【随時更新】200803_第4戦について情報更新
新型コロナウイルス感染症の蔓延により、F1 2020年シーズンは当初の予定から大幅に変更されて開催される事となりました。



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F1 2020年シーズン 全GP一覧

【一覧】
※以下、文中で触れている各データの数値は、F1公式ホームページを参考にしています。
※公式アナウンスに沿って情報を追加していきます。
※Rd.1~Rd.8(2020年6月2日発表)については、無観客での開催となります。
※Rd.1~Rd.8に関する詳細は、公式サイト(英語)をご参照ください。

Formula 1 Rolex Grosser Preis von Osterreich

rusterrreich
(出典 : Formula 1Austria
開催日程 : 2020年07月03日~05日
開催場所 : オーストリア シュピールベルグ
コース名 : Red Bull Ring
走行距離 : 4.318 km ✕ 71 周 = 306.452 km
日本を含めまだまだ新型コロナウイルス感染症との戦いが続く中、F1 2020年シーズンが開幕しました。当面は無観客での開催となり、テレビ画面越しでも違和感があります。

例外的なシーズンとなった今年、開幕戦となったのはオーストリアです。開幕前にメルセデスがマシンカラーリングをシルバーからブラックに変更、ウィリアムズもスポンサー絡みでカラーリングが変更となっています。
また、メルセデスに関してはプレシーズンテストで発生したPU関係のトラブルについて、対策されたPUを搭載しています。

下馬評ではメルセデスとレッドブルの一騎打ちとされていましたが、結果は....
  • FP1 : ルイス・ハミルトン(1:04.816、メルセデス)
  • FP2 : ルイス・ハミルトン(1:04.304、メルセデス)
  • FP3 : ルイス・ハミルトン(1:04.130、メルセデス)
  • Q : バルテリ・ボッタス(1:02.939、メルセデス)
  • R : バルテリ・ボッタス(1:30:55.739、メルセデス)

結果だけを記載すると、今年もメルセデスか、となります。事実、予選を見る限り、純粋な競争力はメルセデスが圧倒的です。

さて、開幕戦。ハミルトンが予選時のペナルティで5番グリッドからのスタートとなり、フロントロウからトップ10では唯一のミディアムタイヤスタートとなるフェルスタッペンが、後半どの位置にいるかが非常に興味深いところです。

スタートで後方からの攻撃に耐えたフェルスタッペンに勝てる条件が揃いつつあった11周目、電気系が原因で突然のスローダウンによりリタイヤ。
しかし、これは始まりにしか過ぎませんでした。この後、リカルド、ストロールにトラブルが相次ぎ、メルセデス勢の2人のドライバーにもセンターに問題がある旨の無線が飛びます。終盤に差し掛かる頃には、グロージャンやラッセルにもトラブルが発生しました。大半は電気系のようで、縁石を乗り越えた際のショックが一因と言えそうです。

ラッセルがコース脇でストップした事で、この日2度目のセーフティカーが導入されます。ボッタス、ハミルトン、ペレスがステイアウトする中、アルボン、ノリス、ルクレールがタイヤ交換を実施し、残り周回で一時的に順位を落としても前を捉える作戦に切り替えます。
55周目にライコネンの車のタイヤが外れ、3度目のセーフティカーが導入。残り11周になったところで、レースが再開されます。

3番手に上がっていたアルボンは、ターン4で前を行くハミルトンを狙います。完全に抜いたと思いましたが、2019年の最終戦の再現の如く、ハミルトンがアルボンに当ててしまいます。アルボンは初優勝の確率がかなり高かっただけに、本当に残念な動きでしたが、こういう時はもう少し新調に仕掛ける事も大切かもしれません。

66周目、不調フェラーリのルクレールが3番手に浮上。残り2周の時点でクビアトの左リアタイヤがバーストし、これでコース上に残るマシンは11台と記憶にないほどのサバイバルゲームです。

そして、興奮は最後に訪れます。アルボンとの接触でハミルトンには5秒ペナルティが出される中、2位ハミルトンの後方5秒以内で、ルクレールと最終ラップにファステストラップを記録したノリス(!!)がチェッカーを受けました。

優勝は、ボッタス。2年連続で開幕戦を勝ちましたが、センタートラブルにより見た目より薄氷を踏む思いだったようです。
また、DRSを用いて各所でオーバーテイクが発生するなど、トラブルを考慮に入れずとも昨年に引き続きエキサイティングなレース展開となりました。さらに、新世代レーサー達が各所で奮闘し、時代の移り変わりを感じるレースにもなりました。

