤマネジメント勝負となりそうです。
後半は各ポジションでピットインに伴う順位変動はあるものの、基本的に全員がタイヤマネジメントに専念しているため、大きなバトルは発生しませんでした。
強いて言えば、5番手ペレスから11番手ライコネンまで繋がっていた55周目~60周目くらいは何か起こりそうな展開でしたが、ペレスのタイヤがタレてガスリーが5番手に浮上した63周目ターン1のバトル以外はあまり見どころは無かったかなと思います。
結果的に、ハミルトンが2位ボッタスに約25秒をつける独走で優勝し、F1最多勝利記録の更新となる92勝目をあげました。
タイヤに関する情報
コンパウンド毎の最長スティントとラップタイム上位
- ハードタイヤ 40Laps(ニコラス・ラティフィ)
1. ルイス・ハミルトン 1:18.750
2. バルテリ・ボッタス 1:19.345
3. シャルル・ルクレール 1:20.408
- ミディアムタイヤ 54Laps(キミ・ライコネン)
1. ランド・マリス 1:19.360
2. マックス・フェルスタッペン 1:19.854
3. カルロス・サインツ 1:20.268
- ソフトタイヤ 28Laps(ピエール・ガスリー)
1. アレックス・アルボン 1:19.890
2. ダニエル・クビアト 1:20.449
3. セルジオ・ペレス 1:20.802
FORMULA 1 EMIRATES GRAN PREMIO DELL'EMILIA ROMAGNA
(出典 : Formula 1、Italy Imora)
開催日程 : 2020年10月31日~11月01日
開催場所 : イタリア
コース名 : AUTODROMO ENZO E DINO FERRARI
走行距離 : 4.909 km ✕ 63 周 = 309.049 km
フリ-走行が90分1回だけの2日間のイベントとなったイモラですが、サンマリノGPとして開催されていた14~15年と比べると、幾つかのコーナーが改修を受け、全体的にはストップ&ゴー的な性格が強くなったものの、オールドサーキットらしくコース幅が狭い場所があって追い越しは難しい印象です。
フリ-走行が限定的であるが故に、タイヤに関する不測の事態が発生する事が考えられます。
フリ-走行が限定的であるが故に、タイヤに関する不測の事態が発生する事が考えられます。
- FP : ルイス・ハミルトン(1:14.726、メルセデス)
- Q : バルテリ・ボッタス(1:13.609、メルセデス)
- R : ルイス・ハミルトン(1:28:32.430、メルセデス)
予選では、全4台のホンダPU搭載車がQ3に進みましたし、色々とドラマもありました。しかし、個人的にはそれよりもトラックリミット違反が続出した事に強烈な違和感を抱きました。
トラックリミットに関しては、前戦の時も感じていたのですが、そもそもドライバーがワイドに走らないようにコーナー外側はグラベルや芝であったものを、近年出来たサーキット並びに改修されたサーキットでは舗装してしまった事に原因があると思います。
大体、視界が限られている中で200km/hや300km/hで走っているF1から、いくらF1ドライバーと言えどあんな細い白線を正確に認識できるわけがありません。今回も相当数の車が予選タイムを抹消されていましたが、本当にバカバカしいと感じました。
さて、決勝です。気温17度、路面温度24度とそれほど高くない条件となりました。トップ10の中では、メルセデス勢とフェルスタッペンだけがミディアムタイヤスタート、それ以外はソフトタイヤスタート。10番手以下は、ほとんど全車ミディアムタイヤを付けています。
スタートでは、ポールのボッタスが素晴らしいスタート決め、対する2番手のハミルトンは出足が鈍くフェルスタッペンに交わされ、あわやガスリーにも前に行かれそうになりました。
後方では、ストロールがオコンに接触しフロントウイング左側をすっ飛ばし、マグヌッセンがベッテルが接触するなどのゴタゴタがありました。
レコノサンスラップから不調の兆しがあった5番手のガスリーが、8周目にリタイヤ。原因はラジエータの破損らしいのですが、予選4番手からのスタートを好結果に繋げることができませんでした。予選でもフェルスタッペンのPUにトラブルが出るなど、撤退を発表したホンダPUはここ最近信頼性の問題が再浮上しています。
10周目頃になると、中団後方のマシンがピットインを始め、20周目くらいまでにかなりのマシンがハードタイヤへと交換しました。これは想定よりタイヤの性能低下が著しいという事で、後半はまたタイヤマネジメントに専念する展開かなと思いました。
18周目、フェルスタッペンがピットインしてハードタイヤに交換。翌週にボッタスがピットインするも、ハミルトンは大幅にスティントを伸ばす方向に戦略を変更し、フェルスタッペンのオーバーカットを狙います。
レッドブルは、常にメルセデス勢に対してフェルスタッペン1人で挑まねばならず、戦略の幅が全く無い状態で戦い続けていますが、そろそろフェルスタッペンスペシャルと言えるマシンをそれなりに運転できるドライバーを探す必要がありそうです。
28周目、オコンがクラッチトラブルによりコース脇に車を停めます。これに対し、30周目に一瞬だけVSCが出され、その間にハミルトンはタイヤ交換を済ませることができ、トップでコースに戻ります。
2番手ボッタスと3番手フェルスタッペンの攻防が続きますが、パワー不足によりストレートスピードが伸びないレッドブルのマシンは、DRSを開いてもメルセデスを仕留められません。
しかし、42周目にボッタスがミスを犯したのを見逃さなかったフェルスタッペンが、メインストレートで2番手に浮上します。
その他、ベッテルのピットストップが13秒かかったり、マグヌッセンが頭痛でリタイヤしたりなんていう事もありましたが、特筆すべきはライコネンがミディアムタイヤを48周目まで引っ張ったことでしょう。アルファロメオは、競争力の問題でトリッキーな戦略が必要な場面が多いのですが、これまで見たところライコネンはその要求によく応えていると思います。
51周目、フェルスタッペンのマシンの右リアタイヤが突然バースト。どうもデブリを拾ったらしいのですが、これが原因でSCが導入されました。なお、SC導入中にラッセルがミスをして壁に突っ込み、ストロールはピットイン時にフロントジャッキマンを跳ね飛ばすなど、珍事が起きています。
