数あるベビーカーの中から、生活環境や子どもに合った物を選択するのは容易ではありません。
【関連記事】生後すぐに使う育児用品

どのベビーカーを買えばよいのか?

子どもが生まれる前に関連記事に記載の物と同時に必要性を同時に感じたのが、生後1か月程度から使用する機会が発生し、その後しばらくの間は自宅外にいる時間のほとんどで移動手段としてお世話になる製品「ベビーカー」です。

単純に「どのベビーカーが良いか」は、子どもがいる日常で使用しない限り絶対にわからない事だと思いますし、それぞれの家庭事情によってプライオリティの高低が異なります。
実際、息子が誕生する以前に購入しようと色々調べてみると、各社ともに独自の機能が充実し、見た目もオシャレなモノばかりで、どれでも良さそうに見えました。

私の経験から、何の予備知識も無くいきなり最適なベビーカーに出会えることはまずありません。そういった事も踏まえ、出来る限り我が家の使用条件などを含めながら、私がベビーカーを購入する際に得た知識と判断基準などを書いていきたいと思います。

ベビーカーには「型」がある

ベビーカーを購入する際に最初に決めなければならないのは「型」で、「A型」と「B型」の2種類が存在します。
  • A型ベビーカーの特徴
    ▶ 生後約1ヶ月から必要が無くなるまで使用可能
    ▶ リクライニング機能で座席がほぼ水平まで倒れる
    ▶ 凝った機能が搭載されている故に、大きく・重くなりがち

  • B型ベビーカーの特徴
    ▶ 子どもの首がすわった状態以降に使用が可能(生後7ヶ月~)
    ▶ 機能より軽量・コンパクトを追求したモデルが多い
    ▶ 相対的に安価なモノが多い
「型」選びで最も重要なのは、いつベビーカーを使い始めるかです。さらに言えば、生後7ヶ月(体重は6~9kg程度)まで抱っこ紐だけで過ごす勇気があるかどうかです。

3輪?4輪?日本製?外国製?

「型」さえ決まれば、正直あとは何に拘るかの差でしかありません。比較的短期間の使用に留まるベビーカーにお金をかける必要が無いなら価格優先となり、多少高価でも個性的またはお洒落な製品が良いというニーズもあります。

ベビーカーはよく人目に晒されるため、ステータス性を気にするのであればストッケなど間違いなく街中で注目されるであろう高級品が良いでしょう。
トラベルシステムといってベビーカーでの使用を中心としながらも、車載チャイルドシートとしても使用できる製品も幾つか見かける事があります。

最近ではエアバギーに代表される大型ゴムタイヤが装着された3輪タイプのベビーカーが、走破性や取り回しなどで従来の4輪タイプより優れていると評価され購入する人が増えている印象です。

また、数千円台から見つけることが出来るB型をさらに簡素化した簡易ベビーカーも存在します。価格優位性のみならず、コンパクトに折り畳む事ができるので軽自動車に積載する事が多いのであれば選択肢に入ります。

では、我が家の決断をご紹介します。

色々考えてベビーカーを買いました

最も重要な「型」については、息子が夏生まれであり、1か月健診でベビーカーを使用したい思惑があったのでA型」一択です。
ただ、A型を選択できたのは、我が家がHONDA CR-VというA型ベビーカーを余裕で積載できるSUVタイプの乗用車を所有しており、北海道という土地柄もあって基本的には車移動が中心であるためだと思います。
スーパーや大型商業施設では、必ずベビーカーないしベビーカータイプのカートが用意されている事もあって、取り回しで苦労しそうなバスや地下鉄移動が主体であれば当初からA型を選択することは無かったでしょう。

個人的にはA型でも取り回しが良く雪上でも走行できそうな3輪バギータイプ推しでしたが、メーカーやタイヤの個数などは決め打ちをするのではなく、使用頻度が多いと思われる嫁が実際に試して良いと感じたものを購入しようと決めました。

Aprica SORARIA

DSC_0051
という流れは実は息子が誕生する以前の出来事で、息子が誕生した時点ではすでにAprica SORARIA(ソラリア)を購入していました。

元々実機に触ってから購入するつもりだったので、赤ちゃん本舗に並んでいる数十台の中からの選定となりました。置いてある製品の半数以上はB型であり、ストッケなど海外製の高級機は皆無で、トラベルシステムに対応した製品は1種類のみだったので、あまり多くの選択肢を試せたわけではありません。

ちなみに、私が推していた3輪バギータイプは、「押しづらい」という一言で候補から外れました。あくまで個人の感想ですが、従来の4輪タイプの製品と比較してスーッと進む感覚が乏しいようです。

SOLARIAを購入した理由(主に嫁の主観による評価)は、
  • 使用素材が良い
  • 対面・背面の切り替えが、他機種よりスムーズ
  • 降雪期にベビーカーで屋外には出ない為、タイヤサイズは大きい必要がない
  • 試した実機の中では一番押しやすい
  • 本体色の茶色が可愛い
私も基本的にはかなり満足度の高いベビーカーだと思いますし、選択肢としてあった
A型ベビーカーの中ではベストの選択をしたと思います。
現在(2018年8月)のラインナップでは、オプティア プレミアム ABとなるでしょう。当時ソラリアも価格は高めでしたが、ベビーカーの性能を見るとこのクラスが価格性能比で最も良いバランスだと思います。