タイヤに関する情報

コンパウンド毎の最長スティントとラップタイム上位
  • ハードタイヤ 30Laps(ルイス・ハミルトン他計5名)
    1. バルテリ・ボッタス 1:07.657
    2. ルイス・ハミルトン 1:07.712
    3. アレックス・アルボン 1:08.432
  • ミディアムタイヤ 30Laps(セルジオ・ペレス)
    1. ランド・ノリス 1:07.475
    2. シャルル・ルクレール 1:07.901
    3. カルロス・サインツ 1:07.974
  • ソフトタイヤ 26Laps(ルイス・ハミルトン他計7名)
    1. セバスチャン・ベッテル 1:08.623
    2. アントニオ・ジョビナッツィ 1:08.796
    3. ルイス・ハミルトン 1:09.000

Formula 1 Pirelli Grosser Preis der Steiermark

rusterrreich
(出典 : Formula 1Austria
開催日程 : 2020年07月10日~12日(日本時間23日00:10レーススタート)
開催場所 : オーストリア シュピールベルグ
コース名 : Red Bull Ring
走行距離 : 4.318 km ✕ 71 周 = 306.452 km
第2戦開幕直前、フェルナンド・アロンソが2021年にルノーからF1に復帰するとの発表がありました。個人的にはルノーは撤退するかもしれないと思っていたので、これは朗報です。

さて波乱の開幕戦の翌週、同じ場所で第2戦が開催されました。こんな事は今後もそう起こることでは無く、ある意味我々は歴史的な瞬間に立ち会っていると言えるでしょう。
開幕戦から時間がなかったこともあり、開幕戦であれだけ出たトラブルがどれだけ解消されているかが大きな焦点の1つです。
メルセデスは開幕戦で優勝したものの、振動によるギアボックストラブルに悩まされましたが、ある程度の対策は施しているようです。ホンダについては開幕戦のトラブルの原因がそれぞれ異なり、まだ解析が進んでいないものの、こちらも対策を入れているとのことです。

フェラーリは新型フロントウイングを導入したものの、昨年途中で発生したPUの件が尾を引いており、ウイングをちょっと変えただけで事態が好転するほど甘くは無さそうです。

メルセデス一強時代が続くことになるのか.....
  • FP1 : セルジオ・ペレス(1:04.867、レーシングポイント)
  • FP2 : マックス・フェルスタッペン(1:03.660、レッドブル)
  • FP3 : 降雨のためキャンセル
  • Q : ルイス・ハミルトン(1:19.273、メルセデス)
  • R : ルイス・ハミルトン(1:22:50.683、メルセデス)
予選6番手のノリスが黄旗無視、予選11番手のルクレールが妨害行為により3グリッド降格、さらにグロージャンがパルクフェルメ規定違反によりピットレーンスタートとなりました。

予選が雨だった事で全車スタートタイヤを自由に選択する事が可能となり、上位勢はほぼソフトタイヤを選択しました。ミディアム選択組最上位は、8番手のリカルドとなります。

スタート直後、先頭ハミルトンの後ろでは開幕戦同様フェルスタッペンがマクラーレンからの攻撃を受けますが、なんとか凌ぎます。
ターン3では、なんとフェラーリが同士討ち。集団の中で後方からベッテルのインを突いたルクレールは、ベッテルのリアウイングと自身のフロアを破壊します。
これによりセーフティカーが導入され、4周目にレースが再開されます。開幕戦同様荒れた展開となるのでしょうか。

ハミルトン、フェルスタッペン、ボッタスの上位3台が順調に後続との距離を広げ、しばらく遅れてアルボンが追いかけますが前3台について行けず、トップ争いはメルセデス2台とレッドブル1台の勝負となりました。アルボンは1周あたり1秒近く遅く、むしろ中団に飲み込まれています。

中団は相変わらず素晴らしいバトルが続くものの、20~30周目は序列が明らかになった第2戦だったと思います。
おそらく今後数戦続くであろう序列は、「メルセデス ▶ レッドブル ▶ マクラーレン = ルノー = レーシングポイント = フェラーリ ▶ アルファタウリ ▶ アルファロメオ = ハース ▶ ウィリアムズ」です。
フェラーリが走っていない中での事だったので完全ではありませんが、24周目にほぼ上記の通りに並んだ順位表を見て思わず写真を撮ってしまいました。

開幕戦と異なり波乱が発生しない中で、トップに関してはほぼ固定されました。ハミルトンは中盤以降流しっぱなし、フェルスタッペンはボッタスに対して防戦一方ですが、終盤に順位が入れ替わりました。
アルボンは相変わらずペースが上がらず、ペレスに追い上げられるも何とか対抗します。マシン側に問題が無かったとすれば、アルボンは早期に交代もあり得るレースでした。