上位勢では、3番手リカルド、4番手ルクレール、5番手アルボンがステイアウト。ただ、その後ろにはソフトタイヤに交換したペレス、クビアト、サインツ、ノリスがいるため、SC明けは混戦必至です。
残り6周となった58周目に、レース再開。クビアトが1コーナーでペレスとアルボンをパスし、ペレスもアルボンをパス。抜かれたアルボンはスピンを喫し最後尾に落ちますが、いくらアルボンにとって乗りづらいマシンと言っても、これで完全にシートを失ったでしょう。
レース再開後は、手負いのボッタスに対してハミルトンはファステスト連発で逃げていき、トップでフィニッシュ。メルセデスは、7年連続となるコンストラクターズタイトルを獲得しました。
3位はリカルドが守り、クビアトは4位。9位にライコネン、10位にジョビナッツィが入ったことで、おそらく今シーズン初のダブル入賞です。
完全に流れに乗った優勝となったハミルトンですが、ミディアムタイヤを上手くマネジメントしながら速いタイムを出せるスキルが呼び込んだ流れとも言え、少なくても現行ルール下ではタイヤマネジメント能力に秀でているハミルトンがボッタスに負けることは無さそうです。
トラックリミットに関しては、前戦の時も感じていたのですが、そもそもドライバーがワイドに走らないようにコーナー外側はグラベルや芝であったものを、近年出来たサーキット並びに改修されたサーキットでは舗装してしまった事に原因があると思います。
大体、視界が限られている中で200km/hや300km/hで走っているF1から、いくらF1ドライバーと言えどあんな細い白線を正確に認識できるわけがありません。今回も相当数の車が予選タイムを抹消されていましたが、本当にバカバカしいと感じました。
さて、決勝です。気温17度、路面温度24度とそれほど高くない条件となりました。トップ10の中では、メルセデス勢とフェルスタッペンだけがミディアムタイヤスタート、それ以外はソフトタイヤスタート。10番手以下は、ほとんど全車ミディアムタイヤを付けています。
スタートでは、ポールのボッタスが素晴らしいスタート決め、対する2番手のハミルトンは出足が鈍くフェルスタッペンに交わされ、あわやガスリーにも前に行かれそうになりました。
後方では、ストロールがオコンに接触しフロントウイング左側をすっ飛ばし、マグヌッセンがベッテルが接触するなどのゴタゴタがありました。
レコノサンスラップから不調の兆しがあった5番手のガスリーが、8周目にリタイヤ。原因はラジエータの破損らしいのですが、予選4番手からのスタートを好結果に繋げることができませんでした。予選でもフェルスタッペンのPUにトラブルが出るなど、撤退を発表したホンダPUはここ最近信頼性の問題が再浮上しています。
10周目頃になると、中団後方のマシンがピットインを始め、20周目くらいまでにかなりのマシンがハードタイヤへと交換しました。これは想定よりタイヤの性能低下が著しいという事で、後半はまたタイヤマネジメントに専念する展開かなと思いました。
18周目、フェルスタッペンがピットインしてハードタイヤに交換。翌週にボッタスがピットインするも、ハミルトンは大幅にスティントを伸ばす方向に戦略を変更し、フェルスタッペンのオーバーカットを狙います。
レッドブルは、常にメルセデス勢に対してフェルスタッペン1人で挑まねばならず、戦略の幅が全く無い状態で戦い続けていますが、そろそろフェルスタッペンスペシャルと言えるマシンをそれなりに運転できるドライバーを探す必要がありそうです。
28周目、オコンがクラッチトラブルによりコース脇に車を停めます。これに対し、30周目に一瞬だけVSCが出され、その間にハミルトンはタイヤ交換を済ませることができ、トップでコースに戻ります。
2番手ボッタスと3番手フェルスタッペンの攻防が続きますが、パワー不足によりストレートスピードが伸びないレッドブルのマシンは、DRSを開いてもメルセデスを仕留められません。
しかし、42周目にボッタスがミスを犯したのを見逃さなかったフェルスタッペンが、メインストレートで2番手に浮上します。
その他、ベッテルのピットストップが13秒かかったり、マグヌッセンが頭痛でリタイヤしたりなんていう事もありましたが、特筆すべきはライコネンがミディアムタイヤを48周目まで引っ張ったことでしょう。アルファロメオは、競争力の問題でトリッキーな戦略が必要な場面が多いのですが、これまで見たところライコネンはその要求によく応えていると思います。
51周目、フェルスタッペンのマシンの右リアタイヤが突然バースト。どうもデブリを拾ったらしいのですが、これが原因でSCが導入されました。なお、SC導入中にラッセルがミスをして壁に突っ込み、ストロールはピットイン時にフロントジャッキマンを跳ね飛ばすなど、珍事が起きています。
上位勢では、3番手リカルド、4番手ルクレール、5番手アルボンがステイアウト。ただ、その後ろにはソフトタイヤに交換したペレス、クビアト、サインツ、ノリスがいるため、SC明けは混戦必至です。
残り6周となった58周目に、レース再開。クビアトが1コーナーでペレスとアルボンをパスし、ペレスもアルボンをパス。抜かれたアルボンはスピンを喫し最後尾に落ちますが、いくらアルボンにとって乗りづらいマシンと言っても、これで完全にシートを失ったでしょう。
レース再開後は、手負いのボッタスに対してハミルトンはファステスト連発で逃げていき、トップでフィニッシュ。メルセデスは、7年連続となるコンストラクターズタイトルを獲得しました。
3位はリカルドが守り、クビアトは4位。9位にライコネン、10位にジョビナッツィが入ったことで、おそらく今シーズン初のダブル入賞です。
完全に流れに乗った優勝となったハミルトンですが、ミディアムタイヤを上手くマネジメントしながら速いタイムを出せるスキルが呼び込んだ流れとも言え、少なくても現行ルール下ではタイヤマネジメント能力に秀でているハミルトンがボッタスに負けることは無さそうです。
タイヤに関する情報
コンパウンド毎の最長スティントとラップタイム上位
- ハードタイヤ 50Laps(シャルル・ルクレール)
1. ルイス・ハミルトン 1:17.279
2. ダニエル・リカルド 1:17.552
3. マックス・フェルスタッペン 1:17.637
- ミディアムタイヤ 53Laps(アントニオ・ジョビナッツィ)
1. ルイス・ハミルトン 1:17.502
2. ランド・ノリス 1:18.252
3. カルロス・サインツ 1:18.269
- ソフトタイヤ 17Laps(カルロス・サインツ)
1. ルイス・ハミルトン 1:15.484