ところが、A型は予想以上に大きかった

ベストな選択をしたと思っていても、実際日常的に使用してみると想像以上にA型の大きさが気になり始めました。この辺は、以前公開した抱っこ紐の記事の時点から感じていたことです。

生後1~3ヶ月程度の時期は、外出といっても家の周囲がメインなのでベビーカーの大きさが問題に感じるシーンはあれど(今となっては)我慢ができる範囲です。それよりも歩道を走行するに当たり、A型だからこそ実現できる安定性は心強く感じます。

生後半年近くになると人が多い空間や様々な商業施設に行くことが多くなり、それまで気にならなかった問題が露呈し始めました。
  • 背の高い商業施設では、いちいちエレベーターを待つのが面倒くさい
  • 週末の地下歩行空間など人が多い場所では、SOLARIAは大きすぎる
  • 通路が狭いショップでは、SOLARIAの旋回性能では曲がりきれない
  • SOLARIAが大きすぎる為、稀に商品や他の人にぶつかってしまう
このように、A型ベビーカーのサイズによる障害は、事前に想定していたバスや地下鉄とは違う(我が家にとっての)ごく日常的な部分で多く発生しました。

完全に事前想定の甘さが原因ですが、これはさすがに経験が無いとわからないことだったと思います。また、使いづらいだけで使えないわけではないので、さほど大きな問題ではありません。

それでは、我が家の再度の決断です。

B型ベビーカー「Quinny YEZZ」導入

IMG_1827
大きな問題では無いと言いつつしっかりとB型ベビーカーを導入したのは、週末はベビーカー持ち運び係となる事が多い私がSOLARIAのネガを我慢仕切れなかったためです。

今回の機種選定は100%私の意見を取り入れ、SOLARIAのネガを潰す様な持ち運びが容易で旋回性能が高い製品で価格が適正なものを条件とし、Quinny YEZZを選定しました。

まだ北海道ではあまり見ない機種という事もあり、残念ながら実機を試す事ができなかったのですが、ネット上で色々と調べて折り畳むと非常にコンパクトになり持ち運びが容易で、3輪なので旋回性能が非常に高い事がわかりました。また、価格的にもバカみたいに高いというわけではないので、まさに条件にピッタリな機種です。

やはり標準より大きい体型を維持している現在7ヶ月の息子を乗せると、結構ピッタリサイズで驚きましたが、本人も気に入ったようです。
IMG_1831

Quinny YEZZの使用感

20160315_164420
YEZZの使い勝手を試そうと、嫁と息子をショッピングモールに連れて行きました。横に広いイオンの場合それほど頻繁に上下動をする必要はありませんが、背が高い百貨店を想定し上下動はあえて全てエスカレーターを使用しました。

YEZZでエスカレーターを使用する場合、

 ① タイヤストッパーをかける
 ② シートベルトを外し、息子を抱っこ
 ③ YEZZを畳み、エスカレーターに乗る
 ④ エスカレーターを降り、YEZZを広げる
 ⑤ 息子を載せ、シートベルトをつける
 ⑥ タイヤストッパーを解除

この①~⑥までの行程を1人で複数回行いましたが、全然苦にならないばかりかSOLARIAでは面倒で回避していたスカレーターの使用がここまで簡単にできるのかと感動すらしました。

YEZZにはストラップが付いており、担いで持ち運びができるのは非常に便利だと感じます。ただ、重量がそれなりにあるので、女性が長時間担ぐのは少しキツイかもしれません。
IMG_1838
総合的にポジティブな点は、
  • タイヤの動きがスムーズで、片手で操作が可能
  • フレームが頑丈で、4輪よりグラグラせず安定性が高い
  • ビレッジバンガードの様な狭い通路の店舗でもOK
  • 畳む、広げる、シートベルトの装着など必要な動作が簡単
  • タイヤストッパーが1ヶ所だけでリア2輪にストッパーがかかる
  • 息子がグズったらYEZZを担ぎ、抱っこができる
軽量・コンパクトであることは最も重要なポイントで、想像以上に3輪である事による操作性の向上を感じました。

逆にネガティブな点は、
  • 凹凸の多い路面では乗り心地が悪そう
  • 軽量故、息子を載せていないとハンドルにジャンバーをかけただけで倒れる
  • 子ども用グッツは、S字フックでかけるよりリュックや斜め掛けの鞄で持った方が良い
  • SOLARIAと比較して座面が低く、屋外では排気ガスの影響が気になる
  • 膝掛けを装着する場所が無い(今後試行錯誤する予定)
  • 荷物入れは皆無
やはりこちらも軽量・コンパクトであるが故のポイントが多いのですが、ネガティブな点は購入前から予想できていた通りでした。
息子自身がどう感じているかは定かではありませんが、おそらく乗用車からゴーカートに乗り換えた感じだと思います。泣くほど不快では無いようですが、明らかに快適さは落ちたでしょう。

我が家はAprica SOLARIAというA型ベビーカーを所有している上で、Quinny YEZZというB型ベビーカーを購入したので、当面は屋内や旅行にはYEZZ、屋外はSOLARIAという使い分けになりそうです。

SOLARIAとYEZZのサイズ感比較

両車のサイズ感ですが、畳むと一目瞭然で違いがわかります。
IMG_1840
しかし、広げた状態の見た目は大差がありません。
IMG_1834
これから暖かくなり、色々な場所に行くことになりますが、SOLARIAとYEZZを適材適所で使い分けでいきたいと思います。


(Last Editing Date : 2018 / 08 / 20)