優勝は、楽々ドライブしていたように見えたハミルトン。2位は、おそらくプランを完遂したボッタス。波乱が無い実力勝負の中で3位だったフェルスタッペンは、相当悔しいと思います。

第2戦では、メルセデスPUのさらなる向上を見せつけられました。ようやく昨年メルセデスの背中が見えたと思ったホンダとすれば、またしても見えない位置まで遠のいたと思っているでしょう。
また、レッドブルとマクラーレンに関しては、レースペースに課題がありそうです。レーシングポイントは予選さえ良ければ、中団勢トップを確保できるでしょう。

タイヤに関する情報

コンパウンド毎の最長スティントとラップタイム上位
  • ハードタイヤ 34Laps(ダニール・クビアト)
    1. ダニール・クビアト 1:08.378
    2. ピエール・ガスリー 1:09.025
    3. シャルル・ルクレール 1:35.379
  • ミディアムタイヤ 44Laps(ルイス・ハミルトン他計3名)
    1. ルイス・ハミルトン 1:06.719
    2. アレックス・アルボン 1:07.109
    3. セルジオ・ペレス 1:07.188
  • ソフトタイヤ 39Laps(ランド・ノリス)
    1. カルロス・サインツ 1:05.619
    2. マックス・フェルスタッペン 1:06.145
    3. ピエール・ガスリー 1:07.827

Formula 1 Aramco Magyar Nagydij

hungaroring
(出典 : Formula 1Hungary
開催日程 : 2020年07月17日~19日
開催場所 : ハンガリ- ブタペスト
コース名 : Hungaroring
走行距離 : 4.381 km ✕ 70 周 = 306.630 km
今年もメルセデスの独壇場となる事が濃厚となりつつある中で行われた、第3戦です。予選では、2019年型メルセデスを完全コピーし、ピンクメルセデスと呼ばれるレーシングポイントが3位・4位を獲得しました。また、その後ろにはレッドブルでは無くフェラーリが来たことで、今年は3位(2番手チーム)以降の戦いが面白くなっていくのかなと感じました。
  • FP1 : ルイス・ハミルトン(1:16.003、メルセデス)
  • FP2 : セバスチャン・ベッテル(1:40.464、フェラーリ)
  • FP3 : バルテリ・ボッタス(1:15.437、メルセデス)
  • Q : ルイス・ハミルトン(1:13.447、メルセデス)
  • R : ルイス・ハミルトン(1:36:12.473、メルセデス)
決勝前に降った雨により、路面はウェット状態。その中で、インターミディエイトタイヤでグリッドに向かうフェルスタッペンが、ターン12でクラッシュ。万事休すに思えましたが、グリッド上で完璧な仕事をしたメカニック達が残りあと僅か数分というところでフェルスタッペンを送り出します。

天候が微妙な中、フォーメーションラップでハースの2台がピットインし、ミディアムタイヤに変更します。どうも荒れそうな気配の中、レースがスタート。
2番グリッドのボッタスと、4番グリッドのペレスが大きく遅れます。代わりに7番手スタートのフェルスタッペンが大きく順位を上げ、後方でも大きく順位が変動しています。
ボッタスは車内のランプに反応してしまったようで、一瞬ジャンプスタートに見えましたが、FIAのシステムには検知されなかったようです。

オープニングラップでクビアト、次の周にはルクレールやボッタスがピットインし、ドライタイヤへ変更します。4周目には全車ドライタイヤへの交換が終わったものの、ソフトとミディアムというタイヤ選択で違いが生まれました。
また、ピットレーンでの接触でラティフィに5秒加算、ライコネンにはグリッド外からスタートした事で同様に5秒加算ペナルティが出されました。やはり序盤から慌ただしいレースです。

序盤は雨雲がずっとフォーカスされ、おそらく視聴者の9割が荒れろと思っていたと思いますが、膠着状態が続きます。
そんな中、17周目にガスリーのマシンから白煙。PUトラブルかと思いましたが、ギアボックストラブルだったとの事です。
降雨を考慮してか、全車タイヤを使い切るまで走る我慢のレースとなりました。前方ではフェルスタッペンとボッタスが戦っていますが、先にボッタスのタイヤが終わってしまったようです。

タイヤを交換したボッタスは、ファステストラップを連発してフェルスタッペンを追いかけますが、最後ギリギリでフェルスタッペンが逃げ切りました。
ちなみに、トップのハミルトンはかなり余裕があり、残り3周でファステストラップ狙いのピットインを行い、しっかり優勝とファステストラップを記録しました。