2. バルテリ・ボッタス 1:15.902
3. アレックス・アルボン 1:16.177
FORMULA 1 DHL TURKISH GRAND PRIX 2020
開催日程 : 2020年11月13日~15日
開催場所 : トルコ
コース名 : Intercity Istanbul Park
走行距離 : 5.338 km ✕ 58 周 = 309.396 km
開催前から懸念されていた直前に再舗装された路面ですが、サーキットがほぼ使用されていなかった事、ピレリがより硬いタイヤを用意した事、サポートレースが無い事、天候の影響により事態はかなり悪化しました。
また、9年ぶりに復帰したトルコですが、開催時期が以前が真夏だったのに対して11月上旬という事で各チームにデータが皆無だった事も影響しているでしょう。
また、9年ぶりに復帰したトルコですが、開催時期が以前が真夏だったのに対して11月上旬という事で各チームにデータが皆無だった事も影響しているでしょう。
- FP1 : マックス・フェルスタッペン(1:35.077、レッドブル)
- FP2 : マックス・フェルスタッペン(1:28.330、レッドブル)
- FP3 : マックス・フェルスタッペン(1:48.485、レッドブル)
- Q : ランス・ストロール(1:47.765、レーシングポイント)
- R : ルイス・ハミルトン(1:42:19.313、メルセデス)
FPは完全にレットブルとフェルスタッペンが支配していた反面、メルセデスは車の特性としてタイヤに優しいのか、タイヤに熱を入れることができずに苦戦をしていました。
しかし、途中赤旗を挟みながらも次第にコンディションが回復していった予選では、なんとレーシングポイントのストロールが見事自身初のポールポジションを獲得しました。2020年シーズン当初はピンクメルセデスと言われましたが、本家を上回る結果を残す事に成功しました。
決勝は、路面がウェットとなり波乱が予想されます。気温12度、路面温度15度と共に低く、さらにウェットという事で予選同様グリップレベルは最低です。ほぼ全車(ウイリアムズ以外)がウェットタイヤでスタートするようです。
スタートでは、フェルスタッペンのマシンが大きく後退し8番手に下がります。ターン1でリカルドがオコンに当たり、その煽りを受けてボッタスがスピンするなど早々と波乱の展開です。
そんな中、ストロールとペレスが1-2体制を築く夢の展開。さらに、5周目頃になると路面状況が徐々に改善し、それに伴ってレーシングポイントの2台が後方とのギャップを広げていきます。
6周目ルクレール、7周目ボッタス、8周目ベッテルやハミルトン、9周目ストロール、10周目ペレス11周目フェルスタッペン、12周目アルボンと続々とインタ-ミディエイトタイヤに交換していきます。
タイヤ交換のタイミングとしては、各車各ドライバーの感覚もありますが、レッドブルはやや引き伸ばしすぎた印象です。
13周目のターン9手前でジョビナッツィがマシンを止め、VSCが入ります。15周目にVSCが解除されレース再開。
冒頭から幾つかミスをしているハミルトンですが、ハミルトンのこういう場面は中々見ることがありません。余程タイヤやブレーキに熱が入らないのだと思います。
18周目のターン11でペレスに仕掛けたフェルスタッペンですが、残念ながらスピン。タイヤにダメージを受けて余計なピットストップが必要になりました。
代わって3番手に上がったアルボンは、レーシングポイント勢より2秒以上速いタイムで追い上げていきますが、その勢いもタイヤの摩耗が酷くて続きません。
30周目ルクレールが再び先陣を切ってピットストップを行い、新品のインタ-ミディエイトで上位勢より数秒速いタイムを記録して追い上げます。
それを見て、32周目にリカルド、33周目にベッテルとサインツ、34周目にスピンを喫したアルボン、36周目にストロールがピットに入ります。
その間隙を縫って、37周目のバックストレートでハミルトンがペレスをパスしてトップに躍り出ます。ハミルトンは持ち前のタイヤマネジメント能力を発揮し、使い古したインタ-ミディエイトでも充分早いタイムを出しています。
予選ポールポジション、ちょっと前までトップを走っていたストロールは、タイヤのグレイニングに苦しみどんどんと順位を下げていきます。
43周目、フェルスタッペンが再びピットストップを行いタイヤを交換します。ハミルトン以外、全員がタイヤに苦しんでいます。そこからちょこちょことバトルやスピンは発生するものの、全体的にタイヤマネジメントが最優先となっています。
最終ラップ、ターン9でルクレールがペレスをパスしたものの、ターン12でルクレールがミス。ペレスとベッテルがルクレールをパスし、ふたりとも今季初表彰台となりました。ペレスとベッテルは、きちんとしたタイヤマネジメントを行って粘って取った表彰台とも言えます。
さて、最終的にはハミルトンが優勝し、シューマッハと並ぶ7回目のワールドチャンピョンを獲得しました。これは本当に素晴らしい事ですが、個人的には今回のレースを8周目にウェットタイヤから中古のインタ-ミディエイトに交換した1回のストップで乗り切ったハミルトンの底知れぬタイヤマネジメント能力に脱帽です。
メルセデスのマシンが強すぎて隠れてしまっている部分もありますが、改めてハミルトンの能力があってこその近年のメルセデスの躍進とも言えるなと感じました。それほど異次元の才能だと思います。
しかし、途中赤旗を挟みながらも次第にコンディションが回復していった予選では、なんとレーシングポイントのストロールが見事自身初のポールポジションを獲得しました。2020年シーズン当初はピンクメルセデスと言われましたが、本家を上回る結果を残す事に成功しました。
決勝は、路面がウェットとなり波乱が予想されます。気温12度、路面温度15度と共に低く、さらにウェットという事で予選同様グリップレベルは最低です。ほぼ全車(ウイリアムズ以外)がウェットタイヤでスタートするようです。
スタートでは、フェルスタッペンのマシンが大きく後退し8番手に下がります。ターン1でリカルドがオコンに当たり、その煽りを受けてボッタスがスピンするなど早々と波乱の展開です。
そんな中、ストロールとペレスが1-2体制を築く夢の展開。さらに、5周目頃になると路面状況が徐々に改善し、それに伴ってレーシングポイントの2台が後方とのギャップを広げていきます。
6周目ルクレール、7周目ボッタス、8周目ベッテルやハミルトン、9周目ストロール、10周目ペレス11周目フェルスタッペン、12周目アルボンと続々とインタ-ミディエイトタイヤに交換していきます。
タイヤ交換のタイミングとしては、各車各ドライバーの感覚もありますが、レッドブルはやや引き伸ばしすぎた印象です。
13周目のターン9手前でジョビナッツィがマシンを止め、VSCが入ります。15周目にVSCが解除されレース再開。
冒頭から幾つかミスをしているハミルトンですが、ハミルトンのこういう場面は中々見ることがありません。余程タイヤやブレーキに熱が入らないのだと思います。
18周目のターン11でペレスに仕掛けたフェルスタッペンですが、残念ながらスピン。タイヤにダメージを受けて余計なピットストップが必要になりました。
代わって3番手に上がったアルボンは、レーシングポイント勢より2秒以上速いタイムで追い上げていきますが、その勢いもタイヤの摩耗が酷くて続きません。
30周目ルクレールが再び先陣を切ってピットストップを行い、新品のインタ-ミディエイトで上位勢より数秒速いタイムを記録して追い上げます。
それを見て、32周目にリカルド、33周目にベッテルとサインツ、34周目にスピンを喫したアルボン、36周目にストロールがピットに入ります。
その間隙を縫って、37周目のバックストレートでハミルトンがペレスをパスしてトップに躍り出ます。ハミルトンは持ち前のタイヤマネジメント能力を発揮し、使い古したインタ-ミディエイトでも充分早いタイムを出しています。
予選ポールポジション、ちょっと前までトップを走っていたストロールは、タイヤのグレイニングに苦しみどんどんと順位を下げていきます。
43周目、フェルスタッペンが再びピットストップを行いタイヤを交換します。ハミルトン以外、全員がタイヤに苦しんでいます。そこからちょこちょことバトルやスピンは発生するものの、全体的にタイヤマネジメントが最優先となっています。
最終ラップ、ターン9でルクレールがペレスをパスしたものの、ターン12でルクレールがミス。ペレスとベッテルがルクレールをパスし、ふたりとも今季初表彰台となりました。ペレスとベッテルは、きちんとしたタイヤマネジメントを行って粘って取った表彰台とも言えます。
さて、最終的にはハミルトンが優勝し、シューマッハと並ぶ7回目のワールドチャンピョンを獲得しました。これは本当に素晴らしい事ですが、個人的には今回のレースを8周目にウェットタイヤから中古のインタ-ミディエイトに交換した1回のストップで乗り切ったハミルトンの底知れぬタイヤマネジメント能力に脱帽です。
メルセデスのマシンが強すぎて隠れてしまっている部分もありますが、改めてハミルトンの能力があってこその近年のメルセデスの躍進とも言えるなと感じました。それほど異次元の才能だと思います。
タイヤに関する情報
コンパウンド毎の最長スティントとラップタイム上位
- インタ-ミディエイト 50Laps(ルイス・ハミルトン)
1. ランド・ノリス 1:36.806
2. バルテリ・ボッタス 1:38.193
3. マックス・フェルスタッペン 1:38.431
- ウェットタイヤ 12Laps(アレックス・アルボン)
1. マックス・フェルスタッペン 1:48.610
2. アレックス・アルボン 1:50.423
3. カルロス・サインツ 1:51.671
FORMULA 1 GULF AIR BAHRAIN GRAND PRIX 2020
開催日程 : 2020年11月27日~29日
開催場所 : バーレーン サキール
コース名 : Bahrain International Circuit
走行距離 : 5.412 km ✕ 57 周 = 308.238 km
チャンピオンシップは決まってしまいましたが、コンストラクターズでは3位争いが最もホットな話題となっています。
- FP1 : ルイス・ハミルトン(1:29.033、メルセデス)
- FP2 : ルイス・ハミルトン(1:28.971、メルセデス)
- FP3 : マックス・フェルスタッペン(1:28.355、レッドブル)
- Q : ルイス・ハミルトン(1:27.264、メルセデス)
- R : ルイス・ハミルトン(2:59:47.515、メルセデス)
気温27度・路面温度32度、毎回懸念される風の影響も軽微と良いコンディションでのスタートとなりそうです。抜き易いサーキットで、昨年同様タイヤのデグラデーションがかなり大きく作戦に幅があるため、楽しみなレースです。
スタートでは、ハミルトンとペレスが素晴らしく、ボッタスがやや遅れました。コース幅の狭いターン1から2にかけて中団以降は軽い接触も含めて交錯し、ターン3からストレートに向けて加速していきます。
その時、グロージャンが前方の車を避ける形で斜行し、クビアトと接触した事でガードレールに弾き飛ばされ、車が炎上するほどのクラッシュ。
各所で拮抗したバトルが展開される中、34周目フェルスタッペンが先行してピットインしハードタイヤに履き替えます。しかし、いつも2秒フラット前後のレッドブルのピットストップとしては珍しく、5秒以上かかってしまいます。
翌週、ハミルトンがピットインし、タイヤを交換してトップで戻ります。フェルスタッペンのピットが正常であれば、もうちょっと拮抗したバトルになったと感じる差でした。
40周目頃になると、3番手ペレスから4番手アルボンが離れていきます。5番手には実質的な1ストップを選択したガスリー、その後ろにはマクラーレン勢とルノー勢が迫っています。
46周目、フェルスタッペンがピットインしミディアムタイヤに交換し、何かあればトップを狙える態勢を整えました。
レースも残り数周というところで、ペレスのマシンから白煙が上がりました。近年では珍しい光景ですが、残念ながら54周目にリタイヤ。マシンを止めた場所が悪く、セーフティカーが導入され、そのままゴールとなりました。
スタートでは、ハミルトンとペレスが素晴らしく、ボッタスがやや遅れました。コース幅の狭いターン1から2にかけて中団以降は軽い接触も含めて交錯し、ターン3からストレートに向けて加速していきます。
その時、グロージャンが前方の車を避ける形で斜行し、クビアトと接触した事でガードレールに弾き飛ばされ、車が炎上するほどのクラッシュ。
Formula 1@F1
A heart-stopping moment on Lap 1 in Bahrain
2020/11/30 04:16:52
We are all incredibly grateful that @RGrosjean walked away from this i… https://t.co/dNtsDn2nYf