レース後、ハースの2台に対してフォーションラップ時にピットからピットインの指示をしたとして、双方に10秒加算ペナルティが課されました。これにより、マグヌッセンは9位から10位に降格したものの、念願のポイントは獲得しています。

今回のGPで最も懸念するべきは、レッドブルの予選での不振です。また、レーシングポイントやマクラーレンについては、やはりレースペースに課題があるように見えました。

Formula 1 Pirelli British Grand Prix

briten
(出典 : Formula 1Great Britain
開催日程 : 2020年07月31日~08月02日
開催場所 : イギリス ノーサンプトンシャー、バッキンガムシャー
コース名 : Silverstone Circuit
走行距離 : 5.891 km ✕ 52 周 = 306.198 km
メルセデスとそれ以外のF1およびF1.5チームという、3つのクラスの混走となっている2020年のF1です。GPとGPの間隔が少ない今年のF1では、初期設定を覆すのは例年以上に難しいため、ここイギリスでもレッドブル以下を注目したいと思います。
  • FP1 : マックス・フェルスタッペン(1:27.422、レッドブル)
  • FP2 : ランス・ストロール(1:27.274、レーシングポイント)
  • FP3 : バルテリ・ボッタス(1:25.873、メルセデス)
  • Q : ルイス・ハミルトン(1:24.303、メルセデス)
  • R : ルイス・ハミルトン(1:28:01.283、メルセデス)
レース前に、レーシングポイントのペレスが新型コロナウイルスに感染している事が発表され、10日間の自己隔離に入っている事から今回のイギリスGPと同じシルバーストンで開催される次戦に出場する事ができなくなりました。
FP1開始前には、ヒュルケンベルグが代役として乗る事が発表されました。競争力のあるピンクメルセデスに乗るヒュルケンベルグが楽しみでしたが、決勝レース前にグリッドに向かう途中にマシントラブルが発生し出走できませんでした。

予選では、トップのハミルトンと3位のフェルスタッペンに約1秒の差がありました。まさしく今年のF1勢力図を象徴しているタイム差だと言えます。
ただ、それよりもFP2のクラッシュが遠因と推察されるとは言え、アルボンが下位に沈んでいる事が問題です。メルセデスに対抗するためには、是が非でも2台を少なくてもメルセデスの直後に置いておく必要があります。

決勝。スタート直後に3位フェルスタッペンと4位ルクレールの争い、その後ろのポジショニング争いはあったものの、隊列が整います。
ターン17で直前にミスをしたマグヌッセンのインにアルボンが飛び込みますが、やや強引だったようで接触し、マグヌッセンが弾き飛ばられてクラッシュしました。このアクシデントにより、セーフティカーが発動されました。

6周目にレースが再開されると、メルセデス2台が飛ばしフェルスタッペンがジワジワ離れていき、ルクレール以下が置いていかれました。
その後、タイヤに高負荷なシルバーストンという事もあって、各車早々にタイヤマネジメントに専念する展開となり、5番手以下10台程度が連なって走っています。

12周目にクビアトがマゴッツで挙動を乱し、クラッシュ。これによりセーフティカーが入ったため、すぐに対応できたリカルド以下、その他上位勢は次週に一斉にピットインを行いました。グロージャンだけはステイアウトを選択しましたが、シルバーストンでその選択肢はどうかなと思いました。

19周目にレースが再開すると、先程と同様にメルセデス2台が飛ばし、フェルスタッペンが単独走行となり、ルクレール以下が離されていきます。
先程のタイミングでハードタイヤに交換したマシンは、基本的には走り切る作戦であるため、レースはこのままの展開で終わるはずでした。

40周目以降は、ボッタスをはじめ様々なドライバーがタイヤに苦しみはじめます。おそらくほぼすべてのマシンに、バイブレーションが出ていると思います。全開で駆け抜ける高速コーナーが多いシルバーストンは、今年のF1マシンの左フロントタイヤにかける負荷が、事前の想定より大きいみたいですね。

50周目のターン3でボッタスの左フロントタイヤがバーストし、それを見たフェルスタッペンはピットインしてソフトタイヤに履き替えます。ボッタスは、これでポイント圏外に落ちました。
51周目にはサインツの左フロントタイヤ、そして最終ラップのターン9ではなんとトップのハミルトンの左フロントタイヤもバースト。
フェルスタッペンがハミルトンを捉えるかとも思いましたが、ハミルトンとフェルスタッペンには約30秒の差があり、ハミルトンはタイヤをバーストさせたままトップでゴールする事ができました。

今年のメルセデスは、DASの効果でフロントの熱入れを適正化していると想像していますが、高負荷のサーキットでは裏目に出るパターンもあるのかもしれません。


(Last Editing Date : 2020 / 08 / 03)