比較的早い段階でグロージャンの無事が確認されたため安堵しましたが、ガードレールの補修等に時間がかかり1時間21分の中断となりました。
日本時間ではすでに深夜帯に入る頃で、私もLIVE視聴を諦めようかなと思いましたが、洗濯物を畳んだり皿洗いをしたり掃除をしていると、ちょうどレース再開のアナウンスが出たので結局最後まで見ることになりました。
レース再開です。レースは、3周目から、事故発生前のセーフティカーライン2通過時点の順でグリッドに並びスタンディングスタートとなりました。中断時にタイヤ交換義務を果たしたドライバーもいて、再開後も落ち着くまでは展開を注視する必要があります。
リスタートでは、再びハミルトンとペレスが素晴らしく、やや加速が鈍かったフェルスタッペンが3位に後退するもターン1でペレスのインに飛び込み順位を回復します。ボッタスの加速も鈍かったので、今回は奇数列側のグリッドが大きなアドバンテージを持っていたようです。
するとターン8でストロールとクビアトがクラッシュし、ストロールの車が仰向けになってしまいます。クビアトの攻めはキツかったですが、ストロールがインを締めすぎた様に見えました。
このクラッシュにより、セーフティカーが導入され、クビアトに10秒ペナルティが課せられました。故意ではないにしろ、クビアトは本日2回目のクラッシュの当事者となってしまいました。
セーフティカー導入中、ボッタスがスローパンクチャーのためピットイン。このコースでは予定外のピットインは、使えるタイヤの枯渇に繋がるため致命的です。
9周目にレース再開。各車タイヤマネジメントをしながらの走行となるも、ハミルトンは独走への足がかかりを作り始め、フェラ-リ勢は精彩を欠いています。
16周目にリカルドがピットインし、25周目までにほとんどの車がタイヤ交換を行います。ハミルトンがミディアムタイヤに交換したのに対し、フェルスタッペンがハードタイヤに交換し、じわじわと迫ってきました。
日本時間ではすでに深夜帯に入る頃で、私もLIVE視聴を諦めようかなと思いましたが、洗濯物を畳んだり皿洗いをしたり掃除をしていると、ちょうどレース再開のアナウンスが出たので結局最後まで見ることになりました。
レース再開です。レースは、3周目から、事故発生前のセーフティカーライン2通過時点の順でグリッドに並びスタンディングスタートとなりました。中断時にタイヤ交換義務を果たしたドライバーもいて、再開後も落ち着くまでは展開を注視する必要があります。
リスタートでは、再びハミルトンとペレスが素晴らしく、やや加速が鈍かったフェルスタッペンが3位に後退するもターン1でペレスのインに飛び込み順位を回復します。ボッタスの加速も鈍かったので、今回は奇数列側のグリッドが大きなアドバンテージを持っていたようです。
するとターン8でストロールとクビアトがクラッシュし、ストロールの車が仰向けになってしまいます。クビアトの攻めはキツかったですが、ストロールがインを締めすぎた様に見えました。
このクラッシュにより、セーフティカーが導入され、クビアトに10秒ペナルティが課せられました。故意ではないにしろ、クビアトは本日2回目のクラッシュの当事者となってしまいました。
セーフティカー導入中、ボッタスがスローパンクチャーのためピットイン。このコースでは予定外のピットインは、使えるタイヤの枯渇に繋がるため致命的です。
9周目にレース再開。各車タイヤマネジメントをしながらの走行となるも、ハミルトンは独走への足がかかりを作り始め、フェラ-リ勢は精彩を欠いています。
16周目にリカルドがピットインし、25周目までにほとんどの車がタイヤ交換を行います。ハミルトンがミディアムタイヤに交換したのに対し、フェルスタッペンがハードタイヤに交換し、じわじわと迫ってきました。
翌週、ハミルトンがピットインし、タイヤを交換してトップで戻ります。フェルスタッペンのピットが正常であれば、もうちょっと拮抗したバトルになったと感じる差でした。
40周目頃になると、3番手ペレスから4番手アルボンが離れていきます。5番手には実質的な1ストップを選択したガスリー、その後ろにはマクラーレン勢とルノー勢が迫っています。
46周目、フェルスタッペンがピットインしミディアムタイヤに交換し、何かあればトップを狙える態勢を整えました。
レースも残り数周というところで、ペレスのマシンから白煙が上がりました。近年では珍しい光景ですが、残念ながら54周目にリタイヤ。マシンを止めた場所が悪く、セーフティカーが導入され、そのままゴールとなりました。
タイヤに関する情報
コンパウンド毎の最長スティントとラップタイム上位
- ハードタイヤ 33Laps(アントニオ・ジョビナッツィ)
1. マックス・フェルスタッペン 1:32.663
2. ダニエル・リカルド 1:32.827
3. ルイス・ハミルトン 1:32.864
- ミディアムタイヤ 53Laps(シャルル・ルクレール)
1. マックス・フェルスタッペン 1:32.014
2. ルイス・ハミルトン 1:33.337
3. バルテリ・ボッタス 1:33.352
- ソフトタイヤ 20Laps(カルロス・サインツ)
1. カルロス・サインツ 1:36.418
2. ダニエル・クビアト 1:36.976
3. アントニオ・ジョビナッツィ 1:45.931
FORMULA 1 ROLEX SAKHIR GRAND PRIX 2020
開催日程 : 2020年12月04日~06日
開催場所 : バーレーン サキール
コース名 : Bahrain International Circuit
走行距離 : 3.543 km ✕ 87 周 = 307.995 km
今回のグランプリを前にして、様々な事が起こりました。
12月1日、ハミルトンのコロナ陽明が判明。前戦でクラッシュしたグロージャンの代役として、ピエトロ・フィッティパルディが座ることが発表。また、ハースの来季シートの1つにはニキータ・マゼピンが座ることが発表。
12月2日、欠場するハミルトンの代役としてウィリアムズのラッセル、ラッセルの代役にはリザーブ・ドライバーであるジャック・エイトケンが座り参戦。また、ハースの来季シートのもう1つは、ミック・シューマッハだと発表。
12月4日、マグヌッセンが来季IMSAに参戦する事が発表。
12月5日、来季F1昇格を目指すF2参戦中の角田が、今季4度目のポールポジションを獲得。その後、レース1で優勝し、シーズン4位以内を確定してF1参戦に必要なスーパーライセンス発給条件をクリア。
12月6日、F2参戦中の角田が、レース2で2位表彰台に入り、ランキング3位を確定しました。来季はアルファタウリからF1に参戦する事が確実視されており、本当に楽しみです。また、グロージャンに関して、最終戦も欠場する事がわかりました。
12月1日、ハミルトンのコロナ陽明が判明。前戦でクラッシュしたグロージャンの代役として、ピエトロ・フィッティパルディが座ることが発表。また、ハースの来季シートの1つにはニキータ・マゼピンが座ることが発表。
12月2日、欠場するハミルトンの代役としてウィリアムズのラッセル、ラッセルの代役にはリザーブ・ドライバーであるジャック・エイトケンが座り参戦。また、ハースの来季シートのもう1つは、ミック・シューマッハだと発表。
12月4日、マグヌッセンが来季IMSAに参戦する事が発表。
12月5日、来季F1昇格を目指すF2参戦中の角田が、今季4度目のポールポジションを獲得。その後、レース1で優勝し、シーズン4位以内を確定してF1参戦に必要なスーパーライセンス発給条件をクリア。
12月6日、F2参戦中の角田が、レース2で2位表彰台に入り、ランキング3位を確定しました。来季はアルファタウリからF1に参戦する事が確実視されており、本当に楽しみです。また、グロージャンに関して、最終戦も欠場する事がわかりました。
- FP1 : ジョージ・ラッセル(54.546、メルセデス)
- FP2 : ジョージ・ラッセル(54.713、メルセデス)
- FP3 : マックス・フェルスタッペン(54.064、レッドブル)
- Q : バルテリ・ボッタス(53.377、メルセデス)
- R : セルジオ・ペレス(1:31:15.116、レーシング・ポイント)
FPでは、ハミルトンの代役としてメルセデスを運転するラッセルが、いきなりのトップタイムを記録しました。ただ、予選ではボッタスが意地を見せてポールポジションを獲得したものの、差はたったの0.026秒とラッセルの速さが際立ちました。
レッドブルはフェルスタッペンが僅差の3位に入るものの、アルボンがQ2敗退といつも通りでした。ただ、今回の場合はおそらくチーム側が予選通過タイムの設定を間違っていた可能性がある事と、他チームと比較してタイヤ戦略が悪かった事も関係していると思います。
気温21度、路面温度24度、風が強く路面が埃っぽいコンディションでレースが開始されます。トップ10ではメルセデス勢がミディアムタイヤ、それ以外がソフトタイヤを装着しています。
スタートでは、ボッタスの加速が鈍く、その後ろに付いてしまったフェルスタッペンが煽りを食らいました。ターン3では、ライコネンがスピン。ターン4前では、ボッタス・フェルスタッペン・ペレスが争うものの、その後ろのペレスにブレーキをロックさせたルクレールが当たりルクレールがリタイヤし、回避しようとしたフェルスタッペンはコントロールを失いバリアにクラッシュしリタイヤとなりました。
この事故により、セーフティカーが導入されます。ダメージを負ったペレスは、ピットに入りミディアムタイヤに交換し、最後尾からの追い上げる事になりました。波乱の展開を予想させる序盤です。
レースは、7周目に再開。トップのラッセルはリスタートをうまく決めるものの、2位ボッタスはサインツと争いになり辛うじて順位をキープ。その後、ラッセルがファステストラップを出しながらボッタスを引き離しますが、完全にアジャストされていないコクピットでこの運転はラッセルを称賛せずにはいられません。
20周目にノリスがタイヤ交換を行ったものの、思ったよりタイヤの持ちが良く、各車事前に最速と言われていた2ストップでは無く、1ストップ作戦へと切り替えているようです。
それにしても集団になるとお互いがDRSを使用できるため、順位の入れ替えがほとんど発生しません。もう少し抜きつ抜かれつの展開になると期待していたので、少し残念です。
トップのラッセルは、45周目にハードタイヤに交換して1ストップ作戦を採用。1周目に最後尾まで下がったペレスは、47周目にピットに入り8番手でコースに復帰しています。ボッタスは49周目にタイヤ交換を行い、ラッセルを追いかけます。
53周目、ラティフィがトラブルによりターン9出口に車を停めてしまい、VSCが出るもののすぐに解除されます。
61周目、エイトケンが最終コーナーで膨らみバリアにヒット。多数のデブリがコース上に散乱したため、VSCが導入され追ってセーフティカーが導入されました。
ここでメルセデスが2台同時ピットインを敢行しますが、ラッセルにボッタス用のタイヤをつけるなど混乱。ラッセルは、再度のピットインを強いられました。
69周目にレースが再開し、トップは最後尾から復活してきたペレス、2位オコン、3位ストロールとなっています。
ピットのミスで順位を下げたメルセデス勢ですが、70周目に5位ラッセルがボッタスをオーバーテイクして4位、72周目にはストロールを抜いて3位、73周目にはオコンを抜いて2位まで戻します。
しかし、ラッセルのマシンの左リアタイヤがパンクし、ピットインした事で後方15番手くらいまで後退します。あまりにもドラマチックな展開となっています。
最終的には、ペレスが190戦目にして念願のF1初優勝。最後はペースをコントロールしながら、悠々のゴールとなりました。2位はオコン、3位はストロールという表彰台の顔ぶれです。
今回F1初優勝を果たしたペレスは、ここ数年は仕事師といったイメージで、速さと確実性を両立している数少ないドライバーです。しかし、これまでのところ来季のシートは無く、個人的には非常に残念に思います。
レッドブルはフェルスタッペンが僅差の3位に入るものの、アルボンがQ2敗退といつも通りでした。ただ、今回の場合はおそらくチーム側が予選通過タイムの設定を間違っていた可能性がある事と、他チームと比較してタイヤ戦略が悪かった事も関係していると思います。
気温21度、路面温度24度、風が強く路面が埃っぽいコンディションでレースが開始されます。トップ10ではメルセデス勢がミディアムタイヤ、それ以外がソフトタイヤを装着しています。
スタートでは、ボッタスの加速が鈍く、その後ろに付いてしまったフェルスタッペンが煽りを食らいました。ターン3では、ライコネンがスピン。ターン4前では、ボッタス・フェルスタッペン・ペレスが争うものの、その後ろのペレスにブレーキをロックさせたルクレールが当たりルクレールがリタイヤし、回避しようとしたフェルスタッペンはコントロールを失いバリアにクラッシュしリタイヤとなりました。
この事故により、セーフティカーが導入されます。ダメージを負ったペレスは、ピットに入りミディアムタイヤに交換し、最後尾からの追い上げる事になりました。波乱の展開を予想させる序盤です。
レースは、7周目に再開。トップのラッセルはリスタートをうまく決めるものの、2位ボッタスはサインツと争いになり辛うじて順位をキープ。その後、ラッセルがファステストラップを出しながらボッタスを引き離しますが、完全にアジャストされていないコクピットでこの運転はラッセルを称賛せずにはいられません。
20周目にノリスがタイヤ交換を行ったものの、思ったよりタイヤの持ちが良く、各車事前に最速と言われていた2ストップでは無く、1ストップ作戦へと切り替えているようです。
それにしても集団になるとお互いがDRSを使用できるため、順位の入れ替えがほとんど発生しません。もう少し抜きつ抜かれつの展開になると期待していたので、少し残念です。
トップのラッセルは、45周目にハードタイヤに交換して1ストップ作戦を採用。1周目に最後尾まで下がったペレスは、47周目にピットに入り8番手でコースに復帰しています。ボッタスは49周目にタイヤ交換を行い、ラッセルを追いかけます。
53周目、ラティフィがトラブルによりターン9出口に車を停めてしまい、VSCが出るもののすぐに解除されます。
61周目、エイトケンが最終コーナーで膨らみバリアにヒット。多数のデブリがコース上に散乱したため、VSCが導入され追ってセーフティカーが導入されました。
ここでメルセデスが2台同時ピットインを敢行しますが、ラッセルにボッタス用のタイヤをつけるなど混乱。ラッセルは、再度のピットインを強いられました。
69周目にレースが再開し、トップは最後尾から復活してきたペレス、2位オコン、3位ストロールとなっています。
ピットのミスで順位を下げたメルセデス勢ですが、70周目に5位ラッセルがボッタスをオーバーテイクして4位、72周目にはストロールを抜いて3位、73周目にはオコンを抜いて2位まで戻します。
しかし、ラッセルのマシンの左リアタイヤがパンクし、ピットインした事で後方15番手くらいまで後退します。あまりにもドラマチックな展開となっています。
最終的には、ペレスが190戦目にして念願のF1初優勝。最後はペースをコントロールしながら、悠々のゴールとなりました。2位はオコン、3位はストロールという表彰台の顔ぶれです。
今回F1初優勝を果たしたペレスは、ここ数年は仕事師といったイメージで、速さと確実性を両立している数少ないドライバーです。しかし、これまでのところ来季のシートは無く、個人的には非常に残念に思います。
タイヤに関する情報
コンパウンド毎の最長スティントとラップタイム上位
- ハードタイヤ 46Laps(エステバン・オコン)
1. バルテリ・ボッタス 56.563
2. ジョージ・ラッセル 56.644
3. セルジオ・ペレス 56.789
- ミディアムタイヤ 49Laps(バルテリ・ボッタス)
1. ジョージ・ラッセル 56.393
2. アントニオ・ジョビナッツィ 56.887
3. カルロス・サインツ 57.165
- ソフトタイヤ 42Laps(ランス・ストロール)
1. ジョージ・ラッセル 55.404
2. セバスチャン・ベッテル 56.905
3. アレックス・アルボン 57.068
FORMULA 1 ETIHAD AIRWAYS ABU DHABI GRAND PRIX 2020
(出典 : Formula 1、Abu Dhabi)
開催日程 : 2020年12月11日~13日
開催場所 : アラブ首長国連邦 アブダビ
コース名 : Yas Marina Circuit
走行距離 : 5.554 km ✕ 55 周 = 305.355 km
前戦、新型コロナウイルスの感染が判明して欠場ハミルトンですが、最終戦までの間に陰性が確認され走行する事が可能になりました。
先週劇的な優勝を遂げたペレスですが、今週は今季4機目のPUに換装するため、最後列からのスタートとなります。さらに、同様にPUを交換したマグヌッセンは最後尾からのスタートとなります。
また、前戦でペナルティを受けたルクレールは、3グリッド降格により12番手スタートとなりました。
先週劇的な優勝を遂げたペレスですが、今週は今季4機目のPUに換装するため、最後列からのスタートとなります。さらに、同様にPUを交換したマグヌッセンは最後尾からのスタートとなります。
また、前戦でペナルティを受けたルクレールは、3グリッド降格により12番手スタートとなりました。
- FP1 : マックス・フェルスタッペン(1:37.378、レッドブル)
- FP2 : バルテリ・ボッタス(1:36.276、メルセデス)
- FP3 : マックス・フェルスタッペン(1:36.251、レッドブル)
- Q : マックス・フェルスタッペン(1:35.246、レッドブル)
- R : マックス・フェルスタッペン(1:36:28.645、レッドブル)
FPから調子の良さが伺えたフェルスタッペンが、メルセデスPUの2020年シーズン予選全戦制覇を阻むポールポジションを獲得しました。
ヤス・マリーナは、ロングストレートが2本ある割には抜きづらい(1本目で抜かしても2本目で抜き返されるため)サーキットであり、データ的にもポールポジションからの勝率が非常に高くなっており、土曜日の夜の段階でかなり大きな希望を抱くことになりました。
レース開始時点では、気温23度、路面温度30度のコンディション。トップ10では、フェルスタッペンとメルセデス勢、サインツがミディアムタイヤ、それ以外はソフトタイヤでのスタートとなります。タイヤの持ちが悪い傾向があるため、11番手以下はハードタイヤかミディアムタイヤをチョイスしています。
各車スタートをうまく決め、大きな混乱も無くレースに入りました。先行逃げ切りを図りたいフェルスタッペンは、ファステストラップを叩き出しながらボッタスとの距離を離します。
6周目、アルボンがノリスをオーバーテイクし4位へ浮上します。ここからハミルトンとそれほど離されなければ、メルセデス勢の作戦の幅を小さくする事ができるため、フェルスタッペンに有利な展開となりそうです。
9周目、ペレスがパワーを失いリタイヤ。交換したばかりの新品PUですが、何かに問題が発生したようです。ペレスはコース脇に車を停めたため、すぐにVSCとなり、その後SCに切り替わりました。
このタイミングで、ミディアムタイヤ及びソフトタイヤでスタートしたドライバーがタイヤ交換を行い、残りの45周をタイヤマネジメントだけで乗り切る事になりました。
但し、ミディアムタイヤでスタートしたルクレールは、なぜかステイアウトを選択しました。ちょうど良いタイミングで再度SCが出れば良いのですが、ある意味賭けに出たのでしょうか。
14周目の再スタートからは、フェルスタッペンが再びファステストラップを連発してボッタスとの差を広げ、あっという間にDRS圏外となりました。
そう言えば、メルセデス製PUはMGU-Kに信頼性の問題が発生しており、今回のレースはMGU-Kの出力を下げていると報道されていましたが、フェルスタッペンが軽々とボッタスを引き離しているところを見ると、どうやら本当のようです。
22周目、なぜかステイアウトしていたルクレールがピットインし、ハードタイヤに履き替えて最後尾から追い上げます。
レース中盤には、フェルスタッペンとハミルトンからタイヤに関する無線が飛びましたが、特にハミルトンについてはいつもの通り全く問題無く最後まで行けるでしょう。フェルスタッペンも、無用に飛ばす必要は無さそうなので、なんとかなって欲しいと思います。
ただ、全車タイヤマネジメントに全力を傾けているため、コース上でのバトルは非常に限定的となり、見ている方とすれば面白くない展開です。
ハードタイヤでスタートしたベッテルは35周目、リカルドは39周目にピットイン。リガルドはそれほどペースも悪くなかったため、7位で復帰します。結局、SCが出た際にステイアウトした中では、リカルドだけが順位を上げた形となりました。
残り10周で2位との差を11秒ほどに広げたフェルスタッペンから、PUの出力を下げるかチームに問う無線が飛びましたが、そのままのモードで行くようです。今季のホンダ製PUの信頼性は、他メーカーより優れています。
最終的に、フェルスタッペンはボッタスに約16秒ほど差をつける、完璧なポールトゥウィンを果たしました。
4位に入ったアルボンも、ハミルトンのすぐ後ろでゴールし、まさにレッドブル対メルセデスという構図をようやく目にすることができました。
ヤス・マリーナは、ロングストレートが2本ある割には抜きづらい(1本目で抜かしても2本目で抜き返されるため)サーキットであり、データ的にもポールポジションからの勝率が非常に高くなっており、土曜日の夜の段階でかなり大きな希望を抱くことになりました。
レース開始時点では、気温23度、路面温度30度のコンディション。トップ10では、フェルスタッペンとメルセデス勢、サインツがミディアムタイヤ、それ以外はソフトタイヤでのスタートとなります。タイヤの持ちが悪い傾向があるため、11番手以下はハードタイヤかミディアムタイヤをチョイスしています。
各車スタートをうまく決め、大きな混乱も無くレースに入りました。先行逃げ切りを図りたいフェルスタッペンは、ファステストラップを叩き出しながらボッタスとの距離を離します。
6周目、アルボンがノリスをオーバーテイクし4位へ浮上します。ここからハミルトンとそれほど離されなければ、メルセデス勢の作戦の幅を小さくする事ができるため、フェルスタッペンに有利な展開となりそうです。
9周目、ペレスがパワーを失いリタイヤ。交換したばかりの新品PUですが、何かに問題が発生したようです。ペレスはコース脇に車を停めたため、すぐにVSCとなり、その後SCに切り替わりました。
このタイミングで、ミディアムタイヤ及びソフトタイヤでスタートしたドライバーがタイヤ交換を行い、残りの45周をタイヤマネジメントだけで乗り切る事になりました。
但し、ミディアムタイヤでスタートしたルクレールは、なぜかステイアウトを選択しました。ちょうど良いタイミングで再度SCが出れば良いのですが、ある意味賭けに出たのでしょうか。
14周目の再スタートからは、フェルスタッペンが再びファステストラップを連発してボッタスとの差を広げ、あっという間にDRS圏外となりました。
そう言えば、メルセデス製PUはMGU-Kに信頼性の問題が発生しており、今回のレースはMGU-Kの出力を下げていると報道されていましたが、フェルスタッペンが軽々とボッタスを引き離しているところを見ると、どうやら本当のようです。
22周目、なぜかステイアウトしていたルクレールがピットインし、ハードタイヤに履き替えて最後尾から追い上げます。
レース中盤には、フェルスタッペンとハミルトンからタイヤに関する無線が飛びましたが、特にハミルトンについてはいつもの通り全く問題無く最後まで行けるでしょう。フェルスタッペンも、無用に飛ばす必要は無さそうなので、なんとかなって欲しいと思います。
ただ、全車タイヤマネジメントに全力を傾けているため、コース上でのバトルは非常に限定的となり、見ている方とすれば面白くない展開です。
ハードタイヤでスタートしたベッテルは35周目、リカルドは39周目にピットイン。リガルドはそれほどペースも悪くなかったため、7位で復帰します。結局、SCが出た際にステイアウトした中では、リカルドだけが順位を上げた形となりました。
残り10周で2位との差を11秒ほどに広げたフェルスタッペンから、PUの出力を下げるかチームに問う無線が飛びましたが、そのままのモードで行くようです。今季のホンダ製PUの信頼性は、他メーカーより優れています。
最終的に、フェルスタッペンはボッタスに約16秒ほど差をつける、完璧なポールトゥウィンを果たしました。
4位に入ったアルボンも、ハミルトンのすぐ後ろでゴールし、まさにレッドブル対メルセデスという構図をようやく目にすることができました。
タイヤに関する情報
コンパウンド毎の最長スティントとラップタイム上位
- ハードタイヤ 45Laps(フェルスタッペン他8名)
1. マックス・フェルスタッペン 1:40.958
2. バルテリ・ボッタス 1:41.131
3. アレックス・アルボン 1:41.227
- ミディアムタイヤ 27Laps(アントニオ・ジョビナッツィ)
1. ダニエル・リカルド 1:40.926
2. セバスチャン・ベッテル 1:41.475
3. ケビン・マグヌッセン 1:41.999
- ソフトタイヤ 10Laps(アレックス・アルボン他4名)
1. ピエトロ・フィッティパルディ 1:41.707
2. アレックス・アルボン 1:42.885
3. ランド・ノリス 1:43.879
(Last Editing Date : 2020 / 12 / 14)